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あのIS Fがついに復活? 472馬力の5LV8モンスター レクサスIS500が日本発売!?

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あのIS Fがついに復活? 472馬力の5LV8モンスター レクサスIS500が日本発売!?

 トヨタが2021年9月20日、日本の特許庁に「レクサス IS500」を商標登録した。V8自然吸気エンジンを積んだIS500は、アメリカではすでに2021年2月に発表、3月から発売されており、導入そのものはそれほど難しいものではないかもしれない。

 5L、V8といえば、かつてのレクサスIS Fを思い起こさせる。BMW M3やAMG C63、アウディRS4などと肩を並べることができる大排気量の自然吸気エンジンを搭載したハイパフォーマンススポーツセダンの日本導入はあるのだろうか、真相を追う!

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文/柳川洋、写真/トヨタ

[gallink]

■レクサスIS Fを思い起こさせる「レクサスIS500」が日本で商標登録された

 2021年9月20日、特許庁にトヨタから一件の商標登録が出願された。「LEXUS IS500」。この商品名を、トヨタ自動車株式会社以外使えないように登録する手続きだ。

巨大なV8エンジンを鼻先に押し込んだことで通常のISよりもエンジンフードが5cm弱盛り上がり、パワーバルジの様にデザインされているのがわかる。かつてのIS Fもそうだった

 これまでISシリーズを販売してきているレクサスであっても、他人に先に商標登録されてしまったら、「IS500」という商品名を使えなくなってしまう。そのため「守り」を目的に商標登録した可能性もある。

特許庁の商標登録画面を検索すれば2021年9月20日に「レクサスIS500」が商標登録されていることが確認できる。現状IS350までしか存在しないため、更なる上級モデルが追加になるという構図だ

007年10月に発表、12月から販売開始されたIS F。当時、新車時の車両本体価格は766万円。IS Fに搭載されているパワートレインは新開発の5L、V型8気筒自然吸気エンジン。筒内直接噴射とポート噴射を併用するD-4Sや電動連続可変バブルタイミング(VVT-iE)などの先進技術を採用し、最高出力423ps、最大トルク505Nmを発生

 だが、北米では今年3月から、現行ISの高性能バージョンである5L自然吸気V8エンジンを搭載したIS500が発売されている。それを考えると、クルマ好きの一人としては、IS500の商標登録の目的はただ「守り」のためではなく、実際に日本導入が検討されているのではと考えてみたくもなる。

■IS500とはどのようなクルマなのか?

バックミラー越しではマイチェン後のISとさして変わらない。とても472psのV8エンジンを積んでいるとはわからない控えめな外観を持つ、まさに令和の羊の皮を被った狼となる!?

 では、北米ですでに導入済みのIS500とはどのようなクルマなのか、簡単におさらいしてみよう。北米専用車として2021年3月に発売が開始されたIS500のベースモデル、 Fスポーツパフォーマンスは、最大出力472ps/7200rpm、最大トルク535Nm/4800rpmを発生する自然吸気V8エンジンを搭載。

2UR-GSE型V型8気筒、5Lエンジンにスポーツダイレクトシフト8速ATが組み合わさる。コンパクトなISに搭載されるとエンジンルームいっぱいに巨大なV8エンジンが収まっている印象だ

 トランスミッションは、8速スポーツダイレクトシフトAT。エキゾーストシステムは、かつてのIS Fと同様、ハの字型にレイアウトされた左右2本ずつ4本出しで、ヤマハ製のリアパフォーマンスダンパー、14インチの2ピースアルミフロントブレーキローター、12.7インチのリアローターが奢られ、0→60mph(約97km/h)加速は4.4秒とされている。

ハの字型に並ぶ楕円形のエクゾーストテールはレクサスIS Fを彷彿とさせるものだ。しかしそのほかはいたってシンプルで他のISとの違いは最小限に見える

IS500の原型となった、ハの字型に並ぶIS Fの4本出しマフラー。IS Fは専用のブリスターフェンダーを装備。IS500より「F」仕様としての特別感があった

 V8エンジンを鼻先に収めるため、エンジンフードは通常のISよりもおよそ5センチ盛り上げられ、全長は1.9インチ(4.75cm)長くなっている。だが全高、ホイールベース、全幅は通常のISと変わらない。

