国産車にとって1990年代こそ黄金期
平成も終わりかけた今日からすれば、1990年代も「遠くなりにけり」といったところ。しかし、国産車にとってはまさに1990年代こそ黄金期。その黄金期を彩った名車たちを振り返ってみよう。まずは、国産車のヴィンテージイヤー=1989年にデビューした3台から。近年の国産車最強の当たり年、平成元年(1989年)はまだ90年代とはいえないが、90年代の黄金期は、間違いなく次の3台から始まった。
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1)日産スカイラインGT-R
1989年8月21日、16年ぶりにスカイラインGT-R(R32)が復活。ニュルブルクリンクではポルシェ911ターボのタイムを破り、量産車最速の座を獲得。レースでグループAで宿敵フォード・シェラに圧勝! 名実ともに、ついに国産車が世界のスポーツカーの頂点に立った。国産スポーツのテクノロジーとパフォーマンスは、このR32で一気に10年分進化したといっても過言ではない。以後、1995年にR33GT-R、1999年にR34GT-Rが登場し、まさにこの第二世代のGT-Rこそ、1990年代の主役だった。
2)マツダ・ユーノス・ロードスター
1989年9月1日(国内)発売開始。ライトウエイトスポーツカーの正しい文法に乗って作られた新世代のオープンカーで、世界中の自動車メーカーがロードスターの作った2シーターオープンブームに便乗するほど大きな影響を与えたクルマ。コンセプトと基本パッケージが秀逸なので、30年経っても不朽の名車。
3)トヨタ・セルシオ(初代)
1989年10月9日に発売した、トヨタが初めて作ったグローバルな高級車。“源流主義”で徹底して騒音、振動の源を断ち、ロールスロイスを超える世界一の静粛性を手に入れた。あまりの完成度の高さに、ベンツ、ジャガー、BMWなどが青くなり、世界の高級車の基準を変えたクルマである。海外でのレクサスブランドの一号車(レクサスLS)。
4)ホンダNSX
1990年9月にデビュー。F1で絶頂期だったホンダが、ホンダのフラッグシップとして本格スポーツカーを開発。オールアルミモノコックボディのミッドシップで、アイルトン・セナも開発に加わった。発売当時の車体価格800万円は、当時の国産車の最高額。世界一のハンドリングと評価され、国産車で唯一のスーパーカーと称されていた。
5)マツダRX-7(FD3S)
マツダが誇るピュアスポーツカーとして、ライバルとなるR32GT-R、そしてNSXを横目に見ながら、1991年に登場。フロントミッドシップ+ロータリー+シーケンシャルツインターボ+軽量ボディのFR。そしてイタリアンテイストのルックスと、好きなものにはたまらないパッケージを備えていた。マイナーチェンジのたびに改良がくわえられ、名車の域に達した一台。
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