WTCR世界ツーリングカー・カップの後継シリーズとして、今季より創設される新生TCRワールドツアーに向け、従来モデル同様にイタリアJASモータースポーツが開発を主導した新型モデル『FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR』の参戦が決定。WTCRでもFK8型でホンダ陣営を牽引したネストール・ジロラミが、エストニアに拠点を置くALMモータースポーツとのジョイントでFL5型の世界戦デビューを担当する。
すでにリンク&コー・シアン・レーシングが4台体制でのエントリーを表明し、ヒョンデ・モータースポーツのカスタマーレーシング部門も、2台体制で挑むBRCヒョンデN スクアドラ・コルセを支援すると発表。同じくアウディスポーツの“ファクトリー支援”を受けるトップカスタマー、コムトゥユー・レーシングも2台の投入を確約しているTCRワールドツアーだが、これで来週末にポルトガルで開催される開幕戦には、オーストラリアからの刺客たるプジョー308TCRを含む、全10台のエントリーが確認された。
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世界選手権では長年エステバン・グエリエリとともに“アルゼンチン・エクスプレス”を形成してきたジロラミだが、今回のプログラムでは欧州域内のイベントに関してエントリーが確約されたものの、残るその他地域での5戦については「まだ決定されていない」という。
それでも、自らが開発に関与した新型モデルのステアリングを握り「ホンダとの旅を続け、このTCRワールドツアーでプログラムを発表できることを非常に誇りに思っている」と意気込みを述べた。
「こうしてJASモータースポーツを代表して、まったく新しいプログラムで『FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR』を開発し、レースする機会を与えてくれた彼らに非常に感謝している」と語ったジロラミ。
「ご存知のとおり、この新型車は古いモデルにいくつかの改善を加えたもので、走らせた感触からも非常に競争力があると確信している。ALMモータースポーツの専門知識とJASのテクニカルサポートにより、このTCRワールドツアーでも非常に良い結果を達成できると思っているよ」
今回のアナウンスにより、昨季のWTCR最終年度でドライバーズランキング2位を記録した33歳は、今季のTCRワールドツアーに向けJASモータースポーツの「公式レースドライバー」に任命された。
■新型車の初期テスト段階でも不可欠な存在
アレッサンドロ・マリアーニ率いるイタリアン部隊で、このTCRプロジェクトの責任者を務めるマッヅ・フィッシャーは「過去数年間、彼はホンダ・シビック・タイプR TCRのオントラックでの成功に多大な貢献をしてきた」と、改めてジロラミの貢献を称える。
「もちろん、今季デビューする新型車の初期テスト段階でも不可欠な存在であり、カスタマーレーシングの各チームをコース上でサポートするのにとても役立ってくれたんだ」と続けたフィッシャー。
「また、我々の真新しい『FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR』が今季のTCRワールドツアーの一部となり、有望なチームであるALMモータースポーツがヨーロッパのイベントにおいて、ネストールの原動力となることを確認できて興奮している」
「ALMは2018年以来、JASの非常に忠実なパートナーであり、ホンダのチームとして彼らの最初の年に主要なタイトルを獲得した。また一部の開発ドライバーが成長し、キャリアを発展させるための環境を提供する上で非常に重要な役割を担っているんだ」
そのALMモータースポーツは2021年シーズンからTCRイタリアに参戦しており、昨年はエストニア人ドライバーのルーベン・ヴォルト、マティアス・ヴァーテル、アンティ・ランモの3名を擁してシリーズを戦った。
今季も同様にFK8型の3台体制でTCRイタリアに継続参戦することも表明したALMのマルティン・ラウル代表も「我々はJASモータースポーツのカスタマーとなった最初の年からレースとチャンピオンシップに勝ち、協力関係を強化するため一生懸命に働いてきた」と、その提携の成果を強調する。
「より高いレベルの競争にステップアップするたびにパフォーマンスのレベルが向上し、集団の先頭でレースをすることができた。このTCRワールドツアーは、我々がサーキットレースで競う最高レベルのシリーズであり、このプログラムに選ばれたことはチームとしてだけでなく、エストニアのモータースポーツ界にとってもエキサイティングなことだ。(開幕戦の)ポルティマオが待ち遠しいね!」
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F1はエンジン、PUのサプライヤーでしかないのでノーカウント