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夏~秋発売でも早くも動きがっ!? 新型86/BRZ公開は初代モデル中古車の価格に影響を与えたか?

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夏~秋発売でも早くも動きがっ!? 新型86/BRZ公開は初代モデル中古車の価格に影響を与えたか?

 2021年4月5日に、日本仕様の新型GR86とスバルBRZが公開され、BRZが今夏そしてGR86は秋に発売予定と発表された。

 グレード構成こそ発表されていないが、内外装のデザインをはじめ、ボディサイズは全長4265mm×全幅1775mm×全高1310mmであること。6MT車の車両重量は1270kg。そして、搭載するエンジンが最高出力235ps/最大トルク250Nmを発生する2.4L水平対向4気筒自然吸気であることは発表済となっている。

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 また、2020年8月のBRZの生産終了に続いて、現行型トヨタ86も4月10日に生産終了し、すでに在庫車のみの販売となっている。

 フルモデルチェンジはまだ少し先であるが、新型が公開されたことで、初代86/BRZの中古車相場はどのような値動きをしたのだろうか。最新の86/BRZの中古車事情をチェックしてみる。

文/萩原文博
写真/ベストカー編集部

【画像ギャラリー】希少なFRスポーツ初代「86」&「BRZ」写真集

■86/BRZの中古車は2017年を境に前期型と後期型に分かれる

 初代の86/BRZは2012年2月に発表、3月から販売開始された。86とBRZでそれぞれ特別仕様車の設定やグレードの追加や変更を行っているが、前期、後期を区分するマイナーチェンジは2016年7月に行われている。

 6速MT車に搭載されているエンジンの吸排気系をチューンし、最高出力7ps、最大トルク7Nmを向上させた。シャシーにも手が加えられ、補剛材の追加と制振材の最適化をはじめ、サスペンションには新開発のショックアブソーバーを採用。

 横滑り防止装置の「VDC」もチューニングされ「TRACK」追加するなどの仕様変更が行われている。86/BRZは見た目以上に異なるのがグレード構成だ。

 86は「14-60R」や「GRMN」といった新車時価格500万円を超える高額なコンプリートモデルをはじめ「GR」などのカスタマイズモデルをラインアップ。専用カラーを採用した特別仕様車を数々発売した。

トヨタ「86GRMN」(コンプリートモデル)。86には積極的にメーカー発のカスタマイズモデルが投入された。中古市場で500万円以上のプライスが付いているのは、この様は車両だ

 一方のBRZは特別仕様車の「tS」を2度発売。そしてBRZのみ設定された「STIスポーツ」に限定100台で「クールグレーエディション」を設定したくらいだ。

 このことが中古車相場には大きな影響を与えているのだ。それでは、初代86/BRZの中古車相場を見てみよう。

■86の中古車は約1,000台と豊富に流通。また前期型が圧倒的に多い

 まずは、86の中古車相場から紹介する。現在(4月下旬)、86の中古車は約1090台流通している。3カ月前の時点では、約1010台だったので、80台も増加している。

 そして平均価格は3カ月前が約214万円で、今月は約204万円と3カ月で10万円の値落ちを記録。しかも直近1カ月で5万円の値落ちとなっている。この値動きを見る限り、中古車相場にニューモデル発表は中古車相場に影響を与えていると言えるだろう。

 現在の86の中古車の価格帯は約95万~約745万円と非常に幅広いのが特長。500万円以上の価格をつけているクルマは、14-60Rをはじめ、14R、GRMNといったコンプリートカーが中心だ。またファイナルモデルといえる86台限定のブラックリミテッドも約410万~約490万円と高値となっている。

 生産終了したばかりだが、2020年~2021年式で、走行距離500km以下という「おろしたて中古車」は約10台しかない。一方、100万円以下の価格を付けている中古車は約6台。残念ながら全車6速AT車でMT車は約119万円からとなっている。

86前期型。ATであれば、100万円以下の車両もある。スポーツカーとはいえ、MTとATの比率は、ほぼ半々と意外にAT比率が高い。新型のほうのAT車にはアイサイトが装着されるのも、AT需要がある事への対応だろう 

