甘く見るな!秋の落ち葉が予想外にクルマに有害な理由とは?
日本の秋と言えば彩り豊かな紅葉ですが、紅葉の後に待っているのは落葉です。積もった落ち葉の中を走るのは秋ならではのドライブシチュエーションですが、困ったことに落ち葉はクルマのボディを痛めるなどの悪さをします。落ち葉がもたらす被害とそれを避けるための手段、そしてメンテナンスまでを紹介します。
ボディに貼り付いた落ち葉は早めに落とすこと!
落ち葉というのは困った存在で、濡れたボディ貼り付くとなかなか取れないことがあります。とくに薄い落ち葉はボディにピタリと貼り付き、そのまま濡れた状態が続くと、ボディに貼り付いた状態で腐っていきますし、天気がよくなると切手のようにボディにくっついてしまうこともあります。走った後、濡れたボディに落ち葉がくっついていたら、指ではがしておきましょう。10枚くらいなら大した手間にはならないと思います。そのままの状態で悲惨なことになるよりは……。もし、たくさんの落ち葉が付着した場合は、すぐにホースで水を掛けるなどして落とせば楽に落とせます。
問題はボディに貼り付いた落ち葉に気付かずに何日間か過ぎ、指で簡単にはがしたりすることができなくなってしまったときです。このような場合は、まずは水でふやかしましょう。とはいえ、ワックスやコーティング剤などでボディメンテナンスがしてあるクルマだと、水はボディに残らずどんどん流れていってしまうので、スポンジや人工セームなどを当てて使ってふやかすのがいいでしょう。ふやけた落ち葉を除去したら、塗装の状態を確認しましょう。
落ち葉が腐ると酸性になるのか、アルカリ性になるのか調べたのですが、資料を見つけることはできませんでした。しかし、腐葉土は酸性に振れるので、おそらくボディに貼り付いた落ち葉も酸性になるのだと思います。もともと日本の雨は酸性なので、そこに落ち葉が酸性に変化して貼り付いていたら、ボディにはある程度のダメージを与えるでしょう。ボディを見て落ち葉が付いているようなら、シャンプーで洗車、それでも落ちないようならコンパウンド入りのワックスで磨いてみることなどがおすすめです。ボディコーティングを施している方は、コーティングを行った業者に連絡して対処方法を聞くのがいいでしょう。
落ち葉はエアコンのフィルターや熱交換器にも有害
家庭用のエアコンの多くは部屋の中の空気を入れ換えることなく、循環させて温度を調整していますが、クルマのエアコンは外気導入モードがあり、外気をクルマの中に入れることができます。その外気はどこから入ってくるか、ご存じでしょうか? 多くはフロントウィンドウの下側あたりに外気の導入口があり、そこから入ってくるのです。この導入口には保護ネットなどが装着されているのですが、しっかりしたフィルターはありません。
このため導入口に枯葉がたまり、それがひからびてバラバラになると車内に入り込んでしまいます。1990年代あたりからクルマのエアコンにもフィルターが装備されるようになりましたが、それ以前に基本設計されたモデルはフィルターが付いてないこともあります。フィルター付きのモデルはフィルターに枯葉の残骸がたまっていきますが、フィルターがないクルマの場合はエバポレーターといって空気を冷やす部分に残骸が詰まり、やがてはエアコンの風が通らなくなってしまいます。
一方、現代のクルマではどうかというと、やはりフィルターにゴミや残骸が詰まっていき、やがては空気が通らなくなります。こうならないためにもクルマに積もった落ち葉は早めに除去しておくことが大切です。また、エアコンのフィルターは1年~2年に1度は交換するようにしましょう。
落ち葉対策はボディカバーが有効。スリップにも要注意!
落ち葉による被害を避けるためには、帰宅したらグルっと一周水を掛けて落ち葉を落としてから屋根付きドア付きのガレージに駐車することですが、そんな恵まれた環境の人はなかなかいないでしょう。落ち葉が降ってくる駐車場に駐めている場合はボディカバーを掛けることをおすすめしますが、フルカバーでなくてもフロントウィンドウだけをカバーするタイプでも違うはずです。
落ち葉対策でカバーを掛ける場合はフロントウィンドウの下側、ボンネットのすき間までをカバーできるタイプのものがおすすめです。メーカー純正のタイプでも、ガラス部分はカバーするものの、すき間がカバーしきれていないものもあります。こうしたタイプは落ち葉が滑りやすくなり、どんどんすき間に入ってしまう可能性もあります。ヤフーショッピングのなかで、なかなかよさそうだったのが「フロント保護カバー」という製品。フロントウィンドウとボンネットをすっぽりと被せるタイプです。このタイプだとボンネットの上に猫などが乗ってもキズが付きにくいでしょう。
落ち葉は走行中にも危険を及ぼします。クルマは路面とタイヤの摩擦によって走っていますが、接地面積はハガキ1枚程度しかありません。タイヤと路面の間に落ち葉が入り込むとタイヤがグリップせずに滑ってしまうことがあります。とくに濡れている落ち葉はタイヤに貼り付くこともあるので危険。落ち葉を巻き上げながら走るのは気持ちがいいかもしれませんが、安全を確保するには落ち葉を避けるように運転すること、そしてペースを上げすぎないようにすることです。
著者:諸星陽一
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