ソチ・オートドロームで行なわれたF1ロシアGPでは、マクラーレンのカルロス・サインツJr.がスタート直後のターン2でクラッシュした。これを受けて、F1ドライバーはターン2の変更を要望しているようだ。
サインツJr.はオープニングラップのターン2をオーバーランした後、指定された退避ルートを走ってコースに再合流しようとしていた。そのためにはエスケープゾーンに設けられたふたつのポリエチレン製ブロックの間を通過し、さらにその先にあるブロックの外側を通る必要があったが、サインツJr.はそこにオーバースピードで突っ込んだ結果、左側のウォールに衝突……マシンに大きなダメージを負い、リタイアとなってしまった。彼はレース後、ターン2のデザインが“あってはならないもの”だと批判していた。
■0周リタイアのサインツJr.、ソチのターン2を猛批判「存在していてはいけないコーナー」
サインツJr.のすぐ後ろの走りながらも、間一髪で巻き添えを回避したのが、ウイリアムズのジョージ・ラッセルだ。彼もコーナー全体のデザインを見直すべきだとして、サインツJr.の意見に同意した。
「第一に、あそこはカレンダーの中でも最悪のコーナーのひとつだと思う」とラッセルは語った。
「第二に、あそこはレースを考えると酷いデザインだと思う」
「実はシーズン序盤にドライバーズブリーフィングで提案したんだけど、コーナーカットを避けて良いレースをするためには、バーレーンのターン1、ターン2みたいに、ほとんどヘアピンのような形にするべきだと思うんだ」
「(ソチのような)90度コーナーだと、3、4台が並んでいる場合に間違いなく何台かは押し出されることになる」
ルノーのダニエル・リカルドも、ターン2の“餌食”となりかけたドライバーだ。彼はターン2をオーバーランした際に正しい退避ルートを通らなかったとして5秒のタイムペナルティを受けたが、後続に対してマージンを作ったため、ポジションを失うことなく5位でフィニッシュした。
「形状が変なんだよね」とリカルドは言う。
「僕の状況を例に挙げると、ロックアップをしていたから『(正しい退避路を通ることは)キツいだろうな』と思っていた。でも形が形だから、最後の最後まで(正しい場所を通れる)希望が持ててしまうんだ」
「でも間違いなく、あの位置からならうまく通過することはできない。5秒以上はロスすることになるだろう。戻ってはいけないポイントがあるんだろうけど、もうそこまで来てしまっていたので『よし、そのまま行くよ。ペナルティになっても文句は言わないから』と言ったんだ」
「正直なところ、ターン2については何人かのドライバーが文句を言っていると思う。オーバーテイクがもっとできるようにして欲しいとか、違う形にして欲しいとか、短いエイペックスをどうにかして欲しいとか、全体的にもっと良くして欲しいと思っているはずだ」
「色々と文句を言う余地はかなりあると思う。だから過去にも話し合ったことがある。そうすれば、コーナーカットとかの問題も解消されるかもしれないからね」
FIAのF1レースディレクターを務めるマイケル・マシは、このターン2を巡る問題について、解決するのが簡単ではないことを認めた。
「ターン2は毎年、様々な方法で(問題解決に)挑戦してきたコーナーだ」とマシは言う。
「ある方法で修正しても、まだ別の問題が出てくる。だから我々は最善の解決策を見つけようとしている。その中で我々は悪くない解決策を見つけたと思っている。今も改善の余地はあるか? もちろん、常に改善の余地はある」
グラベルを使ってマシンをスローダウンさせるという解決策も考えられる。それについて尋ねられたマシはこう答えた。
「何度も言っているように、サーキット、コーナーによって解決策は異なる。グラベルが全てにおける解決策になるわけではない」
「我々が目指してきたことのひとつに、安全かつ効果的な方法で再合流させるということがある。これが第一の目的だった」
「第二の目的は、可能であればそのエリアでマシンを減速させるということだ。しかしながらターン2の性質上、全ての場面に通用する解決策を見つけるのは非常に困難だ。だからこそ我々は調査をして、何ができるかを確認していく」
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