「あの車がほしい」という時の、“あの車”が指すのは往々にして「車種」のこと。でも、車を買う際は「グレード」を決めなければならない。そして、グレード選び次第で、買いたい車種の上級グレードと1クラス上の車種の標準グレードの値段がほぼ変わらないといったケースも多々ある。本記事では、そうしたなかでも特に「1クラス上が魅力的」な4つの例を解説。1クラス上を選択肢のひとつと考えれば、同じ予算でも車選びの幅はグンと広がる。
文:永田恵一/写真:編集部
なぜスズキは日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲れない!? その理由に現役選行委員が迫ります
プリウス買うならマークX、スペーシアならソリオも射程圏内
■プリウス Aツーリングセレクション(292万6800円) VS マークX 250G(291万6000円)
先代プリウスの弱点だった乗り心地とハンドリングに代表される車としての質や安全装備の弱さを改善した現行プリウスは、完全無欠に近い存在かもしれない。
だが、現行プリウスも好みが大きく分かれそうというより好きな人は少ないと思われるスタイル、リヤシートが広くない点や乗降性の悪さ、買い得感のない価格など、破れ目も多い。だからこそ、十分売れているけど、先代プリウスのような爆発的大ヒットとまではならないのもよく分かる。
一方、マークXは実用燃費がプリウスの25km/Lに対し10km/L程度しか走らない、安全装備では斜め後方を監視し進路変更の際の事故防止に絶大な効果を持つブラインドスポットモニターの設定がない、先行車追従型のクルーズコントロールが停止まで対応するプリウスに対し約40km/hで解除されてしまうといった弱みはある。
しかし、ボディが大きいだけに室内は広く、何よりも重厚かつシューンとスムースに回るV6エンジンを搭載したFR車というプレミアム性を持つセダンが300万円以下というのは車好きにとっては強烈な魅力だ。
といったことを総合すると、特に走行距離が少ない、燃料代は気にしないという人であれば、今後こんな車が300万円以下で買える可能性は非常に低いことも強く加味してマークXを勧める。
◆ ◆ ◆
ちなみに、2018年1月の販売台数はプリウスの9264台に対して、マークXは280台と30倍以上の大差。でも、車の魅力度には少なくとも30倍もの開きはない。マークX、もっと売れていいはず!
トヨタ プリウス/全長×全幅×全高:4540×1760×1470mm、価格帯:247万9091~339万4145円
トヨタ マークX/全長×全幅×全高:4770×1795×1435mm、価格帯:265万6800~385万200円
■ジューク 16GT(242万6760円/FF) VS エクストレイル 20S(240万4080円/4WD)
スペシャリティなコンパクトSUVのジュークにパワフルなエンジンを搭載しているという面では、この車らしいといえばこの車らしいジューク16GTのFF車と、装備は必要最低限ながら4WD+205mmという最低地上高に室内やラゲッジスペースも広いというSUVらしいエクストレイル20Sの対決。
確かに速さや装備といった食事で例えるなら量にあたる部分はジュークが有利だが、当然ながら上の車格の車が有利なドッシリ感や4WDに代表される味とか質はエクストレイルの勝ち。
さらにモデルの新しさや今冬首都圏でも大雪となるのが珍しくなくなりつつあるのも踏まえると、4WDは強烈な魅力であり、この勝負は量より味と質でエクストレイルの勝ちとする。
◆ ◆ ◆
同程度の価格でエクストレイルにも手が届くのは相当魅力的。それでも、個性的なスタイルはジュークの美点。デザインでジュークという選択肢もあり!
日産 ジューク/全長×全幅×全高:4135×1765×1565mm、価格帯:197万5320~280万1520円
日産 エクストレイル/全長×全幅×全高:4690×1820×1740mm、価格帯:219万7800~384万4800円
■スペーシア カスタムハイブリッドXSターボ(178万7400円) VS ソリオ ハイブリッドMX(175万5500円)
最新軽スーパーハイトワゴンのスペーシアで高速道路も使った移動も頻繁にするというならターボ車が欲しいところで、ターボ車は、上記のカスタムの最上級グレードにしか設定されない。
いっぽうのまさにスペーシアの兄貴分的な存在となるソリオは、なんと自動ブレーキ付きの1.2Lマイルドハイブリッドの価格がスペーシアのターボ車より安い。
車自体はスペーシアもソリオもそれぞれが属するジャンルの中で見れば特筆すべき点もなくごく普通であるが、ならばなおさら小型車となるソリオの方が全体的に質(動力性能や乗り心地)、量(スペーシアが乗車定員4人なのに対しソリオは乗車定員5人となる点を含む広さなど)ともに当然ながら上。
さらに自動ブレーキの性能は、レーザーセンサー+単眼カメラのスペーシアを型落ちながらスバルのアイサイトと同じステレオカメラを使うソリオの圧勝だ。
といったことを総合すると「絶対に軽自動車でなければダメ」とか「カスタムボディは譲れない」といった事情がない限り、スペーシアを選ぶという選択はないと思う。
もっと書けば、マイルドハイブリッドやクルーズコントロールが要らないというのであれば、ソリオの1.2Lガソリンには優秀な自動ブレーキや両側自動ドアまで着いて165万4560円の特別仕様車「Sセレクション」まで設定されているのだ!
