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車いすからモンスターマシンまで!モンスター田嶋がEVの未来を提案

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車いすからモンスターマシンまで!モンスター田嶋がEVの未来を提案

高齢化などの社会問題を解決するために東京大学と共同開発した電動車プロジェクト

国内外モータースポーツシーンで活躍し、アメリカのパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムで日本人唯一の殿堂入りも果たしている”モンスター田嶋”こと田嶋伸博氏が率いる「タジマEV」が、『東京大学 堀・藤本研究室とタジマEVによる共同研究の成果報告会』を東京大学で開催した。

「NISSAN GT-R NISMO GT3」2018年モデルのメカニズム、「Evolution」で果たした進化とは

タジマEVとは、電動車社会の可能性を追求し普及させるべく立ち上げられた会社で、EVの「ピン」と「キリ」の両方でナンバー1を目指す、としている。ここでいう「ピンとキリ」とは、世界に誇れる最高性能を持つハイパーEVプロジェクトが「ピン」で、低価格で誰でも乗れる便利で身近なモビリティのプロジェクトが「キリ」。今回のこの成果報告会では、身近なモビリティの領域「キリ」から5機種、そしてハイパーEV車両の「ピン」の1機種の概要が発表された。

身近なモビリティの領域の5機種は、さまざまな社会課題を解決することを目指す低価格で高品質な移動手段として提案。国土交通省の提唱する「時速20km未満で走行する新モビリティで、ドアなどを持たず、低速走行のため高齢者ドライバーでも安心して運転ができる」というグリーンスローモビリティ領域では、「E-Runner GSM1」と名付けられた乗客22名を乗せることができるバスを提案した。これは公共交通の廃線によってニーズが高まる買い物困難者の足としての利用を考えたものだ。

そのほか、宅急便などの最終拠点から客の元に商品を届ける物流の最後の区間である「ラスト1マイル問題」を解決する超小型モビリティの領域では2名乗車の「E-Runner MV1(Micro Vehicle)」。ますますニーズが高まる宅配便等のデリバリー、そして移動販売用としても活用できる原付4輪「E-Runner DV1(Delivery Vehicle)」。歩行困難者にも、一人で自由自在に動き回れる、クローラー駆動の電動車いすE-Runner AT1(All Train Wheel Chair)と、車いすのまま乗り込んで運転できる原付4輪「E-Runner LCV1(Life Care Vehicle)」を発表した。

短期間にこのような車両ラインナップを展開できるのは、バッテリーやモーター、インバーターといった主要コンポーネントをモジュール共用化しているため、としている。そして開発期間の短期化による開発費低減が可能となる。また、日産リーフで使用されリサイクルされるバッテリーを活用することで、安全なバッテリーをより低価格で搭載することを可能としている。

最高出力2020馬力!お値段3億円!価格もパワーもハイパーなEVモデル

 タジマEVの技術力を世に発信し、そのブランドをけん引するモデルが、ハイパーEV「Monster E-Runner KODE6」である。フロントに2輪、リアに4輪を配置するこのハイパースポーツEVは、2020馬力を発揮し、0→100km/h加速は1.95秒。車両サイズは全長4850×全幅2100×全高1190(mm)。車両重量は1950kg、乗車定員は2名となる。

この車両の大きな特徴が、シャーシにカーボンモノコックを採用していること。シャーシ内部にバッテリーを搭載。シャーシ前後の断面を開放して、空気を取り込み通すことで、バッテリーを冷却するという。実車両は数週間のうちに完成する予定で、2019年8月にアメリカ・カリフォルニアで開催となるモントレー・カー・ウィーク内で発表するとしている。ちなみに「Monster E-Runner KODE6」の価格は280万ドル(日本円で約3億円)。受注後にオーナーの細かなオーダーに応えるとしているが、予定販売台数は発表されてはいない。

社会問題を解決する低価格の普及モデルと、一品ものに近いスーパーEV、このピンとキリ作戦でEV社会を実現していくタジマEVだが、これ以外にも燃料電池コンバートのバス・トラックについても検討を始めているとも話しており、その今後の動きも要チェックだ。

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