■罰金としての支払い義務はなくても損害賠償の対象になる可能性も!
コンビニや月極駐車場の看板に「無断駐車、罰金5万円」という注意喚起が掲示されていることがあります。これらの所有者による独自ルールには、どこまで強制力があるのでしょうか。
一般的に罰金とは、「刑事事件」における刑罰であり、国家が科すもので一般人が科すことはできません。法律に抵触するような罪を犯している刑事事件でない限り、私有地でのトラブルは「民事事件」に該当するため、そもそも罰金は発生しません。
その代わり、民事事件では「損害賠償」が適用されます。無断駐車などの迷惑行為による損害賠償について、民法第709条に以下の記載があります。
「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」
この規定から、無断駐車は他人が所有する土地を占有する行為であり、損害を与える不法行為とみなされるため、損害賠償金の支払いを命じられる可能性があります。
コンビニ駐車場の場合は、買い物をするための短時間利用が設置の趣旨であるため、その趣旨に反する利用時間であれば民事上の不法行為に該当するとされています。
また、月極駐車場では、無断駐車した人物と駐車場の貸主だけでなく、駐車場の「借主」も関わる場合があり、関与する人間が多くなれば、それだけ事件は複雑化し、賠償金も高額となる可能性があるのです。
貸主は、借主に対して駐車場を提供する義務があるため、無断駐車によりその義務を果たすことができなかった場合、借主から損害賠償を請求される可能性があります。
そうなれば、貸主はその原因である無断駐車をおこなった人物に対し、損害賠償請求することになり、弁護士に依頼した場合は、その料金も賠償金に含まれるため、賠償金は増額する傾向にあるようです。
■賠償金額はどのように算出される?
では、損害賠償金額はどうようにして算出されるのでしょうか。
前述の通り、張り紙などに記載された金額は土地所有者の個人的な想いであるため、実際にその金額を支払う必要はありません。別途、賠償金額が計算されることになります。
裁判事例によると、まず基準となる金額を算出し、その基準額の2倍から3倍(迷惑料を含む)が賠償額となるのが通例です。
基準額は、コンビニの駐車場であれば近隣のコインパーキングなどの利用料金、月極駐車場であれば1か月の駐車料金の日割り金額などを参考に算出されます。
一見、大した金額にならないようにも思えますが、場所や事情によっては短時間でも賠償金が高額になる場合もあります。
例として、「お店の前に無断で駐車し、配送のトラックが停められず商品の販売が滞ってしまった」といった場合は、本来あったはずの売上も賠償金に加味される可能性があるようです。
また、無断駐車が長期間に渡った場合、累積金額は高額となる可能性があり、極端な例では、大阪府茨木市にあるコンビニの駐車場を1年半ほど無断で利用していた男性に対し、駐車料金に弁護士費用と慰謝料を加えて、合計でおよそ920万円もの請求が認められる事例がありました。
※ ※ ※
コンビニの駐車場や月極駐車場以外では、マンションや一軒家の駐車場に無断駐車した場合、刑法第130条の住居侵入罪が適用される可能性もあり、刑罰の対象にもなり得ます。
また、万が一に無断駐車したことで土地所有者と揉めてしまった場合には、お金だけでなく時間や労力も浪費することも考えられるので、違法駐車せず近隣のコインパーキングなどを利用するのが得策です。
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