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アウトドア派の新定番になるか?三菱「デリカミニT Premium 4WD」に乗ってわかったお値段以上のバリュー

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アウトドア派の新定番になるか?三菱「デリカミニT Premium 4WD」に乗ってわかったお値段以上のバリュー

すでにこの@DIMEでは、今、話題騒然の新型軽自動車、三菱デリカミニの概要について報告しているが、今回、デリカミニT Premium 4WDでのロングランドライブの機会を得た。目的地は南房総保田のオートキャンプ場、そして amaneというオーシャンフロントの””ラグジュアリー&アクティブ”がコンセプトの音なのクロスオーバーリゾート施設。せっかくの機会なので、兄貴分のデリカD:5とともに訪れた。

出発前に驚かされた頼もしい積載力

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まず、新型デリカミニの基本情報を紹介すると、ベースはekクロススペース。つまり、今、軽自動車でもっとも人気のスーパーハイト系軽自動車である。

そしてekクロススペースの主にエクステリアを”デリカ”の名を語るのに相応しいデザインに仕上げ、4WDモデルに関しては、165/60R15サイズのタイヤ、専用チューニングされたサスペンションを奢り、軽自動車最大級の大径タイヤによって最低地上高160mmを確保している。TVCMでもお馴染みとなった犬らしき「デリ丸」の顔つきを思わせるLEDヘッドランプの、まさに犬顔の表情は、すでに女性を含む多くの人の好感を得ていると言っていい。

ロングラン試乗を行ったのは、T Premiumというターボエンジンを積み、日産のプロパイロットに相当する三菱版の先進運転支援機能のMI PILOTなどを標準装備する最上級グレード。駆動方式はビスカスカップリングを用いた4WDである。

家族2人+小型犬1頭の1泊2日のドライブ旅行を兼ねての試乗ということで、荷物もそれなりに増えたのだが、出発前に驚かされたのが、荷物の頼もしい積載力だった。機内持ち込みサイズのキャリーケース2個、愛犬用の荷物、そして夏の愛犬連れドライブ旅行に不可欠なペットカート、オートキャンプ場で使う小さな椅子とテーブル、クーラーボックスなどが主な荷物なのだが、パッとテールゲートを開いた状態、つまり身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で頭上に250mm、膝周り空間に400mmという広大な居住空間が得られる後席後端位置では、ラゲッジルームの寸法は、奥行き290mm、幅885mmと、とても上記の荷物が入るスペースではない。

が、スーパーハイト系軽自動車最大の320mmものスライド量を持つ後席を前端位置までスライドさせると、奥行きは675mmにまで拡大。機内持ち込みサイズのキャリーケースの全長が540mmなので、横倒しした状態で縦にすれば、余裕で2個、積み込むことができ、空いたスペースに車体本体高さ555mm、幅530mm、奥行き330mmのペットカートの車体本体を積んでも、まだまだ余裕ある”魔法”のスペースにアレンジできたのである。

デリカミニの前席に乗り込めば、まずは撥水生地のシートのかけ心地に納得だ。分厚いクッション感があり、背中のサポート性もなかなか。軽自動車らしからぬ上質上級なかけ心地に満足できた(三菱ekクロススペース、日産ルークスも同様)。

悪路でも安心の走破性と安定した走行感

走り出せば、シートのかけ心地の良さとともに、乗り心地の良さにも感動できる。悪路走行での乗り心地にもこだわったという大径165/60R15サイズのタイヤ、専用チューニングされたサスペンションの面目躍如というところだろう。以前、ハードなジャリ道をテスト走行した時も、タイヤのジャリへの当たりが優しく、頼りがいある操縦性を示し続け、ジャリ道でゴトゴトガタガタする乗り心地とは無縁であることを確認済みだ。

目的地までのルートはアクアライン~館山自動車の高速道路が主だが、高速走行では1830mmもの全高を感じさせない直進性の良さとフラットな乗り心地、マイルドハイブリッドのターボエンジンによる2名+犬1頭+大荷物でもまったく不足ない加速性能、巡航性能を高味合わせてくれた。レーンチェンジ時を含めた安定感の高さもなかなかと言っていい。

高速走行での、先進運転支援機能のMI-PILOT(高速道路同一車線運転支援機能)に含まれる全車速追従機能付きACC(レーダークルーズコントロール)、および車線維持支援機能(LKA)によって、ステアリングに軽く手を添え、ペダルから足を放した状態でクルージングできる、カーブもトレースしてくれる運転の快適さが、ロングドライブでドライバーの肉体的・精神的ストレスを最小限にしてくれることを改めて実感させてくれたのだった。

