クルマはオーナーの趣味嗜好を色濃く反映する。車種、ボディカラー、オプション、ドレスアップ、チューニング、洗車方法にいたるまで……。さらに、どのようなカー用品を選んでいるかによって、人それぞれ個性やこだわりが反映される。
しかし最近、あまり見かけなくなったな、というようなカー用品はないだろうか?
【気づけば激変!!】 クルマの顔、車格、価格、買い方の大転換たち
カー用品は世に連れ、世はカー用品に連れ。懐かしいモノから貴重なものまで、思わず「懐かしい!」と叫びたくなってしまうようなカー用品を集めてみた。
構成・文:松村 透 写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2018年8月10日号より
カー用品はその時代のカーライフを映す走馬灯!
1980年代~1990年代にかけて、当時の若者たちがクルマに熱中した結果、さまざまなカー用品が開発された。
数百円で買える手頃なものから、数十万単位のものまで。値段に関係なく、自分好みのカー用品を探したり、自慢の愛車に取り付けた時は誰でも心躍ったものだ。
さらに、その時代が生み出したとしか思えないほど爆発的にヒットしたカー用品も忘れてはならない。かつては水中花シフトノブ、現代であればドライブレコーダーがその代表例だろう。
そのいっぽうで、時代の流れとともに見かけなくなったり、新たなものと入れ替わるようにして姿を消していったカー用品も少なくない。また、近年ではインターネットを使った通販が広く浸透してきたことで、日本国内はもとより、海外から個人輸入する人も増えた。まさにカー用品は、時代のカーライフを映すアイテムなのだ。
そこで今回は「たしかにあったハズなのに…。見かけなくなりつつある、そんなカー用品の『Red Data Book(絶滅危惧種カタログ)』」と題して、昔懐かしいカー用品を振り返ってみたい。今、あえて取り付けるからこそトレンディなカー用品が見つかるかもしれない。
外装系
豪華なこと、目立つことがステータス? 外装パーツで差別化を図った時代。
アースベルト
リアのマフラーあたりから、地面に向かってチェーンやゴムベルトが伸びているクルマを見たことはないだろうか? 静電気放出用のアースベルトだ。装着率は激減したが、実は現在も新品の購入が可能。
絶滅危険度……★★★☆☆
ブーメランウィング
かつては輸入車のリムジンのトランク部分に取り付けられていることが多かったブーメランウィング。アンテナの役割も持たない装飾品だ。需要がないのか、新品での入手はできないようだ。
絶滅危険度……★★★★★
カーワックス
使う人によってメーカーやワックスのグレードにこだわりを持っていた時代が懐かしい。メーカーやグレードにもよるが、もちろん現在でも新品の購入が可能だ。
絶滅危険度……★★☆☆☆
サンルーフバイザー
日よけや車内への風の巻き込み防止の役割を持つ。サンルーフ付きであることを周囲にアピールする役割も担っていた。現在でもさまざまな種類のバイザーが購入できる。
絶滅危険度……★★☆☆☆
大口径マフラー
1990年代半ばにかけて、各マフラーメーカーが口径の大きさを競う時代があった。現在では新品での大口径マフラーは減少傾向だが、マフラーカッターとして販売されているものもある。
絶滅危険度……★★★☆☆
自動車電話用のアンテナ
室内用とトランク部装着のものが存在した。トランク用のものはダミーが販売され、遠目には本物に似ており人気を博した。ダミーは今でも購入できるが本物は絶滅危惧種。
絶滅危険度……★★★★★
ゴールドエンブレム
愛車をゴージャスに飾るマストアイテムとして人気を博したゴールドエンブレム。最近のクルマにはなぜかメーカー純正での設定が少ないが、社外品は探せば案外見つかる。
絶滅危険度……★★☆☆☆
ダイバーシティアンテナ
クルマのリアウィンドウに生える4本のアンテナ。かつて車内にテレビを設置したい時に、ダイバーシティアンテナは必需品だった。もちろん、現代でも購入可能だ。
絶滅危険度……★★★☆☆
ミュージシャンや俳優のステッカー
『あぶない刑事』のタカ&ユージやBOφWY。俳優やミュージシャンのステッカーを貼ったクルマを見かけたが、今でも現役は永遠の定番、「E・YAZAWA」くらいか。
絶滅危険度……★★★★☆
内装系
時代とともに別のものに置き換えられたり、交換が難しくなったものも多い。
レースのシートカバー
高確率でお父さんのマイカーに装着されていたレースのシートカバーも、時代の流れとともにほぼ絶滅。皮肉なことにネットオークションでは高値で取り引きされることも。
絶滅危険度……★★★☆☆
グレイスメイトポピー
「くるまにポピー」のキャッチでおなじみの芳香剤、グレイスメイトポピー。今年で誕生40周年を迎えた。現在でも根強い人気を誇り、5種類の香りがラインアップされる。
絶滅危険度……★☆☆☆☆
ウルトラマンの目が光るランプ
前方のクルマがブレーキを踏むと、リアガラスに張りついたウルトラマンの目が赤く光る。1980年代頃にはしばしば遭遇した光景が懐かしい。バルタン星人のランプもあったが、いずれもほぼ絶滅。
絶滅危険度……★★★★★
シューズトレイ
土禁(土足禁止)のクルマには必ず置かれていたシューズトレイ。几帳面なオーナーだと座席数ぶんのシューズトレイが車内に置いてあることも。軽自動車には標準で装備されることも珍しくなく、現在でも新品が入手可能だ。
絶滅危険度……★★★☆☆
自動車電話
携帯電話が普及する以前、憧れの存在だった自動車電話。現代では自動車電話そのもののサービスが終了しており、新規契約を行っていないって、知ってました?