 流通している86の中古車のトランスミッションを見てみると、6速MTが約51%。一方6速ATは約49%とほぼ半々となっている。グレードでは、約27.6%と最も多いのは2.0GTのMT車。次いで約25.8%の2.0GTのAT車、そして、2.0GTリミテッドのAT車が約14.5%で続いている。

 また、流通台数は少ないものの特別仕様車や外観デザインを変更したスタイルCbというモデルも約6台流通している。2012年~2016年7月までの前期型の中古車は約772台。そして2016年7月以降の後期型は約318台と圧倒的に前期型が多くなっている。

■対するBRZは330台程。価格的にはほぼ86と同様。MTの比率が高いのも特徴

 続いてはBRZ。現在、BRZの中古車の流通台数は約327台。3カ月前の2021年1月時点では約290台だったので微増という状況だ。

 平均価格は3カ月前が約194万円で、今月は約189万円で5万円の値落ち幅を記録。この5万円の値落ち幅は直近の1カ月で記録したものなので、86同様に新型公開の影響はあったと言える。

86にくらべると流通量は少ないが、こちらも前期型はまだ見つけやすいか。86と価格差がないうえ、MT車比率も高いので、MT車を希望ならば「BRZ」 の選択も大いにアリだ

 BRZの中古車の価格帯は約98万~約500万円。そのうち100万円以下の中古車は1台しかなく、こちらもAT車だった。MT車は118万円からで86と同じ水準となっている。

 一方の高額車は500万円台にわずか1台あるだけで、しかもアフターパーツメーカーの過給器を装着したチューニングカー。この1台を除くと390万円まで下がるのが特長だ。BRZの中古車では実質的に最高値は約390万円となっている。

 BRZは86より先に生産終了していることもあって高年式、低走行の「おろしたて中古車」は流通していないのが特長だ。

 流通しているBRZの中古車のトランスミッションを調べてみると、6速MT車が約60.5%、6速AT車が約39.5%と6速MT車の比率が86より10ポイントも高くなっているのだ。もちろん絶対台数は86のほうが多いがBRZのほうがMT車は見つけやすいともいえる。

 BRZの中古車のグレード構成は、最も多いのが約34.2%の2.0SのMT車。次いで約24.7%の2.0SのAT車。そして2.0RのMT車が約7.2%となっている。ブレンボ製のブレーキを装着したGTは最も少なく、BRZのみに設定されたSTIスポーツのMT車はわずか16台しか中古車が流通していない。

後期型GT。もともと後期型の流通量が少ないうえ、GTやSTIといった上級グレード車は希少車となっている。価格も高いが、見つけたら即買いが必須かもしれない

 それもそのはず、前期型が約240台。一方2016年7月以降の後期型は約87台しか流通していないのだ。86以上に前期型の割合が多くなっているのがBRZでその後期型のみのGTやSTIスポーツは稀少グレードとなっているのだ。

■お手頃なスポーツカーが減る中、今後も安定した価格帯で推移するとみられる

 今後、新型の86/BRZが正式に発表、発売されれば、初代モデルの中古車相場は値落ち傾向となるはず。しかし、お手頃な中古スポーツカーが少なくなっている時代なので、100万円以下のお手頃な価格の中古車はすぐに市場から姿を消してしまうはず。

新型の登場で若干の値動きはあるものの、今後も安定した価格で推移するものと思われる。手の届く価格で購入可能な貴重なFRスポーツ車として、これからも愛されるクルマとなるだろう

 そのため、50万円を切った86/BRZの中古車は早々出回らないと考えている。フルモデルチェンジを行ったとしても、低価格帯の中古車の値動きは少なめで、高額車の値落ちが進む可能性が高いと思っている。

 したがって86/BRZの中古車を買うなら、 夏、秋に予定されている新型の発表後が最初の狙い目のタイミングといえるだろう。

【画像ギャラリー】希少なFRスポーツ初代「86」&「BRZ」写真集

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