エンジンチューンにはいろいろな方法がある
エンジンチューニングとはエンジンを高性能に調整しパワーアップさせることであるが、そのための方法、種類はいろいろある。 吸排気系、ブーストアップ、ECU(エンジンコントロールユニット)の書き替え、ボアアップ、ポート研磨などだ。
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それぞれの方法について特徴や注意点などを知り、チューニングをこなしてゆき”クルマをもっと速くパワフルに乗りたい”そんな思いをクルマに抱いているユーザーも多いだろう。近年のクルマは低燃費を追求するあまり、走りの面で制限が加わることも多く、その思いを強くしているケースも多いのではないだろうか。ノーマル以上のパワー感やレスポンスを引き出すエンジンチューニングについて紹介していこう。
自分だけのパワーと外観を結びつける
とはいってもチューニングの世界はピンキリ。ストリート系からリアルなレーシングマシンまで、チューニング手法やレベルには大きな違いがあり、当然費用もかなりの差がある。ここではあくまでもストリートレベルで手軽に走りをプラスアルファできるというチューニングに主眼を置いて紹介して行くこととした。
まずは導入のハードルが低く、効果も体感できるライトなチューニングメニューから。その筆頭になるのが吸排気系のチューニングだろう。 カスタムパーツとチューニングパーツの橋渡しをしているもののひとつにマフラーがある。
カッコいいテールピースを選ぶことでリアビューが引き締まって見えるのはご存じの通り。しかしマフラーのもうひとつの導入理由はパフォーマンスアップだ。排気系を変更する意味は排気抵抗を低くする、いわゆる抜けの良さの追求がひとつ。
純正マフラーには複雑な取り回しや消音効果などの理由から、走りに特化した排気系にはなっていない。そこでアフターパーツのスポーツマフラーを組み込んで狙い通りの特性を引き出す。
また排気系では触媒の交換もチューニングメニューに入れておくと良いだろう。純正の触媒は大きな排気抵抗になっているので、排気抵抗を減らすことができるメタルキャタライザーなどに交換することで浄化能力をキープしつつ排気抵抗を減らすことができる。
ボンネットに秘めるもの
排気系の交換を行ったら、同時に実施したいのが吸気系のチューニングだ。
吸排気系と呼ばれることも多く、吸気・排気は一対と考えた方が良いだろう。混合気を吸い込む吸気と、燃焼後の排気ガスを排出する排気はつながっているので、双方の効率を高めるのがバランスの取れたチューニングといえるからだ。
吸気系はエアクリーナーの変更がメインメニュー。純正のクリーナーボックスを撤去してキノコ形状などのクリーナーを取り付けるのがドレスアップ的にも効果が高く人気。吸気面積を広げることで吸気効率をアップするのが狙い。 ただし、純正に比べるとメンテナンスや交換サイクルが早くなるのでエンジンルーム内のチェックは定期的に行おう。
時代はコンピューターチューンへ
次にチューニングメニューとしてもてはやされているのがコンピューターチューニングだ。現代のクルマにはECUと呼ばれるコンピューターユニットが多数搭載されている。その中でエンジン関連に関わるECUに対するチューニングでエンジンパワーやレスポンスをアップすることができるのだ。
クルマは吸気した空気量をセンサーで測定してインジェクターからの燃料の噴射量を決めているのがエンジンのベーシックな仕組みだ。燃料の噴出量を変更したり、アクセル開度や走行速度に対する噴射量であるマップの変更、さらにはエンジン回転数の上限であるレブリミットを変更するのがコンピューターチューニングの狙いだ。
パワーアップはもちろん、アクセルレスポンスなどをコントロールできるようになるのだ。 手法としてはECUとエンジンの間にサブコンを割り込ませる方法が手軽。ECUの本来の指令をサブコンで変換して燃料の噴射量などを変えるのが役目だ。しかしECUによる制限もあり調整できる領域が限られていることから、ハイレベルなチューニングでは社外品のECUへの交換や書き換えが行われることもある。
ただしサブコンやECU交換をするだけでいきなりパフォーマンスがアップするわけではない。最適なセッティングはAF計などを用いて走行データを取り、それに合わせたセッティングを行う必要があるのだ。自動的に学習する機能を持ったサブコンなどもあるので、手軽に結果を出したい場合にはチェックすると良いだろう。
ところでクルマにはさまざまなセンサー類が取り付けられている。中でもパーツの追加で手軽にレスポンスを変更できるのがスロットルだ。
スロットルコントローラーと呼ばれるパーツを純正配線に割り込ませるだけで、アクセル開度に対する燃料の噴出力をある程度コントロールできるのだ。アクセルレスポンスの向上には役立ち、なおかつ手軽なメニューなので初心者にも注目だ。
その他、ターボ車であればブースト圧を調整してパワーアップを狙うブーストコントロールも代表的なチューニングメニューだ。EVC(エレクトリックバブルコントローラー)を使って過給圧をコントロールし、狙いのパワーを引き出すのが定番の手法だ。
比較的簡単に実施でき、なおかつ効果も大きいので注目のメニューだ。ただしブーストアップが原因で起こるエンジンの不調、破損なども心配されるので過度なチューニングは避けよう。
ターボ車のチューニングでもうひとつの定番はインタークーラーだ。タービンで圧縮された空気を冷やして空気の密度を高くするのが狙い。空気が多ければ燃焼の力も強くなるからだ。
エンジンの真髄へ踏み込むことも
エンジンチューニングのメニューはその他にも多数ある。エンジンのシリンダー径(ボア)を拡大するボアアップ。オーバーサイズピストンを組み込み、排気量アップが実現できる。ただしシリンダーは限られたサイズなのでボア径をどこまで拡大できるかはベースのエンジンによって決まってくるので要注意。またポート研磨なども定番メニュー。吸排気の流れをスムーズにし、効率を上げることができるのだ。
周辺パーツを使ったチューニングに飽き足りなくなったらエンジン内部のチューニングも実施してみると良いだろう。 純正にはない目の覚めるような走りを実現できるエンジンチューニング。自分に合ったメニューを利用して愛車をもっと魅力的にグレードアップしよう。
ただし、いずれのエンジンチューニングも耐久性や燃費などとトレードオフの関係になることが多い。チューニングしたクルマは純正状態のように乗りっぱなしでは無く、しっかりメンテナンスして付き合っていくことが必要なのは知っておくと良いだろう。
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みんなのコメント
実績のあるチューナーに任せるなら良いが、中途半端な知識でやるとバランスが崩れて壊れやすくなったり、事故の原因になるから要注意。