■高性能ながら使い勝手もよく中古車が狙い目のクルマを振り返る
動力性能や運動性能が高いクルマといえばスポーツカーです。クルマ好きを自認する人ならば、一度はスポーツカーに乗りたい、または欲しいと願うのではないでしょうか。
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しかし、スポーツカーというと2ドアで2人乗りもしくは4人乗りというのが一般的で、使い勝手よりも走りの性能を重視しているものです。
そのため、後席に人を乗せる機会が多かったり、荷物をたくさん乗せる必要があるというユーザーにとって、スポーツカーは手が出しづらく、かといって複数台を所有できる人ばかりではありません。
そこで、ちょっと前まで販売されていた使い勝手が良い高性能車で、しかも中古車が狙い目なモデルを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「ジューク NISMO/NISMO RS」
現在、日産がラインナップするSUVはピュアEVの「アリア」、ミドルクラスの「エクストレイル」、そしてコンパクトモデルの「キックス」の3車種ですが、このキックスの前身にあたるモデルが2019年まで販売されていた「ジューク」です。
ジュークは2010年に登場したクロスオーバーSUVで、全長4135mm×全幅1765mm×全高1565mmとコンパクトなボディは、有機的なフロントフェイスや、複雑な曲面で構成されたグラマラスなフォルムが特徴でした。
グレードは搭載するエンジンによって大きく2タイプに分けられ、最高出力114馬力の1.5リッター直列4気筒自然吸気の「15RX」系と、190馬力を誇る1.6リッター直列4気筒ターボの「16GT」系を設定。
そして2013年に、16GT系をベースにした高性能4WDモデルの「ジューク NISMO」が登場し、エンジンは最高出力200馬力にまでパワーアップされ、足まわりを強化、外観も専用のエアロパーツが装着されていました。
さらに2014年には、ジューク NISMOをベースに、さらにパフォーマンスアップが図られた「ジューク NISMO RS」がデビュー。
1.6リッターターボエンジンの最高出力は214馬力まで向上し、トランスミッションはパドルシフトによる8速マニュアルモード付CVTが組み合わされました。
シャシまわりも専用のチューニングが施され、ボディ剛性の向上と、ブレーキはフロントブレーキローター径を拡大し、リアにもベンチレーテッドディスク装備。
内装ではレカロ製シートに、NISMO RS専用の240km/hスケールのスピードメーターが装着されるなど、高性能車にふさわしいアイテムが採用され、スポーティな内装によってドライバーに高揚感をもたらしました。
ジュークは一定の人気を獲得しましたが、前述のとおり2019年に国内向けの生産を終了。欧州では今も2代目が販売されています。
現在、ジューク NISMO/NISMO RSの中古車は、高年式のモデルでも150万円から200万円の価格帯で販売されています。
●スバル「エクシーガ」
スバルは2008年に、ステーションワゴンタイプの3列シートミニバン「エクシーガ」を発売しました。
コンポーネンツの多くは「BP型 レガシィ ツーリングワゴン」から流用して開発され、外観デザインは背が高めのレガシィ ツーリングワゴンというスタイリングですが、腰高な印象はなく、シャープなフロントフェイスから見た目にも走りの良さを予感させるものでした。
内装は、3列目シートでも大人がしっかりと座れるスペースを確保し、1列目、2列目、3列目と着座位置が徐々に高くなる「シアターシートレイアウト」を採用したことで、後席でも視覚的に圧迫感を感じることのない設計となっていました。
エンジンはトップグレードの「2.0GT」系に最高出力225馬力を誇る2リッター水平対向4気筒ターボ、ベーシックグレードには148馬力の2リッター自然吸気を搭載。2009年には170馬力の2.5リッターの自然吸気エンジンが追加されました。
駆動方式はFFとフルタイム4WDが設定され、トランスミッションはターボ車が5速AT、2リッターNA車が4速AT、2.5リッター車はCVTの「リニアトロニック」を設定。
足まわりはフロントがストラット、リアが「インプレッサ」や「フォレスター」に採用されていたダブルウィッシュボーンをベースにエクシーガ専用に開発され、優れた走行安定性と乗り心地を両立していました。
その後2015年に、エクシーガはSUVテイストの内外装とした「エクシーガ クロスオーバー7」へバトンタッチするとターボエンジンが廃止となり、2018年に生産を終了。スバルの3列シート車は国内市場から姿を消しました。
現在、エクシーガ 2.0GTはクルマの性格上、低走行の中古物件は少ないのですが、その数少ない低走行車でも150万円前後から入手可能です。
●三菱「ギャランフォルティス スポーツバック ラリーアート」
かつて、三菱の高性能車を代表する存在だったのが「ランサーエボリューション」シリーズです。超高性能な4ドアスポーツセダンで使い勝手も良好でしたが、今やうかつには手が出せないほど価格が高騰してしまいました。
そこで、狙い目なのが2007年に発売された「ギャランフォルティス」で、ランサーエボリューションXのベース車という基本性能の高さは折り紙付きです。
このギャランフォルティスは当初4ドアセダンのみでしたが、2008年に5ドアハッチバックの「ギャランフォルティス スポーツバック」が加わりました。
フロントセクションとキャビンはセダンから踏襲され、後部をなだらかに傾斜したハッチバックとすることで、スポーツバックの名にふさわしいスタイリッシュなフォルムと、優れたユーティリティを実現。
内装もセダンと共通で、スポーティなデザインのインパネまわりと余裕ある室内空間が特徴でした。
そして、高性能グレードとして「ギャランフォルティス スポーツバック ラリーアート」も設定され、エンジンは最高出力240馬力を発揮する2リッター直列4気筒ターボで、トランスミッションはツインクラッチSST(6速DCT)が組み合わされ、駆動方式はフロントヘリカルLSD+「ACD」(アクティブセンターディファレンシャル)+リア機械式LSDで構成される、3つの走行モードを選択可能としたフルタイム4WDシステムを採用。
パワートレインは、まさにランサーエボリューションXのデチューン版という仕様でした。
ギャランフォルティス スポーツバック ラリーアートは高性能で実用性が高く、スタイリッシュなデザインも好評でしたが、三菱の業績悪化から車種整理が進んだことで、セダンとともに2015年に生産を終了しました。
現在、ラリーアート仕様の中古車は物件数が少ないのですが、価格は150万円台が中心で、スペックからするとかなりお買い得といえるでしょう。
※ ※ ※
最後に紹介したギャランフォルティス スポーツバック ラリーアートは、三菱の高性能グレードであるラリーアート仕様の最後のモデルでした。
三菱のモータースポーツ活動を担う100%子会社として1984年に設立されたラリーアートですが、実質的な活動は2010年には終了しており、近年はブランドも消滅した状態でした。
ところが2021年5月に、三菱はラリーアートブランドの復活を宣言。純正アクセサリーの開発からスタートし、将来的にはモータースポーツへの関与も検討しているといいますから、ラリーアートチューンの高性能仕様復活も大いに期待されます。
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みんなのコメント
面白いエンジンあっても積ませる車がないという
ギャランフォルティスもなんでMT載せなかったんかな
せっかくMTのグレードもあったのに