GR入門車ながら各部は本気仕様。そこに惹かれる
GRスポーツは。幅広いユーザーに、スポーツカーへの「憧れや想い」を届けるスポーツコンバージョン。その最新作がアクアである。
エクステリアは、専用フロントバンパーをはじめとするエアロパーツの採用で、「大人スポーツ」に変貌。インテリアの変更部位は少なめだが、ブラックのモノトーン×ダークメタリックの加飾、専用スポーティシートで特別感をプラスしている。
【最新モデル試乗】気持ちいいハンドリング!トヨタ・アクアGRスポーツをクルマ好きに勧める理由
走りはシャシー系チューニングがメインとなる。ベース車はTNGAプラットフォームで基本性能が高いが、GRスポーツはより高水準な走りを目指し各部に手を入れた。車体は体幹強化のために床下に補強用ブレース(2本)、車両後部に左右クロスメンバーをつなぐリアバンパーリンフォースをプラス。サスペンションはショックアブソーバー/スプリング/スタビライザーに加えて、ブッシュも専用品。EPS制御も専用仕様である。さらにリアサスの各結合部の締結剛性をより高めるために「溝付きワッシャボルト」を採用。タイヤは専用アルミに205/45R17(BSポテンザRE050)を組み合わせている。
1.5リッターエンジン+モーターのHVパワートレーンはベース車と共通。開発者は「標準車の時点でバイポーラバッテリー採用による「EV感」の強い走りと、POWER+モードでの力強さを実現しており、GRスポーツに使用しても十分なパワートレーン特性を持っているため、あえて変更しなかった」と語る。
その走りはスポーツ性を高めているが、味付けは外観同様の「大人スポーツ」。ステアリング系はベース車の滑らかなフィールを崩さずに手ごたえを向上。フットワークはワイドトレッド&低重心を実感する落ち着きある走りに仕上げている。微小舵角でもスッと反応する応答性のよさ、無駄な動きが抑えられたうえにまるで前後重量配分が改善されたかのようなハンドリングは印象的なほど。4輪を効果的に使って走るため、FF特有のアンダーステアは無茶をしない限り顔を出さない。
乗り心地もいい。スポーティハッチらしい元気さがある一方、ドッシリとした安心感も味わえる。硬めながらバネ上のフラット感を重視したスッキリした足の動きが心地いい。そういう意味ではホットハッチというよりも、小さなグランツーリスモのようなキャラクターだ。
そのうえパワートレーンとの相性も抜群。ベース車では「アクアにしてはやりすぎ⁉」と感じていたPOWER+のドライブモードが似合う。POWER+では、シャープなレスポンスとパワフルな制御に加え、アクセル操作のみで加減速が可能になるのだが、まさにドンピシャ。まるでGRスポーツのために用意されていたかのような特性になっている。
アクアGRスポーツは、トヨタ車共通の「コンフィデント&ナチュラル」の考え方はそのままに、ストライクゾーンをより中心に持ってきたモデルである。「クルマ好きにとって理想のスタンダード」と呼びたい1台だ。
トヨタ・アクア主要諸元
グレード=GRスポーツ
価格=THS 259万5000円
全長×全幅×全高=4095×1695×1485mm
ホイールベース=2600mm
トレッド=フロント:1470/リア:1465mm
車重=1150kg
エンジン=1490cc直4DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力=67kW(91ps)/5500rpm
最大トルク=120Nm(12.2kgm)/3800~4800rpm
モーター最高出力=59kW(80ps)
モーター最大トルク=141Nm(14.4kgm)
WLTCモード燃費=29.3km/リッター(燃料タンク容量36リッター)
(市街地/郊外/高速道路:31.0/30.9/27.7 km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=205/45R17+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.3m
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みんなのコメント
嫁にも切り出しやすそう。
僕は、買わんけど。