■もはや絶滅危惧? 100万円台で購入できる国産MT車とは
クルマの変速機には、シフトレバーとクラッチペダルを合わせて操作するMT(マニュアルトランスミッション)と、AT(オートマチックトランスミッション)があります。1980年代の中盤までは、軽自動車や輸入車を除くそれぞれの販売比率は各50%程度でしたが、その後はAT比率が高まりました。
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いまでは乗用車の販売総数のうち、約98%くらいがAT車です。しかし、国産メーカーのなかでマツダやスズキは、以前からラインナップモデルの多くにMT車を設定していたほか、最近ではトヨタでもMT車をラインナップするなど、徐々にMT車の割合が盛り返しつつあります。
従来から軽自動車にMT車が設定されていることが多かったのですが、今回は軽自動車を除いた100万円台で購入できる国産MT車を3台紹介します。
●スズキ「スイフトスポーツ」187万円
スズキの「スイフトスポーツ」は3ナンバー化した専用のボディと足回り、ブレーキにエンジンと、「スイフト」をベースに別物に仕立てられているコンパクトスポーツです。
先代までは1.6リッターの自然吸気エンジンでしたが、現行モデルでは1.4リッターの直噴ターボエンジンに置き換えられて、これに6速MTが組み合わされます。
注目ポイントはボディの軽さです。車重は970kgしかなく、馬力あたりの重量は6.9kg(970÷140)と、立派なスポーツカー並となっており、そこに最高出力140馬力が合わさってパワフルな走りを体感できます。
これほど軽いと「走る・曲がる・止まる」というクルマの運動性能すべてに好影響があります。また軽いことは低燃費にも大きく貢献します。
スポーツドライビングをこなしながら、コンパクトカーとしての実用性も兼ね備え、しかも6速MTが用意されていて、MTファンには理想的な1台かもしれません。
また、スズキでは2018年に20年ぶりにフルモデルチェンジを遂げた「ジムニーシエラ(4WD/5速MT)」のJL/JCグレードもともに100万円台から購入可能です。
●マツダ「マツダ 15S」157万3000円
マツダの登録車ラインナップでは「CX-8」を除いたモデルすべてにMT車が用意されています。そのなかで100万円台で購入できるのが「マツダ2」の15S/15S PROACTIVE/15S PROACTIVE S Packageという3つのグレードです。
マツダ2は、2019年7月18日のマイナーチェンジを機に日本名の「デミオ」から海外で使用されているマツダ2という車名に変更されました。
パワートレインは、1.5リッターガソリンエンジン(最高出力110馬力)と1.5リッターディーゼルエンジン(最高出力105馬力)の2種類です。ともに、2WD/4WDの設定があり、MT車は2WDとなります。
また、マツダ2には以前からモータースポーツを楽しむベース車として、15MBというモデルも存在。パワートレインは、1.5リッターガソリンエンジン(最高出力116馬力)に6速MTを組み合わせた仕様です。
●日産「マーチ NISMO S」184万2480円
日産「マーチ」は歴代モデルすべてにMT車がラインナップされていましたが、現行モデル(K13型)では全車CVTとなっています。しかし、2013年に追加された「NISMO S」で待望の5速MT車が登場しました。
マーチ NISMO Sは、専用の1.5リッター自然吸気エンジン(最高出力116馬力)が搭載され、重量1010kgのボディには十分なパワーとなっています。
また、ボディ各部の補強と、専用にチューニングされたサスペンションやパワーステアリング、エアロパーツなどが装備されるなど、NISMOの名に恥じない内容です。
内装にもスポーツシートや、本革とアルカンターラを組み合わせた小径なハンドル、ほかにも随所に赤色をアクセントに取り入れてスポーティな雰囲気を演出しています。
※ ※ ※
今回は、消費税が10%になったあとでも100万円台で購入できるモデルを紹介しました。増税前であれば、ホンダ「フィット」のRS・Honda SENSINGという2WDの6速MT仕様も存在しましたが、2019年12月現在では208万8900円となっています。
また、輸入車ではルノー「トゥインゴ」の6速MT仕様がありましたが、現在の国内ラインナップでは一旦無くなりました。
軽自動車よりもパワフルで実用性があり、MTの操作感覚を味わえる100万円台のモデルは車両価格や消費税の引き上げなどにより、少なくなりつつありますが、まだまだ生き残っているようです。
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なんとかバージョンとか限定とか出さずにこのまま買いやすい価格を維持してほしい。
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