そうそう、スーパーハイト系軽自動車の大空間の後席は、あきれるほど広々としている反面、真夏のドライブでは後席エアコン吹き出し口がないため、空調環境に疑問符がつく。が、デリカミニのPremiumグレードには後席用のサーキュレーター(プラズマクラスター付き)が標準装備され、実際に後席に座ってみたところ、インパネのエアコン吹き出し口から排出される冷気が後席にもやんわりと伝わり、涼しく乗車できることを確認。スライドドア部分の窓のロールサンシェードと併用すれば、夏でもかなりの快適空間が得られることになる。暑がりの犬を乗せていれば、なおさらメリットがあると思えたのもほんとうだ(試乗当日の外気温は32度)。

高速走行中の車内の静粛性に関しては、さすがに合流、追い越しなどでターボエンジンを高回転(およそ3500回転以上)まで回すシーンではそれなりのノイズが車内に侵入する。が、スーパーハイト系軽自動車×高速走行につきものの風切り音、ロードノイズの高まりもあって、感覚的にはほぼ気にならない。無論、80~100km/hでのクルージング中は、後席に陣取った愛犬がスヤスヤ寝ていられるほどの、軽自動車としては、聴覚に優れた犬の耳にもやさしいハイレベルな静かさが保たれる。

一般道に降り、山の上にあるオートキャンプ場に至る道では、デリカミニの軽自動車規格の全幅がありがたかった。とにかく軽自動車の対向車とも絶対にすれ違えないような、想定外のデリカミニでもけっこうギリギリの獣道を延々と登っていくことになったのだが、デリカミニの車幅、ボディの見切りの良さ、最低地上高の余裕、フルタイム4WDの威力によって、自信を持って極狭かつ路面の悪い(ところどころに大穴もあった)道を突き進み、一見さんを寄せ付けないようなオートキャンプ場にスイスイとたどり着けたのである。そんな大荒れの道での乗り心地も評価すべき点であると思えた。

そうした予期せぬ悪路に遭遇しても終始、安心していられたのは、フルタイム4WDに加え、グリップコントロール、ヒルディセントコントロール、ヒルスタートアシストといったデリカミニ4WDのパフォーマンスを支える神器が備わっていたからでもある(実際にはそこまでのお世話にはならなかったが)。大雨、雪道などで威力を発揮してくれることはもちろんだ。



その後立ち寄った海辺の駐車場では、両側パワースライドドアを全開にして、車内を海辺の”マイドッグカフェ”に仕立て、クーラーボックスに入った冷たい飲み物で喉を潤した。このデリカミニはデリカD:5ほどの本格的な4WD、クロカン性能は持ち合わせていないものの、カジュアルにアウトドアを楽しむには、最高の”犬顔の相棒”であることを強く実感した次第である。

デリカミニの価格は最廉価のNAエンジンの2WDモデルで180.4万円から。セカンド&サードカー、街乗り中心の使い勝手なら、これで十分。愛犬家と愛犬の近所の足としても十分だ。が、今回のように、このデリカミニで家族+愛犬+大荷物でロングドライブをする機会が多いのであれば、やはりT Premiumがお薦めである。高速道路や山道の登坂で威力を発揮するターボエンジンの動力性能の余裕、クルージング中の静かさだけでなく、NA/ターボエンジンの両パワーユニットに用意されるPremiumグレードには、電動パーキングブレーキ&オートブレーキホールド機能、高速道路での渋滞時にも助かる先進運転支援機能のMI-PILOTなどまでが標準装備されるからである。

その上で、走破性に加え、乗り心地にまでこだわるならT Premium のタイヤやサスペンションが専用となる、車両本体価格223.85万円となる”4WD”が、デリカミニらしさを120%味わえるベストグレードになるだろう。デリカD:5ユーザーのセカンドカーとしてはもちろん、アウトドア派ユーザーのライトなクルマとして、価格以上の価値がある、と言いたくなるほどの1台だった。

三菱デリカミニ

文/青山尚暉
写真/雪岡直樹

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みんなのコメント

30件
  • いつも思うけど、こう言うとこで批判的というかその車を見下す様なヤツは他の人から哀れだなと思われてることを自覚したほうがいいぞ。
    買えない現実、所有できない現実を。
    そもそも自分の車に満足していれば、叩く必要ないし余裕がない証拠。
    まして相手は軽のハイトワゴン、本気になるなよ。
    もし車所有しているんなら、何に乗ってるか気になるな。まぁ本当のことは言えないだろうな笑笑
  • 歴代三菱車のカタログは、エンジンの解説が画像を添えて詳しく載っていた。
    デリカミニはエンジンに関しては完全スルー。
    メーカー自体がどういう扱いをしているのか、よく解る。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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