絶滅危険度……★★★★★
ターボタイマー
ターボ車オーナーには、自分の愛車を守るための必須アイテムだったターボタイマー。現在はこのタイマーを必要としないほどターボの性能が向上しているため、絶滅危惧種。
絶滅危険度……★★★★☆
水中花シフトノブ
水中花シフトノブという名称が浸透しているが、正式名称は「アクリルノブ」。間もなく終わりを告げる平成の世においても根強い人気を誇り、さまざまなデザインの水中花シフトノブが売られている。
絶滅危険度……★★☆☆☆
社外ステアリング
エアバッグが内蔵される前は社外のステアリングに交換するのも比較的容易だったため、カー用品店でも多く売られていた。現在でも規模を縮小しつつも店頭に並ぶ。
絶滅危険度……★★☆☆☆
社外シフトノブ
本革巻き、アルミ削り出し、カーボン風など、さまざまな素材や形状のシフトノブが売られていた。もちろん、現在でも新品の入手は可能だが、以前よりも選択肢は激減したように思えてならない。
絶滅危険度……★★☆☆☆
AV(オーディオビジュアル)系
変化が激しいオーディオ&ビジュアルカテゴリー。便利になったのは確かだが。
テレビモニター
メーカー純正オプションおよび社外品ともに、かつては高価な代物だった。現在ではカーナビ兼テレビモニターとして普及している。アナログテレビ用のテレビモニターはほぼ絶滅している。
絶滅危険度……★☆☆☆☆
VHSビデオデッキ
テレビモニターでは満足せず、車内にビデオデッキを搭載してしまう強者も現われた。大きなビデオデッキは置き場を確保するのもひと苦労だった。さすがに現在では新品での入手はほぼ不可能だ。
絶滅危険度……★★★★★
ポータブルCDを置くマウントアダプター
カセットからCDへと急激に主流オーディオが変化していた時代、助手席にポータブルCDプレーヤー用のカーマウントアダプターを取り付けたもの。現代ではさすがに需要がないのか、ほぼ絶滅状態。
絶滅危険度……★★★★★
カセットデッキ
ドライブやデート用など、用途に応じたオリジナルテープを作った人も多いはず。最近のクルマでカセットデッキが標準装備されている車種はほぼ絶滅したが、新品のカセットデッキは今も購入できる。
絶滅危険度……★★★★☆
CD&MDデッキ
長らくカセットデッキが占拠していたセンターコンソールの一等地を奪い取ったのがCD&MDデッキ。ポータブルオーディオプレーヤーの台頭で需要は激減したが、今でも新品のデッキは入手可能。
絶滅危険度……★★★☆☆
リアスピーカー
ケンウッドやカロッツェリアなどのメーカー名が点灯し、華やかさを演出。後方車にさりげなく自分の推しメーカーをアピールできた。最近ではドア内蔵タイプが主流となりほぼ絶滅状態。
絶滅危険度……★★★★★
グライコ
周波数ごとに帯域の波形を表示させるグライコ(グラフィックイコライザー)は、センターコンソールを華やかに演出する名脇役だった。しかし、現在ではグライコ単体機としてはほぼ絶滅。
絶滅危険度……★★★★☆
CD&MDチェンジャー
かつてはトランクの1区画を占有したCD&MDチェンジャー。6連奏より10連奏や12連奏など、とにかくたくさん収納できるのがエライとされた。CDチェンジャーは今でも新品が入手可能だ。
絶滅危険度……★★★★☆
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