■油冷エンジンを搭載したスズキのフルカウルロードスポーツ!
レーサーレプリカブーム全盛期の1980年代半ばから、スズキのGSX-R750やGSX-R1100に採用されたのが油冷エンジン。水冷エンジンより大幅に軽量化できるメリットがありましたが、更なる高出力化で水冷の冷却効果に及ばず、排ガス規制の強化に伴い姿を消してしまいました。レプリカブームを体験した世代には「スズキの油冷」ってフレーズには心トキメクものがあるのではないでしょうか?
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今回紹介するスズキのジクサーSF250は、2019年からスズキ・モーターサイクル・インディアで製造販売されているグローバルモデル。大きな注目ポイントは新開発された油冷249cc4バルブSOHC単気筒エンジンです。スズキに油冷エンジンが復活したと話題を集めています。
新しく独自に開発した油冷システム「SOCS(Suzuki Oil Cooling System)」を採用。燃焼効率を向上し、軽量化やフリクション低減を図ることで、高回転・高出力かつ優れた燃費性能を実現しています。
2020年から日本仕様が発売。2021年モデルはスペックや装備の変更はなく、価格も据え置き。新色にマットブラックメタリックNo.2が加わりました。人気のトリトンブルーメタリックは継続。油冷ならではの軽快さ、そして48万1800円というリーズナブルな価格設定が魅力です。しかも、ABS付きという太っ腹さ!! コスパがよくて楽しいといえばスズキのバイクという印象なので、乗り味も気になるところです。
■軽快、コンパクトなボディとスポーティーなライポジの相性バツグン
今回試乗したのは2020年モデルから継続のトリトンブルーメタリック。スズキらしいブルーカラーに「SUZUKI」と大きく書かれているのがレーシーで心躍ります。質感のある色合いで、ホイールに施されたリムラインも華やかさをプラスしてくれています。
車格はコンパクトで158kgと軽量です。同じスズキのフルカウルスポーツで、248cc水冷4サイクルSOHC2気筒エンジンを搭載したGSX250Rは178kg。ABS付きだと181kgです。取り回しやすくて扱いやすいのはもちろんのこと、1馬力が負担する車重が軽いため、よりエンジンの性能を発揮できるし燃費にも優しいのです。
個人的に心配なのが意外と高いシート高。実際にまたがってみると、身長158cmの私で両足のつま先がようやく接地する程度です。シート高は800mmもあって、決してよい方ではありません。あと1cmくらい私の足が長いとうれしい…。だけど、軽くてバランスがよくて片足でも平気で支えられます。
ハンドルはスポーティーなセパレートタイプを装着。シート高があるのでグッと前傾となるライディングポジションです。このスタイルにこのポジション最高ですね。構えるだけでワクワクしちゃいます。足つきがよくないので停車した状態での乗車姿勢はキツいですが、走ってしまえば関係ないのでこっちのモノです(笑)。
■ストリートをスポーティに走る爽快さにワクワク感が止まりません
さっそくクラッチを握ってセルボタンでエンジン始動。とても始動性はよく、小気味いい単気筒サウンドを奏でます。2本出しのショートマフラーはスポーティーで迫力あるデザインですが、見た目よりも静かでジェントル。エンジン音も排気音も嫌なノイズがなくて好印象です。
アクセルと開けると単気筒らしいトルクフルさで加速。スタートダッシュが気持ちいいです。フルカウルスポーツはストップ&ゴーが疲れちゃうイメージでしたが、信号の多い市街地でも楽しく走れそう。スタイルの印象と違ってピーキーさはなくて、中高速の加速も軽やかに回って伸びやかです。
実際の走行でのライディングポジションは、ハンドルが低すぎず、遠すぎずのいい感じです。街中をゆるっと走行していると手首や肩に体重をかけがちで疲れちゃうんですが、前傾でもポジションがコンパクトで無理しすぎない程度。私の体格だとニーグリップしやすいし、ほどよい緊張感で走れます。
ブレーキはカチッとダイレクトに効くよりは、粘り強く制動性を発揮する感じがします。自然な効き心地で、街中やツーリングでスポーティーに走りたい私にピッタリかも! ABSも付いちゃってるので信頼感があります。
軽量な車体でハンドルの切角も大きめなので、ヒラヒラと軽快に走れるのも楽しい。街中やツーリングでの中低速コーナーも、スポーティーに走れちゃいます。立ち上がりのトルクフルな加速は、鼓動感のあるエンジンのフィーリングと相まって爽快です。めちゃめちゃ楽しいです。街中から峠道まで楽しく走れそう。機会があったら高速道路も走ってみたい!
私にとって最強の魅力はコスパが最高にいいところ。車検の必要もない250ccクラスだし、燃費やメンテナンス性に優れた単気筒なので維持費もお得。なんなら2台持ちなんて夢も実現できちゃうかも! 実際に乗るなら、落ち着いた雰囲気のマットブラックメタリックNo.2かなぁ…なんて、またまた妄想がふくらんじゃいます。安くていいモノを知ってテンション上がってしまうのはオバサンだからでしょうか(笑)。空想する時間まで楽しくなっちゃうバイクでした。
■ジクサーSF250全長×全幅×全高:2010×740×1035mm軸距:1345mm最低地上高:165mmシート高:800mm車両重量:158kgエンジンタイプ:油冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒総排気量:249cc内径×行程:76.0×54.9mm圧縮比:10.7:1最高出力:19kW(26PS)/9000rpm最大トルク:22N・m(2.2kgf・m)/7300rpm燃料タンク容量:12Lタイヤ:前110/70R17M/C 54H、後150/60R17M/C 66Hブレーキ形式:前後 油圧式シングルディスク(ABS)懸架方式:前 テレスコピック式(正立)、後 スイングアーム式フレーム形式:ダイヤモンド■メーカー希望小売価格:48万1800円(消費税込)
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