復活した4WDは2リッターターボを搭載
VWの上級SUV、ティグアンに4WDが復活した。ティグアンの4WD仕様は、2021年のマイナーチェンジで主力エンジンがディーゼルからガソリンに切り替わったことで一旦消滅。スポーツバージョンのRだけは4WDだったが、通常グレードはFFレイアウトに絞られた。だが、SUVはオールラウンド性能が魅力の源泉。通常ユースはFFでも十分とはいえ、積雪路や自然のふところで遊ぶシーンでは4WDのアドバンテージは明確である。ユーザーからもティグアン4WDの復活を望む声は強かった。
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新登場の4WDは、TSI・4モーションを名乗るガソリンモデル。通常のFF仕様の1.5リッターターボ(150ps/250Nm)に対し、2リッターターボ(190ps/320Nm)を組み合わせる。車重がFF比で140~200kg増加したことに対する対応で、エンジンは最大トルクを1500~4100rpmの広い範囲で発揮するチューニング。トランスミッションは7速DCT。4WDシステムは、通常走行時はほぼFF、路面状況に応じて瞬時に後輪に駆動力を伝えるハルデックスタイプ。コンソール部には、ダイヤル式の走行モード切り替えを備える。
上質にして骨太の走り、旅に出かけたくなる!
試乗車はスポーティグレードのRライン。電子制御ダンパーと20インチタイヤがセットになったDCCパッケージ(22万円)が装着されていた。
走りは上質にして骨太。車重が1.7トンを超えるものの加速は力強く、的確なシフト設定と相まって、まさに走りは意のまま。SUVらしい高めの着座ポイントから周囲を見渡し、アップテンポのドライブを満喫した。静粛性は高水準。各種騒音が抑えられ、結果的に心地よいエンジン音が印象に残る設定は、ドライビングのリズムを作りやすい。
今回は、オンロードに限っての試乗だったが、その走りはオフロードを含めた長距離クルーズに連れ出したいと感じさせた。スケールの大きなキャラクターは、ドイツ車ならでは。陸続きの欧州で鍛え上げられた実力を改めて実感した。「コンチネンタル・ツーリング」という言葉がふと頭に浮かんだ。
感心したのは、上質な乗り味である。ファットな20インチタイヤにもかかわらず、快適性はハイレベルだった。これは電子制御ダンパーの効果だけでなく、堅牢なボディ、しっかりとした座り心地のシートなど、すべてをきちっと作り込んでいるからこそである。TロックやTクロスが誕生し、ティグアンは、いまやVW・SUVラインのトップモデル。そのハイグレードなポジショニングを、走るほどに実感した。
ティグアンのボディサイズは日本でも持て余さない全長×全幅×全高4520×1860×1675mm。その中に5シーターの余裕ある室内&ラゲッジ空間を実現し、さらに4WDのオールマイティ性能を盛り込んだTSI・4モーションは、行動派ユーザーに最適な選択肢。使い込むほどに「いいクルマを購入した」と実感するに違いない。
VWティグアン主要諸元
グレード=TSI・4モーションRライン
価格=7DCT 581万6000円
全長×全幅×全高=4520×1860×1675mm
ホイールベース=2675mm
トレッド=フロント:1585×リア:1575mm
車重=1720kg
エンジン=1984cc直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=140kW(190ps)/4200~6000rpm
最大トルク=320Nm(32.6kgm)/1500~4100rpm
WLTCモード燃費=12.8km/リッター(燃料タンク容量61リッター)
(市街地/郊外/高速道路=10.0/12.7/14.6 km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:4リンク
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=255/45R19+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.4m
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