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「取り回しにくい」「税金が高い」はホント? クルマの3ナンバー化を嘆く人がいる理由とは

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「取り回しにくい」「税金が高い」はホント? クルマの3ナンバー化を嘆く人がいる理由とは

 実際に取り回しの良さに起因するのは「ミラー・トゥ・ミラー」

 カローラが3ナンバーになった。日本の大衆車として生まれたカローラは5ナンバー(小型車枠)を守ってきたが、ついに全幅1700mmを超えたのだ。それでもグローバルモデルに比べると日本仕様はナローボディではあるが……。

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 ところで、歴代のカローラオーナーに限らず、5ナンバーであることにこだわるユーザーは少なくない。はたして、そこに合理的な意味はあるのだろうか?

 まず、「5ナンバーは取り回しやすい」といわれる。たしかに古くからの住宅街など道の狭いエリアではボディサイズは取り回し性にダイレクトに影響する。しかしながらミリ単位ですれ違うようなシチュエーションでない限り、全幅における50mm程度の違いであれば実際にはほとんど差として感じられないはずだ。

 また、一般論でいえば適度にボディ幅を広げることはハンドル切れ角を増やしやすい。これはエンジンベイとタイヤまでの距離を取りやすくなるためだ。つまり、リアルワールドでの小回り性能については5ナンバーボディだから必ず優れているとはいえない。

 そもそも実際に問題になるボディ幅というのはドアミラーを含めた、いわゆる「ミラー・トゥ・ミラー」の幅である。車検証やスペック表のボディ幅にはドアミラーは含まれていないため、わかりづらいがミラー・トゥ・ミラーで比べると5ナンバーの乗用車のほうが幅広いなんてことも珍しくない。

 全幅1.8m級のモデルが狭い道で扱いづらいというのは事実だろうが、1695mmと1745mmを比べて、取り回し性で明らかな差がつくシチュエーションというのは滅多にないだろう。

 とはいえ、ギリギリの状況になるとその50mmの差を大きく感じることもある。とくに古い設計で、5ナンバーを前提にした駐車場の家屋などでは、そうしたわずかな差が、止めづらさやドアの開けづらさにつながる。なお、新型カローラではドアの開き方に工夫をして、そうした不満を解決しようとしている。ともかく、5ナンバーサイズを前提とした駐車場に“確実に収まる”という安心感をもたらすという意味では5ナンバーのクルマを選ぶインセンティブになるであろう。

「3ナンバー車=税金が高い」は思い込み!

 また、ごくまれに立体駐車場などでも5ナンバー限定というケースもある。これも5ナンバーサイズが主流だった時代の名残だが、そうした駐車場を日常的に利用するのであれば5ナンバーであることにこだわる意味はある。仮に数ミリの差であっても3ナンバーになると入庫できないからだ。

 もうひとつ、古くからのユーザーには「3ナンバー車は税金が高い」という思い込みがあることも3ナンバーへの拒絶反応につながっている面がある。ただし、3ナンバーというだけで自動車税が上がっていたのは昔々の話だ。たしかに、昭和の時代は排気量が小さくともボディ幅で3ナンバーとなるだけで自動車税が跳ね上がっていたし、自動車取得にかかる物品税も消費税導入までは3ナンバー車は23%(5ナンバー車は18.5%)となっていた。

 しかし、現在ではボディサイズは自動車税に影響しない。自動車税は基本的にエンジン排気量によって決まる。いまでは自動車取得税も廃止されている。仮に同じエンジンだとすれば、3ナンバーだからというだけで維持費が高くなるようなことはない。むしろ消費税の増税に合わせて小排気量ほど自動車税が軽減されているので、自動車税にこだわるならばボディサイズというよりは排気量を気にしたほうがいい。

 というわけで、日常的な使い勝手や維持費の面でいえば、5ナンバーであることのメリットはほとんどないといえる。では、5ナンバー車に意味はないのかといえば、そうとも限らない。たまたまグローバルモデルが5ナンバーに収まったというケースもあるだろうが、あえて5ナンバーこだわったクルマづくりというのは、開発時における日本市場に最適化しようするマインドを感じさせる。つまりボディサイズ以外にも日本のユーザーニーズを満たすクルマになっていると期待できるのだ。そうした目安としているのであれば、ユーザーが5ナンバーのクルマにこだわる意味はあるといえるだろう。

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