現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【国内試乗】「マツダMX-30 EV」マツダ初の量産EVがいよいよ現る!

ここから本文です

【国内試乗】「マツダMX-30 EV」マツダ初の量産EVがいよいよ現る!

掲載 更新 32
【国内試乗】「マツダMX-30 EV」マツダ初の量産EVがいよいよ現る!

欧州では2020年秋にデリバリーが始まっていたマツダ初の量産EV、マツダMX-30EVがいよいよ日本の道を走り始めた。外観などは先行発売されたマイルドハイブリッド車と共通ながら、新開発の電動パワーユニットは独自のコンセプトによる制御技術を満載する。

高速では大排気量のガソリン車のような感覚

【国内試乗】「ニッサン・ノート」コンパクトカーの常識を覆すほどの質感の高い仕上がり

「弾かれるような加速」、「アクセルオフだけで停止できるワンペダル操作」、「未来的なインパネ・ディスプレイ」といったEV特有の飛び道具的な機能は与えられていないMX-30EVだが、細部まで煮詰められたドライバビリティは爽快であると同時にマツダらしいこだわりに満ちている。発進加速はモーター駆動ならではの滑らかさで、アクセル(マツダはモーターペダルと呼ぶ)を踏みこむと1650kgという車重を感じさせずスムーズに速度を上げていく。ここまではEV感覚満点なのだが、高速道路に走り込むと印象がちょっと変わる。

電動モーターの加減速感というより、大排気量のガソリン車で走っているような感覚をおぼえるが、ひとつはアクセルのオン・オフに対するクルマの動きが内燃機関のそれに近く、自然な運転感覚で操作できるからだろう。もうひとつは遠く響くエンジン音のようなサウンドがアクセル開度に応じて変化し、臨場感を高めてくれる。運転が好きな人にとっては心地よいこの感触と音は、アクセル操作に対するトルクの出方を緻密にシミュレーションした結果であり、音は作られたものながら、スピーカーの位置にこだわったマツダ・ハーモニック・アコースティックスのなせる技だという。




コーナーでは特に意識しなくても思い描いたラインをたどることができ、先行車の割り込みなどで進路を乱されて舵を切り足したり、抜いたりしたときでも前後輪がしっかりついてくる。駆動用バッテリー搭載による低重心化、前後重量配分のよさ(前56%、後44%)もあるが、マツダ独自のGベクタリングコントロール(GVC)の効果もある。開発者によると、GVCは内燃機関よりEVのほうが緻密に制御でき、加速時だけでなく減速時や、ステアリングを戻すときでも制御可能なため、よりその効果を発揮しやすいという。EV専用制御のGVCにはe-GVCプラスの名が与えられ、原理は電気スイッチながらドライバーの意に沿った動きを実現したアクセルペダルと、このe-GVCプラスの連携がマツダ車らしい人馬一体感を生み出しているのだろう。

パドルシフトは左右それぞれ2段階の調整機構を持ち、左は回生を強めることによる減速、右は回生を弱める操作ができる。コーナー進入時や下り坂では左パドルでの減速が有効で、高速道路の巡航時などは右パドルで回生減速度を弱めるといった調整が可能だが、通常走行ではDレンジ固定とフットブレーキのみで軽快かつに安定した走りを堪能できる。

日産リーフより小さい35.5kWhという駆動用バッテリーの総電力量と、1充電の航続距離256kmを物足りなく感じる面もあるが、これはマツダが環境負荷低減と実用性のバランスを考えたうえでのスペックで、航続距離が欲しい人のため2022年以降ながら発電用小型ロータリーエンジンを搭載するレンジエクステンダー車およびプラグインハイブリッド車の追加予定もある。使い勝手を考えてその登場を待つのもいいし、MX-30EVの販売目標台数が年間500台と少ないのもそういった事情からだろう。同レベルのドライバビリティを持つバリエーションの追加は楽しみだが、さらにプラットフォームを共用するCX-30やマツダ3の電動化にもおおいに期待したいところだ。

specification

【specification】MX-30 EVハイエスト セット
■車両本体価格(税込)=4,950,000円
■全長×全幅×全高=4395×1795×1565mm
■ホイールベース=2655mm
■トレッド=前1565、後1565mm
■車両重量=1650kg
■バッテリー種類=リチウムイオン電池
■バッテリー容量=35.5kWh
■モーター型式/種類=MH/交流同期電動機
■最高出力=145ps(107kW)/4500-11000rpm
■最大トルク=270Nm(27.5kg-m)/0-3.243rpm
■燃費(JC08/WLTC)=131km/145Wh
■トランスミッション形式=1速固定式
■サスペンション形式=前ストラット/コイル、後トーションビーム/コイル
■ブレーキ=前Vディスク/後ディスク
■タイヤ(ホイール)=前215/55R18(7J)後215/55R18(7J)

