■GR専用車に位置づけられるスポーツカーの“第一弾”
トヨタがデトロイトモーターショーで世界初公開した新型スープラが話題だ。BMWの共同開発により、直列6気筒エンジンという伝統につながるパワートレインを得ることができたスープラは、たしかにヘリテージを感じさせるパッケージやデザインだが、単に懐古主義というわけではない。トヨタの豊田章男社長が常々「クルマというのは工業製品でありながら、数少ない“愛”がつく製品です」と言っているが、まさに『愛車』と呼びたくなるような価値を提案する意思が、新生スープラの商品企画には込められている。
トヨタGRスープラの限定初回モデルは北米で約600万円、4気筒は540万円~
そのヒントは、ニュースリリースの車名表記にあった。うっかり「トヨタ・スープラ」と呼んでしまっているかもしれないが、日本版ニュースリリースの冒頭には『新型スープラは、TOYOTA GAZOO Racingが展開するスポーツカーシリーズ「GR」初のグローバルモデルになります。』と明記されている。さらに欧文表記の車名として『GR Supra』と記している。すなわち、新型スープラはトヨタのモータースポーツやスポーツカー(スポーツコンバージョンモデル)の開発を担う「GRカンパニー」が開発した最初のクルマであり、実際の販売時にも「GR」というブランド名がつけられるというわけだ。
現時点では、新型スープラの日本展開においてGRブランドにするのか、はたまたGRをサブブランドとするのかは未発表だが、WRCやWECにおけるGAZOO Racingの実績や活躍を考えると、モータースポーツに直結したスポーツカーのブランドとして展開することに意味はある。たとえ、新型スープラがBMWとの共同開発だとしてもだ。
その意味では、スープラという懐かしい名前を復活させただけではなく、このニューモデルは「GR」ブランドの世界展開に向けたフックとなるモデルとしての役割が与えられている。現在のトヨタが、モータースポーツに積極的なのは、そこに「愛車」マインドにつながる普遍的な価値があると考えているからだろう。そしてGR(=GAZOO Racing)というブランドを浸透させることで、新たなファン層を獲得するという狙いもあるに違いない。
スープラ復活というインパクトによってGRブランドの世界展開を始めるトヨタ。当然、スープラだけで終わってしまうのではなく、第二弾、第三弾のニューモデルも企画されているはずだ。新車の投入やモータースポーツ活動以外において、カルチャーの領域におけるブランディングなど、トヨタのGRカンパニーが、どのようにトヨタに愛を感じるファン(ロイヤルカスタマー)を育てていくのか興味津々だ。
文:山本晋也
自動車コミュニケータ・コラムニスト
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