現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【冠水した道での判断】メルセデス・ベンツE 300de EQパワー(6) 長期テスト

ここから本文です

【冠水した道での判断】メルセデス・ベンツE 300de EQパワー(6) 長期テスト

掲載 更新 3
【冠水した道での判断】メルセデス・ベンツE 300de EQパワー(6) 長期テスト

積算1万7393km 突然に見舞われた冠水

text:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル)

【画像】メルセデス・ベンツ EQパワー 全49枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


いつもより湿気っぽい、ある日のドライブ。メルセデス・ベンツは至って普通だった。スタッドレスタイヤのピレリ・ソットゼロは、意に介さないように水を切り進む。紅海を切り分けるモーゼのように。

どうやら堤防が決壊したらしい。街の北部の主要な道は、完全に冠水していた。筆者と家族はイングランド西部、ヘリフォードの郊外へ一時的に身を移すことになったほど。

その日は、イングランド北部への長距離ドライブが必要だった。ランナバウト(ロータリー交差点)は、どこが道かわからない。大型トラックが走る軌跡を見て、水の浅い場所を探りながら進む。クルマのボディに水が当たる音が心地悪い。

前方がどのくらいの深さなのか、運転席からはちゃんと判断できないが、通過できると考えていた。充分なスピードで走らせて水を押し出し、引波を作り、ボディサイドへ高い水が来ないようにする必要があった。

向かい側から大きなピックアップ・トラックが来るまでは、何事もなく進んでいた。サスペンションとタイアでリフトアップされたボディが、怪物のように突っ込んでくる。

そのピックアップは、浸水した道でも走破できることを楽しんでいる様子。すれ違ったドライバーへの影響は、一切考えていないのだろう。

ピックアップと一緒に目の前に迫ってきたのは、大きなタイヤが押し出した水の壁。メルセデス・ベンツと筆者が水に沈むことは明白だった。

プラグインハイブリッドの隠れたメリット

メルセデス・ベンツE 300de EQパワー・エステートは素晴らしいクルマだが、オフローダーではない。エンジンルームのエアインテークが水に浸れば、大きな問題を抱えてしまう。最悪の場合、エンジンの載せ替えも必要となる。

運良く、冠水した道を走っていた時間が長かったことで余裕があり、良いアイデアを思いついた。あっという間だったら、機転は効かなかったかもしれない。

E 300de EQパワー・エステートにはエンジンを停止させEVモードとして走れる、Eモードが付いている。そのボタンを押して、ディーゼルエンジンを止めた。すぐにガラスの外の景色は、茶色の水と、漂う何かの破片でいっぱいになった。

無事にE 300de EQパワー・エステートは電気の力で走り抜け、冠水部分を通過することができた。もしエンジンを回したままだったら、故障せずに済んだだろうか。

これまで考えもつかなかった、プラグイン・ハイブリッドのメリット。クルマとして最高の秘めた力だ。それ以来、E 300de EQパワー・エステートへは感謝の気持ちが止まらない。

もしEVモードで走れなければ、どうなったか想像がつかない。小川の中を、泳ぐことになったかもしれない。

テストデータ

気に入っているトコロ

EVモードで走行できる:早朝、隣人にエンジン音で迷惑を掛けないだけではない。エンジンを溺れさせることなく、冠水した道を走り抜けることもできる。

気に入らないトコロ

削り取られる荷室:荷室には、大きなバッテリーが備わる。大きく重たい荷物を乗せる場合、効率の悪い積み方を考えなければならない。

テスト車について

モデル名:メルセデス・ベンツE 300de EQパワー SEエステート(英国仕様)
新車価格:4万9700ポンド(710万円)
テスト車の価格:5万8115ポンド(831万円)

