このタイミングで「ロッキー」?
ダイハツは2021年10月1日、2021年11月にロッキーハイブリッドモデル追加を予告するティザーサイトを立ち上げた。
【画像】ライバル比較【ハイブリッド登場ロッキー/ライズとノートを比べる】 全160枚
一般的にディザーといえば、エクステリアデザインのチラ見せや、走行風景を俯瞰するような抽象的なものが多い。
だが、ダイハツが広報資料で新ロッキーと称するマイナーチェンジモデルのキモは、パワートレインの電動化であるため、ティザーサイトには技術的な観点が満載だ。
そのうえで、ティザーサイトの主な目的は試乗予約キャンペーンの紹介である。
期間はティザーサイト公開日である2021年10月1日をスタートとして11月30日までの2か月間となる。
この期間中に、新ロッキーを市場予約しダイハツ販売店に来店して試乗した人にオリジナルグッズをプレゼントするという。
これはハイブリッド車のみならず、ガソリン車も対象となる。
それにしても、単なるハイブリッド車の追加という程度なら、新ロッキーとまで名乗るとも思えず、またティザーサイトまで立ち上げるほどでもないようにも思えるのだが……。
実は「新ロッキー」、ダイハツの秘策を搭載していることが明らかになったのだ。
秘策は「シリーズハイブリッド」
新ロッキーのティザーサイトを見て驚くのは、「まるでEV(電気自動車)みたいなイメージ画像」が描かれていることだ。
そこに「ROCKY-e:smart」という表記がある。
さらに「50年以上の月日を超えて、電気の時代へ走り出す」として、1967年の「BEV(バッテリー電気自動車)乗用車」を基点とした、ダイハツの電動車開発の歴史が年表として振り返ることができるというウェブデザインを施した。
さらにティザーサイトを読み進めると、「100%モーターの力で走行する、eスマートハイブリッド」と記載されている。
つまり、新ロッキーの目玉であるハイブリッドとは、エンジンを発電機として使う、いわゆるシリーズハイブリッドなのだ。
シリーズハイブリッドといえば、日産のeパワーを連想する人が少なくないのではないだろうか。
実際、ティザーサイトが公開されてから、自動車関連ウェブサイトやSNSなどでは、「ダイハツ版(またはトヨタ版)eパワー」といった表現が見受けられるようになっている。
ティザーサイトによれば、新ロッキーのeスマートハイブリッドで発電機として使うガソリンエンジンは直列3気筒ロングストロークの排気量1.2Lというのことで、エンジン(発電機)スペックとしては日産eパワーとの共通性が多い。
なぜ日産「eパワー」と勝負する?
ダイハツやトヨタがシリーズハイブリッドを量産化する可能性については、ダイハツとトヨタ以外の各メーカーの間で「いつ登場してもおかしくはない」という感触を持ってきたように思う。
その背景には、トヨタ販売店に対するユーザーからの声がある。
先代ノートeパワーが、いま(2021年)から5年前の2016年11月に登場し、2017年から2018年にかけて一気に販売を伸ばしていった。
その頃、トヨタの販売店にアクアを見に来た人の中には「日産のハイブリッドはほとんどEVなので、トヨタのハイブリッドよりすごい」と話す人が少なからずいるため、販売員がトヨタのハイブリッドシステムとの差を来店者に詳しく説明することに苦心しているという話を、筆者は複数のトヨタ販売店幹部から聞いていた。
その後、トヨタはEV戦略を含めた総括的な電動化戦略をグローバルで国や地域の状況に応じて、規制や政治的な動きも踏まえて適宜修正してきた。
また、ダイハツの事業戦略も電動化やコネクテッド化などトヨタグループ全体としての図式の中で、トヨタ主体のもとで、トヨタとダイハツとの役割分担が明確になっていった。
そうしたトヨタとダイハツの関係の中で、2019年に生まれたロッキーとライズは、トヨタの新戦略プラットフォームTNGAとのつながりが強いDNGA採用で登場した。
トヨタ「クロス」戦略と相乗効果
トヨタとダイハツが日産eパワーの市場拡大を、指をくわえて静観し続ける訳がない。
開発時期を考えれば当然、2019年のロッキー発売の時期には、ダイハツ初の量産型シリーズハイブリッドのプロトタイプがテストコースで走行していたに違いない……。
日産の場合、既存ラインナップでは、三菱自動車工業との合弁企業NMKVで企画する軽自動車のより大きなクルマは、日本市場ではBセグメント(コンパクトカー)であるノートだ。
一方でトヨタの場合、ノート対抗はヤリスであり、ヤリスには当然のようにハイブリッド車を備えている。
また最近は、ヤリス・クロス、さらにカローラ・クロスと、トヨタの「クロス」フルラインナップ戦略が一気に拡大しているところだ。
そうした中で、車格はAセグメントとBセグメントの中間的存在でありDNGA採用のロッキー/ライズについては、「クロス」の別戦法としてeスマートハイブリッドと呼ぶシリーズハイブリッド導入となったということだろう。
こうしたダイハツ/トヨタの動きもあり、日産はノート・オーラ、ノート・オーラ・ニスモ、ノート・オーテック・クロスオーバーなど、矢継ぎ早にノート派生車を送り出しているのかもしれない。
いずれにしても、ユーザーとして200万円~300万円前後での最新電動車選びの幅が広がるのは嬉しいことだと思う。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント