日産フラッグシップスポーツ2台の最新情報をお届け!
R35型GT-Rはマイルドハイブリッド化で新時代に立ち向かい、フェアレディZはプロトタイプから大きな変更なく今秋には市販型が公開へ。
正直なところ両車の今後についてはまだまだ不明な点も多いが、クルマ好きなら避けては通れない2台、現時点で当編集部が関係者から仕入れた情報をすべてお知らせしておきたい。
※本稿は2021年2月のものです
文・予想CG/ベストカー編集部 写真/NISSAN、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2021年3月10日号
【画像ギャラリー】現行型・プロトタイプと比較! マイルドHV GT-R&フェアレディZをギャラリーでチェック!!!
■R35GT-Rはビッグマイナーチェンジでマイルドハイブリッドを搭載!
デビューは2007年と、もはや10年以上前だが、その後、幾度にもわたる改良を受け、いまだ世界の強豪たちと互角以上に渡り合える速さを持つGT-R。
だがそのGT-Rもこのまま販売を続けるのは、やはり難しい。
日産は電動車を多く用意できるためCAFE(企業別平均燃費基準)はクリアできると見られるが、2021年以降強化される騒音規制もある。そこで2022年、R35型GT-R終了という噂も出た。
基本設計がいいだけに、まだまだ戦闘力と魅力を残すGT-R。継続のためには現行の3.8L V6ツインターボのシステムに、なんらかの手を加える必要がある。
そこで浮上したのが、48Vマイルドハイブリッド化だ。
Aピラーやルーフラインは現行モデル同様だが、バンパーのみならずフェンダーにまで手が入れられたフロントの印象は現行と大きく異なる(画像はベストカー編集部による予想CG)
R35型GT-Rは誕生時から究極を目指していたため、機械的な部分に大きな改良の手を入れるのが難しい。改良の余地が少ないといってもいい。だからこそのマイルドハイブリッド化だ。
スターターをオルタネーター共用のハイパワーモーターとしてエンジンに直結、いわゆる「ISG」とすることで、動き出すための抵抗が大きい発進時をサポートさせる。
ISGモーターの出力は20kW(約27ps)、250Nm(25.5kgm)程度とみられるが、48Vのシステムを採用することから、モーターのアシストは体感できるレベルとなるだろう。むろん燃費も向上する。
ドアパネルやリアフェンダーのデザン変更に加え、リアエンドのデザインも大きく変えられる。スポーティでいい感じだ(画像はベストカー編集部による予想CG)
デビューはいつか?
現在入っている情報では、現行の純ガソリンエンジンを積むGT-Rの販売が終了する2022年に、その入れ替わりのかたちで登場。その後2年間販売され、2024年にGT-Rは終了することになるという。
ボディ外板にも手が入り、フルモデルチェンジ並みの新鮮なルックスになるGT-R、期待してその登場を待ちたい。
純内燃機関派にはこのマイルドハイブリッドGT-Rの登場に先駆け来年登場する、1台の特別なモデルをお薦めする。
そのモデルは、実際にはまだGT-Rの歴史は続くにもかかわらず、「ファイナルエディション」を名乗って登場するのだが、注目はエンジン。
GT3マシンのものをベースに手作業で組まれたスペシャルメイドで、最高出力は720psを発生するという。
2022年に20台程度の限定で販売される「GT-Rファイナルエディション」。迫力のある外観に720psエンジンが魅力(画像はベストカー編集部による予想CG)
価格は4000万円級で、生産台数も20台程度の極めてレアなモデルとなるが、これが正真正銘、ガソリンのみで走る最後のGT-Rだ。
購入できる人はしたほうがいいのは間違いない。
●日産、2030年代早期から電動車100%の目標を発表
1月27日、日産は2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクル全体におけるカーボンニュートラル実現に向けた目標を発表。その目標達成に向け、2030年代早期より主要市場に投入する全新型車を電動車とすべく、以下の分野にて電動化と生産技術の革新を推進していく。
・よりコスト競争力の高い効率的なEVの開発に向けた全固体電池を含むバッテリー技術の革新
・エネルギー効率を向上させた新しいe-POWERの開発
・再生可能エネルギーによる分散型発電に貢献するバッテリーエコシステムの開発
・車両組み立て時、生産技術イノベーションによるエネルギーと資源の利用率向上
以上、日産の未来に向けた取り組み、今後の動きに注目だ。
EVに寄せられる期待は大きい。その期待に応えるためには、やはりバッテリー技術の革新を避けては通れない
●日産 GT-R マイルドハイブリッド
・全長×全幅×全高:4690×1895×1370mm
・ホイールベース:2780mm
・車両重量:1850kg
・エンジン:V6、3.8L+ターボ+モーター
・最高出力/最大トルク:600ps/66.5kgm
・モーター出力:27ps/25.5kgm
・駆動方式:4WD
・予想発売時期:2022年
・予想価格:1600万円
■ニューZ続報! この秋市販型を公開し400万円台で来春デビュー!!!
今、日産のデビュー予定車のなかで最もクルマ好きが期待しているモデルといえば、新型フェアレディZをおいてほかにないだろう。
復活を目指す日産のイメージを象徴するスポーツモデルとして2022年3月のデビューが今から待ち遠しい1台だ。
さて、その新型フェアレディZだが、基本的には昨年9月に公開されたプロトタイプから大きく変更される点は少なそうだ。
フロントは初代S30型、リアはZ32型をオマージュしたような印象を与える新型フェアレディZ。シンプルかつスマートだ(画像はベストカー編集部による予想CG)
ボディサイズは全長4382×全幅1850×全高1310mmというのはプロトタイプのスペックだが、全長が120mm延長されている以外は現行Z34型から大きく変わらない。
その伸びやかで美しいロングノーズスタイルは初代S30型Zを彷彿とさせる。
注目されるパワートレーンにはスカイラインが搭載するV6、3Lツインターボを採用。グレードによって304ps仕様、そしてそのハイパワー版である405ps仕様が与えられることになる。
心臓部にはV6、3Lツインターボを採用。スカイライン同様、304ps仕様と405ps仕様が用意される
そしてトランスミッションにはスカイラインの7速ATだけではなく、3ペダルの6速MTが組み合わされるのも大きなポイントだ。
同じ3Lターボを搭載するGRスープラがBMW製の8速ATしか設定されないのに対し、新型フェアレディZはスポーツ性を追求する仕様もきちんと用意される。
3連補助メーターの存在が特徴的なインパネ。ドライバーオリエンテッドな設定となっている
また、価格については405ps仕様は500万~600万円が現実的になるだろうが、304ps仕様なら400万円台の設定も期待できそう。今秋の東京モーターショーで市販車を公開予定だ。
電動化が避けられない昨今、この価格でピュアガソリンスポーツ車を購入できるのは最後のチャンスかも!?
●「バージョンNISMO」も鋭意開発中!
新型フェアレディZには現行型同様のNISMO仕様もデビュー時に設定される可能性が高い。ベースモデルと同様に開発は進められており、エンジンのパワーアップのほか、足回りもNISMOが専用チューンを施す。
NISMOが手を入れると走りはさらに魅力的に期待大だ(写真は現行型)
●日産 新型フェアレディZ
・全長×全幅×全高:4382×1850×1310mm
・ホイールベース:2550mm
・車両重量:1280kg
・エンジン:V6、3L+ターボ
・最高出力/最大トルク:405ps/48.4kgm
・駆動方式:FR
・予想発売時期:2022年3月
・予想価格:400万~600万円
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みんなのコメント
初代の綺麗なデザインを見てきた者にとって、美的感覚を無視したかのような弁当箱グリルは 許容できません。
日産を代表するスポーツカーなんですから、世界に通用するデザインでお願いいたします。