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【海外試乗】メルセデスAMG GLE 63/GLS 63、初のMHEV+V8モデルはスポーツ性と快適性を高次元で両立

掲載 更新 10
【海外試乗】メルセデスAMG GLE 63/GLS 63、初のMHEV+V8モデルはスポーツ性と快適性を高次元で両立

メルセデス AMG SUVの上級2モデルに初のMHEV(マイルドハイブリッド)仕様のV8エンジンを搭載。一新されたGLE 63 とGLS 63を、西海岸でテストドライブした。(Motor Magazine 2020年5月号より)

MHEVの中核システムは三菱電機製
新しい2台のトップSUVに搭載されるのはAMGの誇るハイテク4L V8ツインターボ(型式:M177)。90度のVバンクに収められた(ホットインサイドVと呼ばれる)2基のボルグワーナー製ターボチャージャーによって、最高出力は612ps、最大トルクは850NMを発生する。

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当然のことながら近年要求される環境への配慮もなされており、V8エンジンとしては初のEQブーストと呼ばれる48V MHEV(マイルドハイブリッド)が搭載されている。このシステムはインテグレーテッドスタータージェネレーター(ISG)とDC/DCコンバーター、そして48Vのリチウムイオン電池からなっている。

中核となるISGは三菱電機製で、V8エンジンのクランクシャフトと9速オートマチックトランスミッションの間に挟まり、48Vを発電すると同時にスターター、そして16kW(22ps)と250Nmを発生する一種の電気モーターのような働きをする。

この交流エネルギーはDC/DCコンバーターによって助手席下に収納された48Vバッテリーに蓄積され、アイドリングストップからの始動、エンジン停止状態でのグライディング走行中における補機類へのエネルギーの供給、そしてこのモデルの場合にはAMGアクティブライドコントロールのアクチュエーターを駆動させる。 

ちなみにエネルギーの出し入れ時に48V電池は熱を持つので、冷却機構を備える必要があるなど非常に複雑な構造を持っている。さらに1000~3250rpmの低負荷領域では2番、3番、5番、8番シリンダーが休止するAMGシリンダーマネージメントシステムを採用、4気筒運転中の静粛性を確保するためにアクティブシリンダーマウントが作動する。

もちろんこの先進的なエンジンの生産は、シュトゥットガルト郊外にあるAMGアファルターバッハ工場で、ひとりの熟練メカニックの手で最初から最後まで責任を持って組み立てられる。完成すると担当メカニックのサイン入りのプレートが貼られるのだが、これまでのエンジン中央でなく右手奥に貼られている。

まずはGLE 63のハイパフォーマンスモデル Sの印象から。スタンダードGLEと比べるともっとも目を引くのは新パナメリカーナグリルと、大きなエアインテークを左右に持つちょっとマンタの口のようなフロントバンパーである。4.92mのボディがコンパクトに見えるのは、22インチの大径タイヤを履いているためだ。

12時の位置にマークの入ったアルカンタラグリップを持つステアリングホイールを握り、スロットルを踏み込むと冒頭に述べた612ps+850NmのV8は豪快に2.3トンの巨体をスタートさせる。カタログによる0→100km/h加速は3.8秒、最高速度は280km/hを公道で試すわけにはいかないが、その数値に間違いないような加速をとくに「RACE」モードで一層明らかに感じることができた。エアサスペンションによる乗り心地は、スポーツ性と快適性の両方を高いレベルで満足させてくれる。

3列シートを備えるGLSは、悠々と陸を走るクルーザー
一方GLS 63はややボディが重い分だけ加速は遅く、0→100km/h加速は4.1秒となるが、最高速度は250km/h、さらにAMGパッケージなら最高速度は280km/hまでリミットを上げることが可能だ。 

GLE 63 Sと同じAMGパフォーマンス4マティック+は電子制御式の無段階可変トルク配分システムを持ち、路面状況、運転状況に合わせて前後輪に最適なトラクションを約束している。さらにリアアクスルには電子式デファレンシャルロックも搭載されている。

この重量とパフォーマンスを制御するブレーキはフロントに6ピストンキャリパーを持った400mm×38mmのベンチレーテッドディスク、リアにはシングルピストンと370mm×32mmのベンチレーテッドディスクが配される。 

3列シートを備えるGLS 63の全長は5.24m、車両重量は2.6トンに達する。テスト車には23インチのタイヤに、80年代初頭に登場し、「ザハンマー」と呼ばれたモンスター級Eクラスのそれを思わせる、オールインブラック仕様のオプションを装備していた。 

シャシシステムはGLE 63とほぼ同一だが、ホイールベースが長く、前後重量比が2%ほど前方に移動した操縦性は若干快適だ。パシフィックコーストハイウエイを疾走する、とくに48V MHEVシステム(EQブースト)によってエンジンを停止させ、クルージングする姿はまさに、悠々と陸上を走るクルーザーの感覚なのだった。(文:木村好宏)

■メルセデスAMG GLE 63 S 4マティック+主要諸元
●全長×全幅×全高=4924×1947×1772mm(データはGLE 450)
●ホイールベース=2995mm(データはGLE 450)
●エンジン= V8DOHCツインターボ
●総排気量=3982cc
●最高出力=612ps/5750-6500rpm
●最大トルク=850Nm/2500-4500rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=9速AT

■メルセデスAMG GLS 63 4マティック+主要諸元
●全長×全幅×全高=5213×2030×1823mm(データはGLS 580)
●ホイールベース=3135mm(データはGLS 580)
●エンジン= V8DOHCツインターボ
●総排気量=3982cc
●最高出力=612ps/5750-6500rpm
●最大トルク=850Nm/2500-4500rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=9速AT

[ アルバム : メルセデスAMG GLE 63 / GLS 63 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

10件
  • スズキにこんなのあったな
  • メルセデスは最近カッコ悪いの多いね
    車種もコピペ展開が凄いし安価な車種やグレード増やしすぎで大衆化が止まらない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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