 またレクサスのラインアップの中での位置付けとしては、FスポーツのラインとRC Fのような「Fカー」の中間に位置するFスポーツパフォーマンスというラインの一番初めの車種となる。

F SportのFは富士スピードウェイ、開発拠点である東富士研究所に由来する。レクサスブランドのカタログモデルにおけるスポーツバージョンの総称として定着した感がある

 アメリカではそもそもV8エンジン、大排気量の自然吸気エンジンの人気が高い。アメリカ人を熱狂させるモータースポーツのオールスターゲームと言っても過言ではない、世界3大耐久レースの一つデイトナ24時間で2006年からレクサスが3連覇を成し遂げた時のエンジンもV8で、アメリカ人にとってアイコニックな意味を持つパワートレインが最新型のISに搭載されたことになる。

 気になるお値段だが、ベースとなるIS500 Fスポーツパフォーマンスは5万6500ドル(約638万円)から、同プレミアムが6万1000ドル(約689万円)から、500台限定の同ローンチエディションは6万7400ドル(約762万円)からとなっている。

 アメリカではIS350 Fスポーツは4万3050ドル(約486万円)からのプライスタグがついているので、IS500のほうが150万円以上高いということになる。

 500台限定のローンチエディションは、控えめなグレーの外装色と19インチのマットブラック塗装の鍛造7スポークBBSホイールが特徴。フロントのブラックアウトされたスピンドルグリルとそれを縁取るブラックステンレスとよくマッチする。アメリカ人が言うところの「Sleeper」、すなわち一見すると地味で超ハイパフォーマンスカーには見えない、羊の皮を被った狼というやつである。そしてシフトレバーの前方には限定500台のうちの何台目かを示すシリアルナンバー入りのプレートが貼られる。

全米で500台限定のIS500 Fスポーツパフォーマンス・ローンチエディション。ブラックアウトされたスピンドルグリルと19インチホイールがさらなる精悍さをもたらす

北米で発売されたIS500のローンチエディションは500台限定。シフトレバーの前には
500台限定である事を示すシリアルナンバー入りのプレートが装着される!

 IS500のプロモーション動画(もちろんアメリカ向け)をいくつか見てみた。肉食獣が唸り声を上げたような低いエンジン音が強調され、急激に吹け上がるエンジンが5000回転を超えたところでタコメーターの外周が一気にオレンジ色に染まり、そのままレッドゾーンの7500回転を目指して勢いよくメーターの針が右に振り切れるかのように動く。見ているだけでアドレナリンが出てきそうだ。

 「電動化の流れにより車からエモーションが失われていくかもしれないなかで、アメリカ人が大好きなV8自然吸気エンジンに乗れるのはもうすぐ最後になるかもしれない」、「現にキャデラックではV8エンジンのクルマは2車種のみになってしまっている」、「だがレクサスは驚くべきことに今回新たにIS500を世に送り出し、IS、LC、GX(日本未導入、ランドクルーザープラドの兄弟車的存在)、LXの4車種でV8エンジン車を提供しているメーカーである」、「V8のエンジンノート、エクゾーストノートを楽しみたいエンスージアストは是非IS500に乗ってみてほしい」というメッセージが強調されていた。

 このクルマの開発担当者クーパー・エリクソン氏は、「電動化の流れのなかでクルマからエモーションが失われるかもしれないという懸念があるが、このクルマの開発にあたっては情熱(passion)と熱意(enthusiasm)を強調したかった」と述べている。

■レクサスIS500の日本導入可能性は?

北米で500台限定販売されたIS500 Fスポーツパフォーマンス・ローンチエディション。日本にも是非早期導入を検討して欲しい!!

