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出揃った新世代プラットフォーム 日本のクルマの走りはどう変わった?<日産 スバル編>

この記事は2018年9月に有料配信したものを無料公開したものです。
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今回は、日産のプラットフォーム戦略を取り上げることにする。日産は2012年に日産/ルノーの戦略的な提携を前提としたグローバル・プラットフォーム戦略「コモン・モジュール・ファミリー(CMF)」構想を発表している。

フォルクスワーゲンの電気自動車戦略とMEBプラットフォーム


日産/ルノー CMF

日産/ルノーが企画したCMF戦略は、時期的にはフォルクスワーゲンのMQBやトヨタのTNGAなどとほぼ同時期だが、CMFは日産とルノーにまたがる戦略だけに、他メーカーのプラットフォーム戦略とはかなり違っている。

なぜなら日産とルノーはそれぞれが独自のブランドで、車種ラインアップも重なる部分もあるが違う部分も少なくない。だから、これをフォルクスワーゲンのMQBのように横断的に採用するのはけっこう難しいのだ。


そのため日産とルノーはこのプロジェクトに関して相当の時間をかけて検討し、構想を作り上げた。結果的にCMFは、エンジン・コンパートメント、フロント・アンダーボディ、コクピット、リヤ・アンダーボディ、電動化適合モジュールなど、それぞれの要素ごとにモジュール化を目指し、カテゴリーとしてはA、B、C/Dセグメント用に展開できるようにしている。


つまり、共通化したプラットフォームというより、大きなユニットごとに共通モジュール化を図るというもので、他社のものよりフレキシビリティが高いのが特徴といえる。

CMFの第1号は2013年に発売されたC/DセグメントサイズのSUV、エクストレイル/ローグ/キャッシュカイだった。実はこのC/Dセグメントのモジュールは、ルノー・エスパス、ルノー・カジャール、ルノー・メガーヌ、ルノー・セニック、ルノー・グランセニック、ルノー・タリスマン、ルノー・コレオス、ルノー・サムスンSM6、ルノー・サムスンQM6などにも適用され、文字通りのグローバル・プラットフォーム・モジュールとなった。


しかも2017年時点で、ローグ、エクストレイル、キャッシュカイの3モデルだけで138万8000台を販売しており、全モデルでの販売台数はおそらく世界No1だろう。それだけではない、2020年頃には三菱自動車のアウトランダー、エクリプスクロス、RVRもこのモジュールを採用する計画が進んでおり、さらなる大規模化が予想される。

もちろん、このグローバル展開にはプラットフォームのモジュールだけではなく、エンジン/ユニットの共用化も図られている。

CMFは、Aセグメントから用意されており、CMF-Aは新興国向けコンパクトカーのルノー・クウィッド、ダットサンGOなどに採用されている。Bセグメント用はCMF-Vプラットフォームが展開され、マーチ/マイクラ、キックス(中南米、中国向け小型SUV)、ルノー・キャプチャー、ルノー・クリオ(ルーテシア)といった、小型クラスの量販モデルに採用されている。


そして、これらにより日産/ルノーのアライアンスのトータルで、部品購入コストを20~30%削減でき、個々のニューモデルを設計・開発にかかる投資コストは30~40%削減できているという。それに加え、モジュールを共通化したことでグローバル規模でのサプライヤーからの部品購買コストも大幅に削減でき、日産/ルノーのアライアンスを活かした開発の合理化、コスト低減効果はずば抜けているのだ。そして今では三菱自動車もアライアンスに加わり、コスト削減のメリットはさらに拡大する見通しだ。

日産CMFは、多ブランドに展開するという独自の事情に合わせて、フレキシブルなデザインにすることで成功を収めているといえるだろう。

しかし、日産、ルノーはブランドの個性も異なり、展開するマーケットも違うため、他社のプラットフォームのように共通した走りのイメージが全くないのもある意味で特長だ。つまり、ニューモデルの開発過程での熟成はそれぞれのブランドごとに行なわれており、統一性はない。

ルノーはヨーロッパでトップレベルの走りやブランドとデザインにこだわっており、その点に妥協はない。一方で日産はかつてのような走りに対するこだわりや興味が薄れ、ひたすら開発の合理化を進めており、技術や走りオリエンテッドな姿勢から商品企画ありきというスタンスに変貌している。

