イベント後は構内専用車として活躍!
現在、リーフやサクラ、アリアといった電気自動車を複数台ラインアップし、今後は次期型リーフに加えてマイクラEVやジュークEVが欧州へ投入されることがアナウンスされている日産自動車は、電気自動車の先駆者として知られている。
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そもそものちに日産と合併するプリンス自動車工業の前身である東京電気自動車は、1947年に世界初の量産電気自動車として「たま電気自動車」をリリースしており、戦後の石油不足のなか、タクシーとして重宝されるモデルとして愛されていた過去がある。
そんな日産は、1960年代からさらなる電気自動車の開発を進めており、1985年の第26回東京モーターショーに「EVガイド/EVリゾート」なるコンセプトカーを出展している。
これは公道走行用のモデルというよりは、電気自動車ならではのクリーンさを活かして工場見学に訪れた人たちを案内するためや、高原のリゾートホテルにおけるホテルとコテージ間の移動をするために供給されることを想定していたものとなっており、EVガイドはルーフレス、EVリゾートはルーフを備えたスタイルだった。
このような使用用途を想定していたこともあって、最高速度は16km/hとなっており、満充電での航続距離は60km(最高速走行時)となっていた。なお、パワートレインはすでに実績のあるバッテリーフォークリフト用のものが転用されている。
なお、ルーフレスのEVガイドはモーターショー後にルーフが装着され、EVガイドIIとして、実際に工場見学に訪れた皇族や国賓を案内するガイドカーとして、長年にわたり大役を務めたほか、EVリゾートは10人乗り仕様としたものが、ヤクルト本社の富士裾野工場の構内車として5台納入された実績が残っているようだ。
写真で見ると背高スタイルで非常に大柄なようにも見えるEVリゾートではあるが、実際のボディサイズは全長4140mm×全幅1660mm×全高1870mmとじつはかなりコンパクトサイズ。これもエンジンなどを搭載しない電気自動車であるという点と、衝突安全性能がそこまで重要視されない構内専用車だったことも影響しているのは間違いない。
まだ当時としては公道で実用に供することができるスペックをもつ電気自動車を量産するのは難しい時代だったと思うが、それなら構内専用車にしてしまえという逆転の発想には感心してしまうほかないだろう。
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