テストの記録

燃費:20.4km/L
故障:なし
出費:なし

こんな記事も読まれています

「ランクル70」アドブルー蓋の謎を解明!! エンジンルーム内がいい? それでも外にあるのには意味があった【ランクル70運行日誌 第1回】
「ランクル70」アドブルー蓋の謎を解明!! エンジンルーム内がいい? それでも外にあるのには意味があった【ランクル70運行日誌 第1回】
ベストカーWeb
ヤマハ、クラッチローの第7戦イタリアGPでのワイルドカード参戦をキャンセル。右手の手術による合併症で出走を断念/MotoGP
ヤマハ、クラッチローの第7戦イタリアGPでのワイルドカード参戦をキャンセル。右手の手術による合併症で出走を断念/MotoGP
AUTOSPORT web
黄ばんだレンズは磨かないとダメ? いったい誰が得するのよ? 車検でロービーム検査が始まるぞ
黄ばんだレンズは磨かないとダメ? いったい誰が得するのよ? 車検でロービーム検査が始まるぞ
ベストカーWeb
彼女のトヨタ「GRヤリス」は「RS」なのに「GRMN」ルックのなぜ? どうしてもGRMN仕様に変更できなかった2カ所とは
彼女のトヨタ「GRヤリス」は「RS」なのに「GRMN」ルックのなぜ? どうしてもGRMN仕様に変更できなかった2カ所とは
Auto Messe Web
【24’ 5/20最新】レギュラーガソリン 4週ぶり値上がり 平均価格は174.8円
【24’ 5/20最新】レギュラーガソリン 4週ぶり値上がり 平均価格は174.8円
グーネット
フェラーリSF90 XX スパイダーへ試乗 胸が打たれるほど「公道」で素敵 HVの総合1030馬力!
フェラーリSF90 XX スパイダーへ試乗 胸が打たれるほど「公道」で素敵 HVの総合1030馬力!
AUTOCAR JAPAN
ランボルギーニ本社がアート空間に!「Dreamaway 世界の目を通したランボルギーニ」は2025年初頭まで開催予定です
ランボルギーニ本社がアート空間に!「Dreamaway 世界の目を通したランボルギーニ」は2025年初頭まで開催予定です
Auto Messe Web
Next-Gen初代王者ロガーノが2度目の祭典制覇。ステンハウスJr.とブッシュは場外乱闘/NASCARオールスター
Next-Gen初代王者ロガーノが2度目の祭典制覇。ステンハウスJr.とブッシュは場外乱闘/NASCARオールスター
AUTOSPORT web
惜敗のランド・ノリス。序盤のピットストップは「守りの動きだった」とマクラーレンF1代表が説明
惜敗のランド・ノリス。序盤のピットストップは「守りの動きだった」とマクラーレンF1代表が説明
AUTOSPORT web
不安を残した初日から改善し、PP獲得&優勝。レッドブル代表は状況好転の理由に“ブエミの貢献”を挙げる/F1第7戦
不安を残した初日から改善し、PP獲得&優勝。レッドブル代表は状況好転の理由に“ブエミの貢献”を挙げる/F1第7戦
AUTOSPORT web
小林可夢偉、“SF未経験エンジニア”新加入に好感触。松田次生アンバサダーは『10画面でSFgo』。増強止まぬKCMG
小林可夢偉、“SF未経験エンジニア”新加入に好感触。松田次生アンバサダーは『10画面でSFgo』。増強止まぬKCMG
AUTOSPORT web
まさかの「ランボルギーニ“ミニバン”」! “V12”搭載&斬新「2列目1人乗り」仕様!  ガルウィングも採用の「ジェネシス」とは
まさかの「ランボルギーニ“ミニバン”」! “V12”搭載&斬新「2列目1人乗り」仕様! ガルウィングも採用の「ジェネシス」とは
くるまのニュース
KGモーターズ、超小型モビリティの車名を『mibot』と発表
KGモーターズ、超小型モビリティの車名を『mibot』と発表
レスポンス
【祝20周年で20のトリビア】マクラーレン本社の知っていて自慢できるウンチクを紹介「設計コンセプトはNASAとディズニー!?」
【祝20周年で20のトリビア】マクラーレン本社の知っていて自慢できるウンチクを紹介「設計コンセプトはNASAとディズニー!?」
Auto Messe Web
「ルビコン」と「サハラ」は別用途 【ジープ新型ラングラーを早速試乗】 その違いとは?
「ルビコン」と「サハラ」は別用途 【ジープ新型ラングラーを早速試乗】 その違いとは?
AUTOCAR JAPAN
俳優パトリック・デンプシーがレース復帰へ。マグヌッセンやダルジールらが出場する耐久シリーズに参戦決定
俳優パトリック・デンプシーがレース復帰へ。マグヌッセンやダルジールらが出場する耐久シリーズに参戦決定
AUTOSPORT web
日産の新型「小さな高級車」公開! “大胆顔”「コンパクトSUV」のデザインに込められた意味とは? オシャ内装&タフ外装の「新キックス」米に登場へ
日産の新型「小さな高級車」公開! “大胆顔”「コンパクトSUV」のデザインに込められた意味とは? オシャ内装&タフ外装の「新キックス」米に登場へ
くるまのニュース
こりゃトラックドライバーにとってパラダイス! いすゞエルフが採用した「スペースキャブ」がスゴイ!!
こりゃトラックドライバーにとってパラダイス! いすゞエルフが採用した「スペースキャブ」がスゴイ!!
WEB CARTOP

みんなのコメント

3件
  • すぐにばれる作り話だね。

  • えーっとね、冠水した道路をEV走行するのは感電死を招きます。
    もちろん、近くに水に浸かった避難民とかいれば、みんな道連れです。
    決して、冠水しても安心だからプラグインハイブリッドを買おう!なんて考えてはいけません。
    自殺になるし、殺人になってしまいます。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

928.0955.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.91098.0万円

中古車を検索
Eクラス ステーションワゴンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

928.0955.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.91098.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村