1970年~1990年代に販売された“ちょっと、古い、クルマ”に焦点を合わせ、クルマをこよなく愛する俳優・永山絢斗が当時の車両の正体を暴く“探偵”に扮します。永山探偵をサポートする“物知り少年”は自動車評論家の小川フミオ(少年O)と『GQ JAPAN』編集部のイナガキ(少年I)のふたり。今回は探偵が「どうしても乗りたい!」とリクエストされたフォード「フォーカス」(3代目)の高性能バージョン「RS Mk3」だ。
なぜフォーカスRS Mk3なのか?
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少年I 今回、探偵団がチェックしたのは、フォードのフォーカスRS Mk3です。
少年O フォーカスは、フォルクスワーゲンでいえば「ゴルフ」と競合するハッチバックですね。シリーズ全体の特徴をひとことで言えば、グローバル・カー。フォード・モーターカンパニーが世界中に持つネットワークを駆使して、欧米中とさまざま国で現地に合った仕様に、いわゆるローカライズされて販売されてきました。
少年I 今回採り上げさせていただくRS Mk3は、探偵の希望で、オーナーの伊藤優甫(ゆうすけ)さんに乗って来ていただきました。
探偵 僕自身がフォーカスRS500(2010年登場)に乗っていますからね。フォーカスって、ホンダでいえば「シビック」みたいなもので、ベースは量産のハッチバックです。そのラインアップに設定されたハイパーモデルがRS。なので、自分としてはおおいに興味を惹かれてきたモデルなんです。
少年O 欧州フォードは、量産車をベースに“カリカリ”にチューンナップしたモデルを手がけて、マニアを喜ばせてきてくれましたから。「シエラRSコスワース」(1986年)とか「エスコートRSコスワース」(1992年)なんて、日本に正式輸入を望むクルマ好きが多かったモデルです。
探偵 そうなんですよ。フォードの高性能モデルは日本でなかなか買えないのもロマンがあって惹かれます。
少年O フォード・モーターカンパニーの日本法人があった時代までは、米国製のSUVなどに混ざって、「フィエスタ」や「クーガ」といった欧州開発のコンパクトモデルも販売されていました。でも、一部のファンが望んでいたスポーツモデルには、冷淡でしたね。
探偵 「ルノースポール」モデルの導入にけっこう熱心なルノー・ジャポンとかと違って、数が見込めないと販売にゴーが出なかったんでしょうか。
少年I 以前聞いた話だと、当時の車種担当者が日本導入を試み、何度も企画書を書いたものの上司が首を縦に振らなかったんだとか。
少年O ドイツ・ケルンにあるドイツフォードと、英サリー州ブレントウッドの英国フォードがあって、それをまとめて欧州フォードと呼んでいます。英国フォードのほうがクルマ好きな感じですけれど、欧州では各地に生産拠点があったりもして、モデルごとに英国とかドイツとか切り分けるのはむずかしいですね。
探偵 モータースポーツにことのほか熱心だったのはイギリスのフォードという印象ですよね。ラリーでの大活躍は、日本でも話題を呼んでいましたから。
少年I かつて探偵団で採り上げさせていただいた「RS200」(1985年)という、ラリーマシンそのもののスポーツモデルまで手がけていました。
探偵 さっき、ホンダを例に出しましたが、フォーカスがシビックだとしたら、フォーカスRSはシビック・タイプRに匹敵するモデルですよね。
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少年I オーナーの伊藤さんは、そもそもスポーツモデルが大好物で、アルファロメオ「147GTA」やフィアット「プントEVO」に乗っていたこともあるそうです。ロータス・「エキシージ」かアルファロメオ「4C」に買い替えようかなと思ったとき、結婚前のいまの奥様から「もう2シーターはやめましょう」と諭されたといいます。
少年O 家族構成が変わるかもしれないですからね。
少年I そこで見つけたのが、このフォーカスRS Mk3だったそうです。欧州の珍しいハイパーハッチバックなども扱うお店で見つけて、インパクトのあるエクステリアと、英国の自動車メディアでの評価の高さなどで「これがいい!」と、決めたんだそうです。
少年O いわゆる「ブルーエディション」という専用車体色である「ニトロナスブルー」の限定仕様で、2260cc直列4気筒ガソリンターボ・エンジンが発生する350psの最高出力と440Nmの最大トルクを、6段マニュアル変速機を介して4つのタイヤに振り分けています。2018年に生産終了した、ハイパーハッチ好きには貴重なモデルです。
探偵 もうこういうクルマ、出てこないかもしれないですね。オーナーは、いくらで購入なさったんでしょう?
