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マツダの大黒柱CX-5 売れ続ける理由とそれでも足りない「あと1ピース」

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マツダの大黒柱CX-5 売れ続ける理由とそれでも足りない「あと1ピース」

 2017年2月に現行モデル登場してから早5年、マツダの基幹車種「CX-5」がここにきて好調となっており、同社のグローバル販売台数の3分の1を占めるほどの重要な車種にまで成長している。

 2021年11月にも商品改良を行うなど、定期的に手を加え続けることで、高い商品力を保っている。マツダCX-5が売れ続ける理由とは何か、CX-5の将来の展望とともに考えていこう。

マツダの大黒柱CX-5 売れ続ける理由とそれでも足りない「あと1ピース」

文:吉川賢一
写真:MAZDA

3ヶ月間で、昨年の販売台数の約2分の1を達成

 2022年ここまでのCX-5の販売は、1月が2,235台、2月は3,596台、3月は5,339台、4月は1,563台と、1月から3月までで11,170台もの販売を記録。これは、2021年のCX-5の国内総販売台数(22,431台)の約半分にあたる。

 また、国産SUV販売台数ランキングでも、ライズ、ヴェゼル、ハリアーに次ぐ4位にランクインしており、RAV4やキックス、フォレスター、アウトランダーといった強力なライバルたちに勝っている。マツダの量産車の中では、ダントツの1位だ(2位はMAZDA2)。近年は、CX-30やCX-8、MAZDA3の躍進も見られるが、CX-5はマツダ国内販売を支える、重要なモデルとなっている。

 マツダは扱う車種が少ないメーカーではあるが、ほぼ毎年のように商品改良を行い、日々クルマを磨き続けている。そのため、「マツダ車は買い時が分からない(すぐにMCするため)」とも揶揄されるが、こうした改良を続ける姿勢は、他メーカー(特に日産)にも、ぜひ取り入れてほしいと思う。

「都会派SUV」から、まさかのオフロードテイストグレードが!!

 CX-5が販売好調となった理由は、いろいろあるだろう。ちょうど年度末であったし、昨今の不安定なご時勢を考えると、そうしたことも影響した可能性はある。ただ、CX-5は、2021年11月に大幅に商品改良をしており、この改良の内容の影響も大きいのではないか、と筆者は考えている。

 2021年11月のCX-5改良のホットポイントは、フロント周りのデザインの大幅変更と、前後のランプ外形変更、乗り心地性能の改良、さらには、オフロードモードも備えたドライブモード変更機能「Mi-Drive」の新採用などだ。同時に、シートレール補剛や、車体フレームに減衰構造の追加など、ベーシックな磨き込みも漏れなく投入されている。

 エクステリアデザインを変更し、BMWのような欧州チックなフェイスへとなったことはポイントが高いが、それ以外に、多様化するユーザーのニーズに応えるよう、3種類の特別仕様車「スポーツアピアランス」 「フィールドジャーニー」、そして最上グレード「エクスクルーシブモード」を新たに追加。なかでも注目は、オフロードテイストの意匠を装備した「フィールドジャーニー」だ。

 新色のジルコンサンドメタリック(カーキ色)の落ち着きとは対照的に、フロントグリルには目の覚めるようなライムグリーンのアクセントが入る。インテリアにも、エアコン吹出口などにあしらわれており、「都会派SUV」のイメージが強かったCX-5とは明らかに趣向が異なる。

 CX-5開発担当者によると、「現行である2代目(CX-5)になったとき、「都会派SUV」の方向性へ大きく振ったことで、オフロードテイストを好む初代CX-5オーナーの乗り換え先がなく、買い控えをしているという方が多くいた」とのこと。また、昨今のアウトドア需要の高まりも考慮し、オフロードテイストを重視した「フィールドジャーニー」を用意したそうだ。

 また、最上級グレードのエクスクルーシブは「より上級モデルに乗りたい」という大人のユーザーからの声にこたえ、スポーツアピアランスはリーズナブルにCX-5の都会派SUVスタイルを味わいたい、といった若者の声にこたえた形で生み出したという。ベースは一つのCX-5だが、こうした仕様を待っていたユーザーにとっては、嬉しいカスタマイズだったのだろう。

CX-5の特別仕様車「フィールドジャーニー」。アウトドアシーンに似合うエクステリアと、ライムグリーンのアクセントが若々しくて個性的だ

ストロングハイブリッドで形勢逆転を狙ってほしい

 2022年3月9日、欧州マツダは2列シートの新型ミッドサイズSUV「CX-60」を発表した。マツダが「ラージ商品群」と呼ぶモデルの第一弾だ。

 国内向けも4月25日から先行予約が始まっており、発売開始は今秋の予定。2.5L直4ガソリン+モーターのプラグインハイブリッド「e-SKYACTIV PHEV」をはじめとして、3.0L直6ガソリン+48Vマイルドハイブリッドの「e-SKYACTIV X」と、3.3L直6ディーゼルエンジン「e-SKYACTIV D」が用意されるなど、豊富に用意されたパワートレインが魅力となっている。

 しかしながら、「スモール商品群」であるCX-5には、このCX-60のような贅沢で高価なパワートレインは使用することが出来ない。となると、CX-5にユーザーが期待するのは、やはりストロングハイブリッドだろう。このCX-5、もしくは次期型CX-5(2年後の2024年頃デビューと筆者予測)に、ストロングハイブリッド仕様が追加されれば、国内SUV事情はかなり変わる可能性がある。

 100年に一度といわれる自動車業界の変革期にあるいまこそ、マツダは勢力拡大するチャンスだ。マツダの動向に引き続き注目していきたい。

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みんなのコメント

84件
  • 30とか60とか出し過ぎで結局元祖が一番て
  • マツダは同じ様な車を複数販売しているが、結局1番デビューの古いCX-5が売れています、
    つまり、CX-3では狭すぎる、CX-8を買うならアルヴェルなどの3列シートのミニバンを選ぶ、
    CX-30の立ち位置は中途半端、消去法で選ばれたのがCX-5って事。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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