■買うならいま!? 超高額なMT車とは
日本のみならず、世界的に減少傾向にあるのが、マニュアルトランスミッション(以下、MT)車です。
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欧州や発展途上国では、まだまだMTの需要が高いものの、CVTやDCTなど、性能が高いトランスミッションの普及が進んだため欧州車でもMTは減少しており、なかでも高額なクルマほど顕著な状況となっています。
そこで、いまや絶滅の危機にある高額なMT車のなかで、現在日本で買えるモデルを3車種紹介します。
●ロータス「エヴォーラ」
ロータスは故コーリン・チャップマンがバックヤードビルダーから興したスポーツカーメーカーで、かつてはF1に出場していたほど高い技術力を持っています。
現在は「エリーゼ」や「エキシージ」という生粋のスポーツモデルと、グランツーリスモの「エヴォーラ」をラインナップし、各モデルにMTが設定されています。
なかでもエヴォーラ GT410スポーツは、416馬力を発揮するトヨタ製の3.5リッターV型6気筒スーパーチャージャーエンジンをミッドシップに搭載し、6速MTまたは6速ATと組み合わされています。
6速MT車の最高速度は305km/hに達し、1256kgという軽量な車体によって0-100km/h加速は4.2秒という、もはやスーパーカーといってもいいレベルです。
また、ボディは前後フェンダーに起伏のある古典的なスポーツカーのフォルムながら、最新の空力デザインを採用することで、モダンかつシャープな外観となっています。
エヴォーラ GT410スポーツの価格(消費税込、以下同様)は1496万円からです。なお、2シーターがスタンダードで2+2の4シーターも設定されています。
●ポルシェ「911 GT3」
ポルシェ「911」は世界でもっとも有名なスポーツカーのひとつで、初代が1965年にデビューして以来、一貫して水平対向エンジンをリアに搭載するレイアウトを守っています。
911の最新モデルは「992型」で2018年に発表されましたが、現状ではMTが設定されていません。
一方で、911のさらに高性能モデルである「911 GT3」には、MTがラインナップされています。
911 GT3は先代の「991型」のまま継続して販売されており、外観はスタンダードな911対してワイドフェンダーや大型のリアウイングが装着された特別なモデルです。
エンジンは500馬力を誇る4リッター水平対向6気筒自然吸気を搭載し、最高回転数は9000rpmに達します。
駆動方式はRRのみで、トランスミッションは当初6速PDK(DCT)のみでしたが、後に6速MTが追加されました。
911 GT3の価格は2115万円(6速MT/6速PDK)です。なお、992型の911 GT3も発売が予定されていますが、発売時期や価格、仕様については発表されていません。
■希少となったMTのFRスポーツとは
●BMW「M4クーペ」
BMWとは別会社にあたる「BMW M社」は、高性能モデルや特別注文プログラム「BMW Individual」による車両の製造などをおこなっており、「M」が付けられたモデルには特別な性能が与えられます。
1985年にはスモールモデルだった2代目「3シリーズ」に「M3」が設定され、現行モデルではセダンがM3で、クーペは「M4」となっており、M4のみ6速MTが選べます。
M4の外観はスタンダードな4シリーズに対してワイド化され、前後バンパーやドアミラーのデザインも専用で、空力性能を向上。
また、ルーフパネルがカーボンファイバー製となっており、車両重量の軽減と低重心化に貢献しています。
エンジンは431馬力を発揮する3リッター直列6気筒ツインターボを搭載し、後輪を駆動。より高性能な「M4コンペティション」では450馬力を絞り出します。
M4の価格は1207万円からとなっており、6速MTモデルは左ハンドルも選択可能です。
※ ※ ※
F1マシンなどレーシングカーから始まった、速く走るためのATは市販車でも急速に普及しました。
なかでもDCTの変速スピードは人間がMTを操作するよりも速く、加速性能や燃費性能もMTを凌駕するほどです。
また、変速を自動でおこなうことで、ドライバーがハンドル操作に集中できるメリットもあり、高性能車ほどAT化が進みました。
あらゆる性能でMT以上となったATですが、あくまでも公道を走るうえでは、速さよりも操作する楽しさを味わいたいものです。
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