◆ ◆ ◆
ほぼ同じ価格でも、軽のスペーシアには維持費が安いメリットも! ただ、それを差し引いても軽自動車で180万円級は「う~ん」という価格。ちなみに200万円超のグレードもあります。。。
スズキ スペーシア/全長×全幅×全高:3395×1475×1785mm、価格帯:127万4400~204万8760円
スズキ ソリオ/全長×全幅×全高:3710×1625×1745mm、価格帯:145万4760~218万7000円
【番外編】SUVならこんな“ひとクラス上”の選択も存在
■クロスビー ハイブリッドMZ(214万5960円/4WD) VS XV 1.6iアイサイト(213万8400円)
クロスオーバーSUVというカテゴリーこそ同じものの、1クラスどころか1.5クラスは違う挙げ句、僅かながら格上の方が安いという驚くべき現象となっているこの2台。
量にあたるLEDヘッドライトや革巻きハンドルくらいの装備内容の差と動力性能こそクロスビーが有利。しかし、質を見るとXVはアイサイトや歩行者保護エアバッグに始まり、ブラインドスポットモニタリングが付けられないくらいでテンコ盛りの安全装備や強力な4WDシステムを持つなど、話にならず。
ランニングコストの制限や「大きいクルマは困る」といった事情がない限りXVを選ぶべきだ。
スズキ クロスビー/3760×1670×1705mm、価格帯:176万5800~223万4520円
スバル XV/4465×1800×1550mm、価格帯:213万8400~267万8400円
◆ ◆ ◆
車を選ぶ際には自分の使い方や好みに合うことが一番大事だが、値段が同等なら車格が上の車のメリットもそれなりにあるものだ。「これが本命」という車種があるケースが多いと思うが、「その予算ならこんなクルマも買えるんだあ」という軽い気持ちでいいので、同じような予算で買える車を探すだけでも、より自分に合った車に巡り合える可能性が高まるのではないだろうか。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
全長4.1m級の日産「超“コンパクト”GT-R」!? 600馬力の「V6ツインターボ」搭載! 5000万円超えで「市販化」しちゃったヤバすぎモデルとは
600馬力! プーチン大統領の「すごい高級車」登場! 約7トンの「巨大ボディ」に驚きの声も! 金正恩氏に贈られた“超高級車”「アウルス セナート」に反響!
バス会社「待合室が落ち込んだので閉鎖中です」衝撃投稿に反響多数!? 「えらいこっちゃ」「北海道は異世界」バス停の無惨な風景が話題に
5速MT搭載! スズキが「大きなワゴンR」実車展示!「軽自動車」超えたビッグサイズに「最新技術」採用したニューモデルに反響あり!
【ファイヤー!!!】復活は100%ありえないだろう・・・5億円超のケーニグセグ ジェスコが全焼&全損!無残な姿に・・・
“鏡”タイプの「ルームミラー」は時代遅れ!? カメラで後方を映す「デジタルミラー」なぜ人気なのか? 理由と装着時の「注意点」とは
車検の更新、「2か月前」からに拡大 2025年4月から変更 国土交通省
約160万円! ホンダ「最小&最安コンパクトカー」が人気スギ!? 全長4m以下でMTありの「爆売れ国民車」記録更新! 精悍顔の「ブリオ」インドネシアで好調
ホンダの「V型10気筒エンジン」搭載スーパーカー!「“NSX”後継車」指名された本気の「超ロングノーズ」モデルに反響あり!
フェラーリ初のSUV「プロサングエ」買うなら年収はいくら必要? 価格未公表の「超人気モデル」を手に入れるために“お金よりも必要なもの”とは?
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?