日産グローバル本社ギャラリーで開催中の「Nissan Futures」で、日本未導入のコンパクト・セダン、「シルフィ」が展示されている。潜在的ユーザーもじつは多いのは……?
電動化を推し進める日産
日産の新しい長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」では、電動化を戦略の中核とするという。さらに、2050年度までに製品のライフサイクル全体でカーボンニュートラル(CO2ゼロ)を実現するという目標を掲げている。
2030年までの9年でどんなことが出来るのか? 日産は、15車種のEVを含む23車種の電動車を導入し、ニッサン、インフィニティの両ブランドをあわせ、グローバルに電動車のモデルミックスを50%以上にすることを目指すという。
そこで本目標の達成に向け、2026年度までにEVとe-POWER搭載車を合わせて20車種導入する。
e-POWERとは日産が開発したシリーズ式ハイブリッド・システムで、ガソリン・エンジンを発電機として使い、100%モーターで駆動する。
メーカーによってはEV(電気自動車)に注力するが、日産は、いくつかの選択肢を用意する。そういえばトヨタは、2021年9月7日におこなわれた、電池・カーボンニュートラルに関する説明会で「自動車産業で言えば、電動化を進める事は、カーボンニュートラルに近づくための効果的な方法の一つです。たとえば我々の試算ではHEV(ハイブリッド車)3台のCO2削減効果は、BEV1台とほぼ同等です。現時点では比較的HEVの方が安価に提供できるので再生可能エネルギーがこれから普及していく地域ではHEVを活用した電動化などもCO2削減に効果的だと思われます。一方で再生可能エネルギーが豊富な地域ではBEVやFCEV(水素自動車)などのZEV(ゼロエミッションヴィークル)の普及がより効果的だと考えています。さらに南米のような地域では、バイオエタノールをCO2削減への対応として実用化されている例もあります。以上のように我々はどうやって炭素を排出しないようにするかもしくは削減してゼロに近づけていくかに集中するべきです」と、Chief Technology Officerの前田昌彦氏は述べた。
日産は、トヨタほど強くは主張していないけれど、“EVとe-POWER搭載車を合わせて”と宣言したので、内燃機関をしばらく残すはずだ。
中国向けシルフィにはe-POWERもあり
Nissan Ambition 2030の発表を経て、日産の電動化戦略をわかりやすく伝えるイベント「Nissan Futures」が開催中だ。
EVのコンセプトモデルや、新型「アリア」などがならぶなか、e-POWER搭載モデルも複数台展示された。そのなかの1台が中国市場向けの「シルフィ」だ。
シルフィはかつて日本でも販売されていたセダン。ブルーバードの流れを汲むモデルだ。初代が登場したのは2000年で、「ブルーバード・シルフィ」の名前で販売されたものの、ベースは9代目「サニー」だった。日本では3代目を最後に販売終了した。
現行シルフィは2019年に登場した4代目で日本未導入。中国市場などではシルフィの名前で販売するが、北米市場では「セントラ」として販売されている。
フロントまわりは最新の日産車に共通するVモーショングリルが目を引く。低くワイドなボディは、かつてのシルフィよりだいぶスタイリッシュだ。全長こそ約4.6m弱であるが、全幅は1.8m超に達するから、日本の駐車場&道路事情にはちょっとあわないかもしれない。
上部がブラックで、下部がオレンジの2トーン・カラーはかなり個性的だ。
インテリアは、ガラス越しでしか見られなかった。レザー調とおもわれるタンの素材を、インパネまわりやセンターコンソール、ドアライニングなどに使っているのが目を引く。ギアセレクターは現行ノートとおなじ形状だ。そのうしろにはスウィッチタイプのパーキングブレーキがある。インパネ上部にはインフォテインメント用モニターが設置された。
大型の液晶パネルでありとあらゆる機能で操作する最新のハイテク・セダンと比べれば、かなりオーソドックスなデザインであるものの、その分、使い勝手は良さそうだ。
シルフィの日本導入について、日産の広報は「わかりません」とのこと。“セダン冬の時代”といわれるなか、導入される可能性はきわめて低い。
ちなみに今、日本で購入出来る日産のセダンは「シーマ」と「フーガ」、そして「スカイライン」のたった3種類しかない。
かつて、日産のセダンは「セフィーロ」、「ローレル」、「オースター」、「スタンザ」など豊富だった。それがいまではたったの3車種になるとは……時代は大きく変わったのである。
電動化へと急速に進む自動車界にあって、バッテリーの搭載に不利かもしれない背の低いセダンにこだわるのは考えが古すぎるかもしれない。でも、シルフィを含む小型のセダンも生き残ってほしいと思う。
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
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