■今こそ「復活」希望! ホンダ純正「車中泊仕様」ステップワゴンとは
自由気ままなクルマ旅が楽しめると人気の「車中泊」ですが、ミニバンクラスであっても車内で寝ることが出来る人数はせいぜい大人2名が限界でしょう。
しかしホンダはかつて「ステップワゴン」で、大人4人の就寝も可能とする理想的な「純正車中泊仕様」をラインナップしていたのです。
【画像】「屋根がパカーン!」 ホンダ「ステップワゴン」車中泊仕様を写真で見る(22枚)
通常、ミニバン1台に家族4名が車中泊するのは無理です。例えば2名は車内で過ごし、2名は車外にテントを張るなどするしかありませんでした。
しかしホンダは、ミディアムクラスミニバンのステップワゴンにポップアップルーフを装着したメーカー純正車中泊仕様「ステップワゴン フィールドデッキ」を設定し、4名の就寝を可能としました。
これは1996年5月に登場した初代ステップワゴンをベースにしたもので、1998年に誕生しました。
ステップワゴン フィールドデッキの開発は、ホンダの軽トラック架装や福祉車両の開発・製造などを担当するホンダの関連会社、ホンダ特装(当時)。販売は全国のホンダ正規販売店で、通常モデル同様に行われています。
屋根に搭載された跳ね上げ式のポップアップルーフを開くと三角形のテント形状になり、大人2名が就寝可能なベッドスペースが誕生します。
ウェットスーツに使われる防水性や伸縮性に優れた素材が使用されたテントは、耐候性にも配慮。正面と両サイドには虫よけネット付き窓も備わり、採光や通気性にも優れています。
閉じれば全高は1955mm(2WD)なので、日常で使う分には通常のステップワゴンと変わらない5ナンバーサイズの使い勝手を保ちます。
室内は通常のステップワゴン同様なので、3列シートをフルフラットに倒せばこちらにも大人2名分の就寝スペースが誕生するため、合計で4人が寝ることが出来るのです。
ステップワゴン フィールドデッキは、初代ステップワゴン「G」と「W」、さらにGをベースとした特別仕様車「ホワイティ」の各ダブルサンルーフ仕様車をベースとしています。
室内からポップアップルーフへの出入口は、屋根の前後にふたつある各サンルーフの開口部を有効利用しているのも面白いところです。
ベースのダブルサンルーフ仕様に対し、FRP製のポップアップルーフによる重量増は45kgに収められ、走行性能への影響も最小限にとどめられています。
アウトドア派のユーザーから一定の支持を集めましたが、残念ながら2代目には継承されず、その後も再登場はありません。
キャンプブームが再燃している今、6代目ステップワゴンでの「フィールドデッキ」復活を期待したいところです。
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