少年I 並行輸入車を、乗り出しで550万円。ちょっと決心が必要な買い物だったんじゃないでしょうか。
探偵 それにしても、よくぞ、フォーカスRS Mk3を探し出しましたよね。スバル「WRX STI」や、ルノー「メガーヌRS」などを買わないで。
少年I 伊藤さんは、フォード車を駆ってラリーで大活躍していた米国人レーシングドライバー、ケン・ブロックのファンでもあったそうです。それも、伊藤さんの背中を強く押したそうです。伊藤さんがもうひとつ好きだったのは、ブロック氏のドリフト走行というかジムカーナのビデオ。クルマを自在に、かつ楽しそうに操っている様子で、伊藤さんはブロック氏と、そしてフォーカスRS Mk3のファンになったといいます。
探偵 みんなドリフトが大好きですよね。趣味の道具としてのクルマの楽しみ。
少年I 伊藤さんは、「オートサロン2019」の会場でケン・ブロック氏ご本人と話したこともあるそうです。
クセがまたイイ
探偵 運転させてもらいましたが、めちゃくちゃ私好みのクルマでした。ごく低回転域はあまりトルクがなくって、すこしクセがある。そこもまた、いいんですよねぇ。
少年I 伊藤さんは、フォーカスRS Mk3に乗ってみて、「まるでラテン車だ!」と、思ったそうです。アイドリングが安定しない点とか、内装の仕上げが安っぽいとか、ネガもあるけれど、運転がものすごく楽しい。一点突破主義。「ものすごくフィーリングに合いました」と、嬉しそうに語ってくださいました。
探偵 ロードホイールなどはオーナー好みに仕立てられていますね。
少年I はい、HREの19インチで、ミシュランのパイロットスーパースポーツの組み合わせです。KWの車高調キットやBRIDEのフルバケットシートなども取り付けるなど、凝っています。伊藤さんによると、加速がよくなったそうで、イジりがいのあるクルマとのことです。
少年O 心配されるトラブルはあまりないそうです。だから並行輸入でも、維持はそれほど大変ではないとのこと。ちなみに正規輸入されたフォードの場合、各地にアフターサービスを引き継いだショップがあります。
探偵 超マニアックなクルマですけど、オーナーはどうやって情報収集しているのでしょうか?
少年I インターネット上に、欧州フォード車のコミュニティがあるそうですよ。フォーカスRS Mk3乗りもごく少数ながらいるそうで、実際にオーナー同士が触れ合うイベントもおこなわれています。
探偵 おなじフォーカス乗りとして、羨ましいですね。僕もRS500のオーナーとぜひお会いしたいのですが、はたして日本にいるのかどうか……。
少年O 世界限定500台ですからね。しかも正規輸入されなかったわけですから、日本に数台しか上陸しなかったという噂もあります。これだけSNS全盛であっても、フォーカスRS500の日本における投稿はまったくヒットしません。
少年I いつかこの連載でフォーカスRS500に登場いただきたいですね。もしお乗りの方はGQ JAPAN編集部まで連絡ください!
俳優・永山絢斗(ながやまけんと)1989年3月7日生まれ。東京都出身。2007年『おじいさん先生』(日本テレビ系列)で俳優デビュー。連続テレビ小説『おひさま』や『べっぴんさん』(NHK総合)、『ドクターX~外科医・大門未知子~ 第5シリーズ』(テレビ朝日系列)、そして2021年には『俺の家の話』(TBS系列)に出演。映画では2010年の『ソフトボーイ』で第34回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。
出演情報/
・映画『冬薔薇』2022年6月3日(金)全国ロードショー
・WOWOWオリジナルドラマ「ダブル」6月4日(土)22時30分より放送・配信スタート
・映画『峠 最後のサムライ』2022年6月17日(金)全国ロードショー
・映画『LOVE LIFE』2022年9月9日 全国ロードショー
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メルセデス・ベンツ500E
ランチア・デルタHFインテグラーレ
マセラティ・ギブリ(2代目)
メルセデス・ベンツGクラス(2代目)
アルファロメオ・スパイダー(初代)
日産PAO
スバル・レガシィ・ツーリングワゴン(初代)
ユーノス・ロードスター(初代)
ホンダ・NSX(初代)
シトロエンCX
メルセデス・ベンツSクラス(W126)
ローバー・ミニ
フェラーリ360モデナ
フォードRS200
フォード・エスコート(マーク1)
マツダRX-8
トヨタ・セルシオ(初代)
日産・フェアレディZ(2代目)
フォルクスワーゲン・ビートル(タイプ1)
メルセデス・ベンツ560SEC
フォルクスワーゲン・コラード
アストンマーティンDB5
いすゞ・ピアッツァ(初代)
ポルシェ911(タイプ964)
三菱ランサーエボリューションIX
ホンダ シティ・ターボII
シボレー・タホ(初代)
三菱GTO
シボレー ・コルベット(4代目)
日産フェアレディZ(4代目)
デロリアン
マツダ・ロードスター(2代目)\
まとめ・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) スタイリスト・Babymix ヘア&メイク・新宮利彦
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