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テスラ以上のEV黒船襲来か!? 日本上陸を果たした中国EVメーカーBYDの戦略を聞く

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テスラ以上のEV黒船襲来か!? 日本上陸を果たした中国EVメーカーBYDの戦略を聞く

 ついに日本進出を果たした中国のEVメーカー、BYD。世界累計で電気自動車販売台数ナンバー1を誇るBYDの販売トップに、日本市場での販売戦略と未来について聞いた!!

※本稿は2022年12月のものです
文/大音安弘、写真/BYD、ベストカー編集部、撮影/茂呂幸正
初出/ベストカー2023年1月26日号

テスラ以上のEV黒船襲来か!? 日本上陸を果たした中国EVメーカーBYDの戦略を聞く

■ついに上陸!! 中国からの刺客

2022年7月に行われた日本参入発表会でのBYDジャパン代表取締役社長の劉 学亮氏(左)とBYDオートジャパン代表取締役社長の東福寺厚樹氏(右)

 ミドルサイズe-SUV「ATTO(アット)3」の発売を皮切りに、中国車として初となる日本乗用車市場への参入を果たすBYD。

 テスラやヒョンデのように、オンライン販売とせず、独自のディーラー網を整備し、2025年末までには、100店舗を超える規模を目指す。

 日本で乗用EV販売を手掛けるBYDオートジャパンの東福寺厚樹代表取締役社長は、BYD側から「日本市場に参入を決めた以上、絶対に撤退はしない覚悟で挑む」と明言されたという。

 そこで当初から全国規模で、顧客が実車に触れられる環境作りを行っていく方針なのだ。

テスラのようなオンライン販売ではなく、実店舗で触れてもらってBYDを理解してもらう狙いだ

 商品展開については、ATTO3に続き、コンパクトハッチ「ドルフィン」4ドアミッドサイズセダン「SEAL(シール)」の導入を予告。これらは航続距離が長い最新世代のEVたちだ。

 ほかにも高級セダン「HAN(ハン)」や7人乗りSUV「TAN(タン)」などが海外展開されるが、これらの導入の可能性については、「サイズが大きいことや一世代前の車種であるため、まずは最新のBYDから導入を決めた」と説明。

 もちろん販売状況や顧客のニーズに応じて、車種の拡大を図るというから、今後の展開に注目だ。

■BYDの日本での戦略

東福寺厚樹:BYD Auto Japan代表取締役社長。三菱自動車工業で国内・海外事業の担当や、VWジャパン販売の社長などを歴任した経歴を持つ

 店舗は、直営ではなく、各地の自動車販売会社が契約を結びディーラー運営を行う。

 2023年1月下旬より22拠点が仮店舗でオープンし、2023年第一四半期には専用店舗での営業を開始する計画だ。

 ただ年内にも動きはあり、「年内中に、都内を含めて10店舗ほどが追加される可能性がある」とのこと。

 想像するよりも販売会社のEVビジネスへの関心は高く、前向きなようだ。

「売れないから撤退」ではなく、しっかりと腰を据えて、日本という市場に向き合っていく計画を語る東福寺社長

 販売網の構築とともに取り組むのが、認定中古車制度だ。「購入検討者にとって、最大の関心事は将来の残価だ。今の中古市場におけるEVの評価は、全般的に厳しい。

 そこで販売店が買い取りと再販を行うことで、不当な価値の低下を防ぐ。

 認定中古車には、新車保証後、最大2年の保証を付帯できるから、購入者にも安心してもらえる」とする。

■日本に登場する注目のラインナップ

SUVのBYD ATTO 3

コンパクトハッチのBYD ドルフィン

ミッドセダンのBYD シール。ATTO 3は2023年1月31に日本で発売。その後、ドルフィン、シールの順で発売となる。ユーロNCAPで最高評価を獲得するなど安全性も実証済みだ

 第一弾となるATTO3は、440万円(税込)で、大型ガラスルーフやADAS、ナビなどの充実装備となっているが、乗用車としては高価。

 そこで新車購入のハードルを下げるべく、サブスク型リース「eフラット」をプッシュしていくという。

「補助金を含めることで、月々4万4440円の負担で、ATTO3に四年間、乗れる。別途、任意保険の加入が必要だが、気軽にBYDに乗れる提案をし、中国製品にも親しみのある30~40代の世代を中心に顧客の関心を集めたい。残価を気にする必要がないのも大きなメリット」と、サブスクとEVの親和性を強調。

日本には法人・自治体向けに「e6」というモデルが試験的に導入されていたが、こちらは取り扱いが別となる

 さらに専用任意保険では、価格の安さが売りのネット自動車保険も選べるというから興味深い。

 また緊急時の助けとなるレッカーサービスでは、電欠の際、近くの充電スポットまでの移動を可能とする駆けつけ充電サービスを提供するなど、EVの不安を払しょくするサービスにも熱心だ。

■国産EV勢にはテスラ以上の脅威!?

欧州などではラージサイズの高級セダン「HAN」と高級SUV「TAN」を販売しているが、全幅が1910~1950mmと日本の道路事情には合わないなどの理由もあり、日本初導入となるモデルはミドルサイズSUVのATTO 3になったという

 気になる販売目標台数だが、まずは地道に知名度の向上に励むとする。その取り組みのひとつが、SNSを活用した試乗キャンペーンだ。

 1カ月間、ATTO3を100名に提供し、その体験をSNSで発信してもらう、イマドキなキャンペーンだ。

 口コミ評価の影響力が大きい今、利用者の声を発信することで、認知度の向上に加え、信頼性の高さもアピールする戦略なのだ。

 東福寺社長は、長年自動車ビジネスに携わってきた人物だけに、日本に沿った販売手法で舵を取る。

 ATTO3の前評判は上々で、EVブランド初の実店舗展開もあり、国産EVにとっては、テスラ以上の脅威となりそうだ。

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みんなのコメント

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  • 出る杭が打たれる日本…、だがもう、そんなことは許されない時代なのだ。
  • メーカーからいくらもらってこういう提灯記事を書くのだろう
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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