クラウンクロスオーバーに設定された特別仕様車のランドスケープとポルシェ911ダカールは、ともにベース車からリフトアップされたモデルだ。この2台を実際にドライブし、その真髄を国沢光宏氏が見極める!
文:国沢光宏/写真:奥隅圭之
もはやベース車以上!! 最高にご機嫌な2台の乗り味に悶絶! [クラウンクロスオーバーランドスケープ]と[ポルシェ911ダカール]一気乗りでわかった2台の真実!!
■リフトアップ仕様は本場の北米でも人気!
クラウンクロスオーバーランドスケープ(左)とポルシェ911ダカール(右)の2台にご満悦な筆者
結論から先に書くと、ご予算あったら今回紹介する2台を手元に置いて暮らしたいとホンキで思った!
まずクラウンクロスオーバーのランドスケープから。数年前からアメリカではSUVやクロスオーバー(乗用車ベースで車高を上げたモデル)をさらにリフトアップし、オフロード用タイヤ履かせたモデルが人気になっている。
例えば、スバルの北米専売「ウィルダネス」シリーズ。車高を20mmくらいアップし、オールテレーンタイヤ(すべての路面に対応するオフロードタイヤ)を履かせているのだけれど、存在感が上がってすんごくカッコいい!
RAV4のオフロードパッケージもオールテレーンタイヤを履いて最低地上高を10mm高い210mmにしたら一段とオトコマエになった。ひと昔前はローダウンが主流だったものの、売れ筋のSUVだとリフトアップです!
クラウンクロスオーバーに設定された特別仕様車「ランドスケープ」。車高はノーマルから27mmアップの172mmに
クラウンクロスオーバーがデビューした時、私はトヨタの開発チームに「車高上げたらもっとカッコよくなる!」と進言した。どうやらすでに構想を温めていたようで、スタンバイしていたのだろう。
追加されたランドスケープを見た瞬間「これですよ!」。というかクラウンクロスオーバーを買うならランドスケープしかないな、と思うほど。文句なしにスタイリッシュ!
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■ランドスケープはロングドライブ時の安定感は増すことを実感!
ベースとなったクラウンクロスオーバーよりもSUVらしさを増したランドスケープ
大ざっぱに紹介すると、クラウンクロスオーバーをベースにサスペンションとオールテレーンタイヤでリフトアップ。145mmしかなかった最低地上高を172mmに上げ、オーバーフェンダーとマッドガードでドレスアップ。
トレーラーを引っ張るヒッチメンバーまで標準装備した! 車高も30mm近く高くなったため、ひと回り大きくて存在感のあるクルマというイメージ。
クラウンクロスオーバーランドスケープをドライブする筆者
乗るとどうか? オールテレーンタイヤを履くと騒音レベルが上がり、ステアリングフィールが悪くなるが、「ジオランダーG015」というタイヤ、なかなか静かでシャッキリしている。
東富士テストコースの主(匠と呼ばれる)のセットアップ能力の高さもあり、街中での乗り味に不満なし! むしろ挙動がドッシリし、ロングドライブ時の安定感などマシマシになった感じ。
ドラポジも27mm高くなっているため、乗降性がよくなり、視点はSUVっぽくなった。ゴキゲンでございます。
パワートレーンはノーマルのクラウンクロスオーバーの直4、2.4Lターボハイブリッドから変わらない
パワーユニットは2.4Lターボ+ハイブリッドだから、システム出力にすると349psある! 0~100km/h加速が6秒程度とのこと。もはやスポーツカーと言っていい。それでいて広いリアシートを持つ。普段使いのファーストカーには最高でございます。
■911ダカールはコントロール性重視でラリー車のごとき乗り味に
筆者曰く、「クルマとしての車格がベースモデルよりもワンランク上がっている!」
続いてポルシェ911ダカール。これまた最近流行のリフトアップである。ポルシェは953という911ベースのクロスオーバーでパリダカを戦った。そいつをオマージュしたのがこのクルマだ。
911の最低地上高を66mmも上げ161mmに(スイッチ操作でさらに30mm上げられる!)。ピレリのスコーピオンというオールテレーンタイヤを履かせている。このまんまオフロードに持ち込めます。
ポルシェ911ダカール。ノーマルの911から車高を66mm上げて161mmにかさ上げ
ランドスケープと同じくクルマの車格がワンランク上がり、ヒップポイントは50mmも高くなったので乗り降りも楽。走り出すともう最高ですよ! オリジナル911のシャープな感覚は少しばかり失われてしまったけれど、限界よりコントロール性を重視したラリー車のような雰囲気になっている。まるで大好物にありついた子供のようになった。楽しいとしか表現できない。
困ったことにタッチパネルで選択する制御に「Rally」という項目がある。そいつを選んでエンジン音を「大」にしてスポーツセッティングとしたら、ホントにラリーカーみたい!
アクセルを戻すとバラバラとアンチラグみたいな音を出す。トルクバンドに入るギアをキープする。ポルシェのスペシャルバージョンに乗ると、いつもノックダウンに近い感銘を受けます。
内容を考えたら3000万円でも高くない。だって一世代前のランエボやインプレッサでグループNのラリー車を作ったら2000万円でした。480psのエンジンを積むダカールなら納得できるプライスだ。
予算さえあればこの2台を手元に置いて暮らしたいと筆者も絶賛!
とはいえダカールは売り切れ。私はフェアレディZが納車になったらモンテカルロラリー仕様をオマージュしたモディファイをしてみようかと思ってます。
【画像ギャラリー】2台のクロスオーバーモデル、クラウンクロスオーバーランドスケープとポルシェ911ダカールを写真でCHECK!!(20枚)
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