■ネーミングについて気になることが……
2ストローク3気筒エンジンで強烈な加速と「MACH(マッハ)」の名称で知られたカワサキの初代「H」シリーズ。その哲学を引き継ぎ開発された、とされるのがスーパーチャージドエンジンを搭載する「Ninja H2/H2R」シリーズです。
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2014年に発表、2015年に発売開始された「H2」シリーズですが、じつは別のネーミングが用意されていた痕跡を発見しました。日本の商標登録を調べてみると、次の各商標が登録されていることがわかります。
「E」「E2」「E2-R」「R」「R2」「R2-R」「S」「S2」「S2-R」
米国特許商標庁の商標登録にも「H2」と「R2」が登録されています。アメリカでの商標登録出願日は2013年2月21日となっているので、てっきり公道モデルが「H2」、サーキット専用モデルは「R2」にすることをカワサキは迷っていたのかな? と思ったのですが……。
日本での商標登録出願日は、「E」「H」「R」「S」が2014年2月13日。「E2」「H2」「R2」「S2」が同年2月21日。そして「E2-R」「H2-R」「R2-R」「S2-R」が同年7月3日となっています。
この法則から鑑みると、「H2-R」のネーミングを「R2」にするかどうか迷っていたわけではない、ということがわかります。
「H2」シリーズのネーミングの源流となった「MACH(マッハ)」シリーズを振り返ってみると、1969年に発売された2ストローク3気筒500ccの「500SSマッハIII」は「H1」、1972年に発売された2ストローク3気筒750ccの「750SSマッハIV」は「H2」、同じく1972年に発売された2ストローク3気筒250ccの「250SSマッハI」は「S1」などとネーミングされていました。
ここから推察すると、「H2」シリーズが「S2」「S2-R」とネーミングされた可能性は大いにあったと考えられます。しかも頭文字「S」は「Supercharger(スーパーチャージャー)」のSですし……。
それでは「R2」のネーミングはどんな根拠を付ける可能性があったのでしょうか? 「H2」シリーズは川崎重工業の総力を結集して世界初の技術、世界で唯一無二の技術を結集したモデルです。あくまで憶測ですが、「Revolution」(革命・大変革)のような意味を込めての「R」だったのではないでしょうか。
それでは「E」のネーミングはどうでしょう? 「Evolution」(発展・進化)の意味もあるかもしれませんが、最近カワサキは気になるティーザー動画を公開しはじめていて、じつはそれに関係しているのではないかと想像しています。
この一連の動画は「EV Endeavor」と名付けられている、カワサキの電動バイクプロジェクトです。
2020年2月14日から、わずか20秒のティーザー動画を五月雨式に9本発表していて、「H2」シリーズのティーザー動画と同じ手法での発表方法です。このままいけば、本来10月にドイツで開催されるはずのINTERMOT(インターモト)で実車がお披露目になる予定だったのでしょう。
これはもしかして「E」シリーズは「Electric」(電気)の「E」なのでは?
「E」シリーズの商標登録は存続していますし、「EV Endeavor」の車体は「H2」シリーズと同じトラスフレームだし、軽量(に見える)スポーツタイプでギアチェンジができる電動バイクを世界的量産2輪車メーカーが発売するとしたら画期的だし、回生ブレーキ機構など電動の技術は新幹線からリニアモーター鉄道車両まで手がける川崎重工業ならではだし、革新的なEVバイクを発売するとしたら「H2」シリーズと同系譜のネーミング、すなわち「E2」シリーズと名付けてもおかしくはありませんよね。
と、勝手な妄想を膨らませつつ、まだまだ「H2」シリーズをめぐる奇譚コラムは続きます。
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みんなのコメント
250マルチの復活もそうだけど、他社は失敗恐れて売り上げ重視の保身的なやり口で後追いしかしないから何か嫌だな…250マルチも25Rがウケて市場が温まってきてから参入するつもりだし
会社の為思えば地雷原を他社に先行させて後から安全に進むのが正しいやり方だと思うけど、やっぱバイクメーカーには色んな事に挑戦して市場盛り上げていって欲しい