問い合わせ先=マツダ 0120-386-919

こんな記事も読まれています

生産終了の[CX-8]ってやっぱ偉大!! 我らが[レクサスRX]だってマネしたんだぜ!! SUVの常識破ったってマジ!?
生産終了の[CX-8]ってやっぱ偉大!! 我らが[レクサスRX]だってマネしたんだぜ!! SUVの常識破ったってマジ!?
ベストカーWeb
井戸田潤ウキウキ!最新シビック タイプR試乗も……予想不可能のトラブルに困惑!?
井戸田潤ウキウキ!最新シビック タイプR試乗も……予想不可能のトラブルに困惑!?
グーネット
マツダの儚きクーペ「エチュード」を知ってるか? たった3年で消えていった理由はなんだったのか?
マツダの儚きクーペ「エチュード」を知ってるか? たった3年で消えていった理由はなんだったのか?
ベストカーWeb
高さ約50m!上信越道にそびえる巨大岩撤去の“現場”を公開! NEXCO東日本
高さ約50m!上信越道にそびえる巨大岩撤去の“現場”を公開! NEXCO東日本
グーネット
アウディ「A1スポーツバック」シックで都会的なルックスの限定モデル登場!
アウディ「A1スポーツバック」シックで都会的なルックスの限定モデル登場!
グーネット
電気自動車を買って試す本音レポート リアルEVライフ[電費を計測する]の巻
電気自動車を買って試す本音レポート リアルEVライフ[電費を計測する]の巻
グーネット
レクサス「LM」6座仕様車を追加 3列目もラグジュアリーな空間に
レクサス「LM」6座仕様車を追加 3列目もラグジュアリーな空間に
グーネット
2車線の片側が突如右折レーンに! 富士見川越バイパスの終点はなんであんなに残酷なのか?
2車線の片側が突如右折レーンに! 富士見川越バイパスの終点はなんであんなに残酷なのか?
ベストカーWeb
なんちゃってセレブが「核融合科学研究所」へ大人の社会科見学!「核融合」は原子力発電の「核分裂」とは違うのよ~
なんちゃってセレブが「核融合科学研究所」へ大人の社会科見学!「核融合」は原子力発電の「核分裂」とは違うのよ~
Auto Messe Web
【24’ 5/7最新】レギュラーガソリン全国平均価格は174.7円 2週ぶり値下がり止まる
【24’ 5/7最新】レギュラーガソリン全国平均価格は174.7円 2週ぶり値下がり止まる
グーネット
鈴鹿で19台が参加しGT300専有テストがスタート。初日はmuta Racing GR86 GTが最速
鈴鹿で19台が参加しGT300専有テストがスタート。初日はmuta Racing GR86 GTが最速
AUTOSPORT web
【GT300開幕戦レビュー&シーズン展望】一歩抜きん出た印象のブリヂストン。最適解は交換か、無交換か
【GT300開幕戦レビュー&シーズン展望】一歩抜きん出た印象のブリヂストン。最適解は交換か、無交換か
AUTOSPORT web
アイルトン・セナのMP4/4がマクラーレン720S GT3で蘇る。ラグナ・セカに没後30年追悼リバリー登場/IMSA
アイルトン・セナのMP4/4がマクラーレン720S GT3で蘇る。ラグナ・セカに没後30年追悼リバリー登場/IMSA
AUTOSPORT web
好感度クラスNo.1! アウディA3 スポーツバックへ試乗 小改良 見違えるほど変わった車内
好感度クラスNo.1! アウディA3 スポーツバックへ試乗 小改良 見違えるほど変わった車内
AUTOCAR JAPAN
負傷のハプスブルク、WECスパでの復帰叶わず。グーノンがふたたびアルピーヌA424をドライブへ
負傷のハプスブルク、WECスパでの復帰叶わず。グーノンがふたたびアルピーヌA424をドライブへ
AUTOSPORT web
4児の父「杉浦太陽」、新車で買った「高級ミニバン」初公開! 「すごく乗りやすくて…」全貌を明かし「カッコイイ!」「好感持てる」の声集まる
4児の父「杉浦太陽」、新車で買った「高級ミニバン」初公開! 「すごく乗りやすくて…」全貌を明かし「カッコイイ!」「好感持てる」の声集まる
くるまのニュース
世界戦デビューの地でエルラシェールが復活。リンク&コーが週末完全制覇を達成/TCRワールドツアー第2戦
世界戦デビューの地でエルラシェールが復活。リンク&コーが週末完全制覇を達成/TCRワールドツアー第2戦
AUTOSPORT web
レッドブルF1代表、フェルスタッペンの契約にニューウェイに関する条項はないと明言
レッドブルF1代表、フェルスタッペンの契約にニューウェイに関する条項はないと明言
AUTOSPORT web

みんなのコメント

32件
  • 先日マイルドハイブリッドの方のMX-30を購入。
    納車も済ませました。
    商談ではEVの話もでましたが、
    日本の現状では時期尚早と判断して断わりました。
    とにかく今の充電時間と走行距離では、
    帰省に使えない。
  • トヨタ・マツダ・デンソーが期間限定で作ったEVの合弁会社で技術共有を行っていたかもしれないが、実際バッテリーマネジメントは
    リーフ:空冷クーラー+ヒーター(e のみ)
    ホンダe:水冷クーラー(ラジエーター)+ヒーター
    MX-30:水冷クーラー(ヒートポンプ)+ヒーター
    UX300e:水冷クーラー(ヒートポンプ)+ヒーター
    でトヨタとマツダのものは最も進んだメカニズムを持っているから、共有されてるのかな?ヒートポンプならば停車時でもバッテリーを冷却できるようになる。
    ちなみにテスラは更に進んで冷却も加熱もヒートポンプを使う様子。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

264.0299.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

166.1289.8万円

中古車を検索
MX-30の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

264.0299.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

166.1289.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村