 都内にあるレクサスディーラーを訪問し、IS500の日本導入の可能性について、ズバリ聞いてみた。さすがレクサス、予約の時間にクルマで乗り付けると、上等な生地で仕立てたネイビーのストライプのスーツに綿の白いシャツ、控えめで上品なチャコールグレーのネクタイをした、ハンサムで背の高い、仕事ができる営業マンを絵に描いたような男性が颯爽と出てきて、筆者の愛車をパーキングスペースに誘導してくれた。

 スポーツセダンに興味があってISの話を聞きたい、海外ではIS500がすでに導入されているようなので日本導入の可能性も教えてください、とアポイントを取るときにお伝えしたので、導入の方向性やタイミングについても事前に確認を取ってくれていた。

 結論から言うと「IS500が日本に導入されるかどうかは、現時点ではまだディーラーサイドには何の情報も来ておらず、したがってタイミングもわからない」とのこと。

 だが「2月の恒例の全社ミーティングで当年中にローンチされる新型車の発表があるが、2022年は2車種が新規に発売されると言われており、そのうち1車種は間違いなく2015年以来フルモデルチェンジされていないRXだが、残り1車種はまだ何なのかわからない」とのこと。その残り1車種がIS500になるのか。それともIS500はモデル追加として考えられて、新規車種の数に入っていないのかもしれない。

 とはいえ、日本の特許庁にわざわざIS500の商標登録をするということは、2022年中に発売される可能性は非常に高い。

 IS500の予想価格だが、日本ではIS350 Fスポーツの価格が650万円であること、他社ライバル車やレクサスの他のクルマの価格との関係性を考えると、仮にIS500が日本で発売されるとすると、おそらく800万円台半ばから900万円台のお値段になることが予想される。

■日本人にとってのIS Fとは

IS Fはドイツ御三家のスポーツセダンイーターとして開発。サーキットで鍛え上げられた足回りの素性はすばらしく、最高にファンなハンドリングだった

 思い起こせば2007年12月、当時のISシリーズから派生した超ハイパフォーマンス4ドアスポーツセダン、レクサスIS Fの発売が開始された。

 トヨタとヤマハによって共同開発されたエンジンが搭載され、最大出力423ps、最大トルク505Nmを発生。全く同じ月に日産R35GT-Rも発売が開始となった。

 片や4ドアセダン、片や2ドアクーペと違いはあれど、両車とも当時の自主規制だった上限280ps、180km/hでのリミッター作動を乗り越えた、日本の自動車史に残る特別なクルマとなった。

 2000年代半ばから後半まで、トヨタのモータースポーツでの活躍が目立ち、まさにその頃登場したレクサスIS Fはレーストラックからのフィードバックが活かされたクルマとして注目が高かった。当時を思い返すと、クルマを取り巻く環境が大きく変わったことに思いを馳せざるを得ない。

 2008年9月の金融危機で急激に経済状況が悪化し、トヨタの連結営業利益が58年ぶりに赤字転落、その後のアクセルペダルが戻らないトラブルにかかわる大規模リコールでトヨタの屋台骨は大きく軋み、レクサスIS FやLFAのような意欲的なクルマを世に送り出し続けることは難しくなった。

 そして2014年にレクサスの誇るスポーツセダンIS Fは1代にしてその歴史を閉じる。後継といわれているのはRC Fだが、2ドアクーペであって4ドアスポーツセダンではない。

 対照的に、ライバルだったBMW M3は、1985年の初登場以来現在に至るまで6代に渡ってスポーツセダンの頂点に立ち続けている。AMGも現在、次世代を見据えたC63の後継としてメルセデス・ベンツCクラスをベースとしたダウンサイジングされた4気筒エンジンに電動ターボを備えたパフォーマンスハイブリッドを用意しているといわれている。

 それらの欧州産モンスターセダンに肩を並べられる性能を持つ日本車は、今となってはIS500しかいない。正直簡単ではない注文であることは理解しているが、大人4人がしっかり乗ることのできる走行性能を重視したセダンというカテゴリーの日本での生き残りをかけて、レクサスIS Fの正統な後継車となるIS500が日本でデビューしてくれないかとクルマ好きの一人として祈っている。

日本でもマイチェン後のISの売れ行きは好調に推移している。恐らく北米のみ設定されたIS500を日本にも!というリクエストが多く寄せられているに違いない。是非日本にも早期投入を!!

[gallink]

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みんなのコメント

43件
  • いやあ、今どき5L、V8ですか!
    しかもこれ、日本車で、特にそれほどこれ見よがしでもないエクステリアのボディで乗るってのも、また渋いかもですなあ!

    名実ともに余裕のある大人の方にぜひ。。。
  • いうてももうこんな車は今後売れなくなるからまさに今しかないってところかね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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