モビリティリゾートもてぎで行なわれたスーパーフォーミュラ第5戦の予選でポールポジションを獲得したのは、KONDO RACINGの山下健太。一方、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)はコンマ1秒差未満の僅差で涙を呑んだ。
開幕戦以来のフロントロウ獲得となった太田は、Q1でライバルを引き離してトップ通過したため、ポール最有力のドライバーと見られていた。実際マシンの調子もかなり良かったようだが、結果は僅差の2番手だった。
■SFデビュー戦のデ・フリーズ、初予選は下位に沈むも早速前を向く「チームには『今夜中にレポートを作って全てを洗い出そう』と言った」
大田はこの結果を受けて「とりあえず悔しいですね。チームメイト(牧野任祐)もQ1トップで、お互い『負けないぞ』と意識し合ってる部分もあったんじゃないかなと。それがお互いの首を絞めたというか、プレッシャーを感じたのかもしれない」と話した。
一方の大湯は、前戦富士に続いて2戦連続の予選3番手(トップと0.096秒差)。しかも前回は0.028秒差でポールを逃しており、またしてもあと一歩のところで届かなかった形だ。
予選を終えてマシンを降りる際も非常に悔しそうにしている姿が映し出されていた大湯。会見場でも、口を真一文字に結んで一点を見つめるようなシーンが見られるなど、ポールシッターの福住仁嶺(Kids com Team KCMG)と談笑していた前戦富士の会見とはまた違った空気を醸し出しているようにも見えた。
今季からトヨタ陣営のセルモ・インギングに移籍した大湯だが、開幕前テストから序盤2戦にかけては中団~下位でのレースを強いられるなどかなり苦戦していた。しかし今はセットアップもハマり始めたようで調子を上げており、安定して上位に顔を出すようになった。そういったポジティブな点よりも、ポールを獲りきれなかった悔しさが上回るのかと尋ねると、大湯はこう答えた。
「僕がこうしてチームに加入したからには、結果として“すげえ”ってものをどうにかして残したい。そういう意味での悔しさですかね」
「正直、現状はTEAM MUGENや、前回優勝した坪井選手(VANTELIN TEAM TOM’Sの坪井翔)の方が、安定感だったりベースとなる部分はもう1段階レベルが上だなという印象を持っています。そういう状況をチーム全体で変えていこうとしている中で、その結果が今徐々に表れてきてるところです」
「ただ僕はそれ以上のパフォーマンスを、自分がドライビングなり何かしらでカバーすることで発揮したいという思いが強いです。そういう感じですね」
また決勝レースに向けては、王座獲得のために何が何でも勝ちたいと語る太田に対し、大湯はチャンピオンを意識することなく、1戦1戦レベルアップしていきたいと意気込んだ。
予選終了時点でそれぞれの獲得ポイントは大湯が20点、太田が18点で、ポイントリーダーである野尻智紀(TEAM MUGEN)の47点とは大きな開きがあるが、優勝して20点を加算することができれば、後半戦に向けて面白い存在になっていくはずだ。
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