実際、同じ系列のプラットフォームとはいえ、ルノー・メガーヌと日産エクストレイルに共通する走りのフィロソフィやテイストはまったくない。また、日産はCMFを展開する一方で、電気自動車のリーフやセレナなどモジュール化とは関係のない独自の車種展開を行なっている。これらの車種は部分的にCMFのモジュールを採り入れるはずだが、興味深いところだ。

スバルの場合

さて、ここからはスバルのプラットフォーム戦略を見てみよう。

スバルは他の大メーカーほど多くの車種ラインアップを持っていないが、かつては軽自動車が2種類、Cセグメント用、Cセグメント改(レガシィ/アウトバック)などのプラットフォームを展開し、その一方で古くから工場の同一生産ラインで多車種を組み立てる混流ラインを採用している。


しかし経営の選択・集中のスローガンのもとで、軽自動車は廃止を決定し、C~Dセグメントをカバーできるフレキシブルなモジュラー・プラットフォームの1本化を2012年頃に企画した。

それがスバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)だ。そしてSGPの採用第1号がインプレッサで、その後にXV、アセント(アメリカ生産でアメリカ市場向けのD+セグメントのSUV)、フォレスターが市場に送り出された。今後は、レガシィ/アウトバック、WRXへの適用が計画されている。

SGPは、インプレッサ、フォレスター、レガシィ系のプラットフォームをモジュラー化、フレキシブル・プラッフォーム化するだけではなく、次世代を見据えてハイブリッド化、EV化にも適合できるように構想されている。

ただ、スバルの場合は日本、アメリカでの合計の年間生産台数は100万台規模、2020年でも115万台~130万台レベルの計画なので、トヨタのTNGAや日産のCMFほどの大きなコスト低減効果は期待できない。そのため、SGPはどのような付加価値を与えるかがポイントになる。言い換えればスバル・ブランドにおけるSGPの位置づけはどうなのか、ということだ。


SGPの構想では、第1は衝突安全性のトップランナーになることだ。SGPの登場以前からスバルは、日本、アメリカなどでのNCAPテストでトップレベルの衝突安全性を実証していたが、SGPの投入以後も競合車に比べてより高い衝突安全性能の評価を得ることが求められるのだ。


そのためにはプラットフォーム、ボディの生産段階でのさらなるレベルアップが必要で、すでにアメリカ工場ではBピラーなど重要な骨格部にはテーラーロール・ブランク、つまり可変差厚鋼板材に熱間プレス加工を採用するなど、一段と高い強度の向上も図っている。また、SGP第1号のインプレッサからは歩行者保護エアバッグを全車標準装備化するなど、少なくとも衝突安全性では日本車のリーダーのポジションにあることが求められている。

SGPの第2の目的は、走りの洗練だ。スバルは「動的な質感」と呼んでいるが、操舵に対して遅れのない応答性、より低重心で、ロールやピッチの少ない安定した姿勢、そして室内の静粛性などは、競合する国産車はもちろん、ヨーロッパ車のトップレベルと比肩する走りを実現することだ。

実はこれはブランド戦略とも密接に関連している。スバルはプレミアム・ブランドとなることは目指さないが、その一方で際立った個性や性能を追求し、300万円台の価格帯で500万円台クラスのプレミアムカーに匹敵する走り、性能を実現し、その高い商品競争力によってブランド価値を築き上げようとしている。


そのための第一歩が動的な質感の向上であり、画期的な発想のもとで他社は使用しないような試験機を導入し、質感の高い走りを定量化し、新プラットフォーム、ボディ骨格の剛性の均一性を追求している。その結果、インプレッサ以降のモデルの基本性能は一段と引き上げられた。しかし、もともとの目標であるブランドの確立のために、SGPやボディ骨格の作り、サスペンションの作り込みなど、第2フェーズ、第3フェーズの開発が求められる。


なぜなら、トヨタのTNGAやホンダ・グローバル・プラットフォームを採用したニューモデル群は、いずれもグローバルで通用する、質感の高い走りを実現してきており、スバルのSGPがそれらと同等であったり埋没するようでは目指すブランド価値を構築することはできないからである。

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