■フルバッテリーEVに勝利した再生可能燃料「コンチネンタルGT3」
2021年のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムにおいて、ベントレー「コンチネンタルGT3パイクスピーク」は、タイムアタック1で2位、総合で4位という成績を収めた。
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しかし、今年のパイクスピークのチャレンジは例年と違ってトラブルに見舞われたという。
元「キング・オブ・ザ・マウンテン」のリース・ミレン(ニュージーランド)がドライバーとなり、パイクスピーク山頂の凍結により短縮されたコースを走り、終盤にエンジントラブルに見舞われながらも、6分36秒281でゴールした。このタイムは、フルバッテリーEVを含む、持続可能性を重視した他のすべての参加者を凌ぐものだった。
●コース短縮、そしてマシントラブル……
まず2021年のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは、山頂付近の雪と氷のために、ゴール地点が標高1万2780フィートのデビルズ・プレイグラウンドに変更されてしまった。
そのため、通常のコースの最後の3分の1がカットされたため、残念ながらベントレーのタイムアタック記録達成の野望を叶えることが不可能となってしまった。
しかし、コンチネンタルGT3パイクスピークは、最初の2区間で驚異的なペースを記録し、2位に12秒の差をつけて最終の第3区間に突入。ゴールまでのあと数コーナーのところでブースト圧に問題が発生したために16秒のタイムロスを余儀なくされ、クラス2位に後退してしまうというアクシデントにも見舞われてしまった。
ドライバーである元「キング・オブ・ザ・マウンテン」のリース・ミレンがマークしたタイムは、6分36秒281。このタイムは、フルバッテリーEV車を含む、持続可能性を重視した他のすべての参加車両を凌ぐタイムであった。
●再生可能燃料の最初の一歩
ベントレーのモータースポーツ・ディレクターであるポール・ウィリアムズは、今回のレースを振り返り、次のようにコメントしている。
「途中までは、クラス優勝とタイムアタック1の記録更新の両方を狙えるペースでした。しかし、残念ながら天候に恵まれず、コースが短縮されたことで記録への挑戦は不可能となってしまいました。
苦い経験ではありますが、このイベントで最速となる再生可能燃料で走るレーシングカーを投入できたことと、このプロジェクトを遂行したチームを誇りに思っています。これはベントレーの再生可能燃料の旅の第一歩であり、これからも多くの機会があるでしょう。もしかしたら、来年のパイクスピークに戻ってくるかもしれません。
今回の参加は、ベントレーのカスタマーに真に持続可能な燃料を提供できるようにすることを最終目標とした、長期的な再生可能燃料プログラムの始まりでもあります。
ベントレーは現在、世界をリードする持続可能なラグジュアリーモビリティー企業へと変身するという『ビヨンド100』戦略の実現に向けて邁進しており、2021年のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムプロジェクトは、モータースポーツ部門が持続可能性に新たに焦点を当て始めたことを意味しています。750馬力を超える『コンチネンタルGT3パイクスピーク』は、ベントレー初の再生可能燃料で走るレースカーですが、これが最後の機会ではないでしょう」
* * *
自動車産業はEVへとシフトしつつあるが、既存のクルマに乗り続けるための再生可能燃料にも注目が集まっている。来年のパイクスピークでのベントレーの活躍とともに、市販車への実用化にも期待したいところだ。
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