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モデル末期なのに販売絶好調! トヨタ・シエンタがホンダ・フリードをぶっちぎる理由

掲載 更新 94
モデル末期なのに販売絶好調! トヨタ・シエンタがホンダ・フリードをぶっちぎる理由

 シエンタがマイナーチェンジし売上が加速した

 自販連(日本自動車販売協会連合会)から登録車、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から軽自動車の、それぞれ2020年4月の販売台数統計が発表された。例年でも新車販売が鈍るとされる4月だが、やはり新型コロナウイルス感染拡大も影響し、全体では低調なものとなっている。

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 自販連による、登録車のみでの通称名(車名)別販売ランキングにおいて、前年同月比(2019年4月)で見ると、“微減”で踏みとどまっている車種も目立っている。そのなかで、登録車のみの販売ランキングで3位にトヨタ・シエンタが入っている。

 トップのトヨタ・ヤリスはヴィッツの後継となる新規投入車、ホンダ・フィットはフルモデルチェンジしたばかりの新型車だが、シエンタは2015年にデビューし、そろそろフルモデルチェンジの噂が出てもおかしくないモデルレンジなのに健闘している。例年4月はホンダの積極的な販売促進活動が目立つなかでも、宿敵フリードに952台差で勝っている。

 シエンタとフリードは、いまどきの日本国内の新車販売では珍しい“ガチンコ勝負”で販売台数を競い合っているモデル。しかし、昨年あたりからフリードが引き離される傾向が目立っている。自販連統計で、フリードがフルモデルチェンジして現行モデルとなり、フルカウントできる2017年から暦年(1月から12月)締めでの年間販売台数を比較すると、2017年はなんとフリードが7558台差(月販平均629台)をつけてシエンタに勝っていた。

 しかし、2018年にはシエンタが9927台(月販平均827台)差をつけてフリードに勝ち、2019年には2万5284台差(月販平均2107台)をつけてシエンタがフリードに勝っている。

 シエンタは2018年に、フリードは2019年にマイナーチェンジを実施している。改良モデルの切り替え時には、一時的に販売台数が落ち込むのが一般的だが、2019年のフリードの“負けっぷり”は、それまでのデッドヒートのような状況とは一線を画している。このような“状況変化”の立役者ともいえるのが、シエンタが2018年のマイナーチェンジのタイミングで追加設定した2列シート仕様車なのである。シエンタのマイナーチェンジが2018年9月に実施されており、2019年に入ってからタクシー需要が増えて販売増に大きく貢献したのである。

 タクシーで活用するため今後も増える可能性は高い

 トヨタには、シエンタベースとなる“JPNタクシー”がラインアップされているが、車両価格がそれまでのクラウンコンフォートに比べて100万円ほど高いとのこともあり、タクシー事業者のなか、とくに地方都市の事業者からは代替えなどでのJPNタクシー導入に慎重な姿勢を見える傾向が強かった。それ以前からも新車での車両入れ替えが厳しい事業者も多く、東京などで使われていたクラウンセダンやクラウンコンフォートの程度の良い中古車に入れ替えるケースも目立っていた。

 ある業界事情通氏によると「地方部だけではなく、JPNタクシーを積極導入していた、東京都内の大手タクシー事業者でも、シエンタタクシーの新規大量導入に切り替えたところもあります。いまは新型コロナウイルスの影響で車両の入れ替えを控える事業者も多いですが、今後落ち着いてくれば業界ではシエンタタクシーの新規導入がさらに目立ってきそうです」とのこと。

 JPNタクシーはLPガスハイブリッドエンジンを搭載しているのだが、シエンタにはLPガスに対応したエンジンすら設定はない。しかし、LPガスも燃料に使えるように改造(ガソリンとの併用/バイフューエル)してもJPNタクシーの車両代に比べればお釣りがくるともいわれている。

 また、地方部ではLPガススタンドの廃業が目立っており、さらに東京などの大都市部ほど走らないので、ハイブリッドならばガソリンを燃料として運行してもコスト的にもそれほど問題にはならないという話も聞いている。ましてや、いまは空前の原油安が続いているので、ガソリンエンジンということでのデメリットはさらに薄くなろうとしている。

 価格面だけでなく、JPNタクシーではユニバーサルデザイン導入とのことで、車いすでそのまま乗車することもできるが、乗車できるようにするスロープを設定する作業が煩雑なこともあり、車いすを使うひとに対し乗車拒否をする乗務員が目立ち、新たなタクシートラブルとなっている。そのため、「もともと対応していないシエンタなら、トラブルも回避できる」とし、シエンタタクシーを積極導入している事業者もいるようだと、前出事情通は話してくれた。

 さまざまな理由があるなか、タクシー事業者のハートをがっちりつかんだシエンタは、さらにフリードとの販売台数差を広げていくことになりそうである。

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みんなのコメント

94件
  • ①トヨタだから(日産がこんなクルマ出したら珍車扱いされる)
    ②日産はじめ他のメーカの腰が引けてるから(日産よ、ここにちゃんとしたキューブとか投入しろよ!スライドドアの3列シートの。チャンスだろが)
  • 随分と批判コメありますが
    シエンタが売れて都合が悪い理由あるのかな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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