3~4速までの加速力がポイント!
レスポンス重視のセッティングでもここまでやれる
「リチウムイオンバッテリーって何が良いの?」専門メーカーに話を聞いた
鈴鹿サーキットで2分4秒309という凄まじいタイムを保持している老舗ショップ“ウイングタケオ”のR35GT-R。今回はその速さの質を検証するために、高速周回路での0-1000m加速テストを敢行した。
エンジンは低中速トルク重視の仕様だ。排気量を4.0Lから4.1Lに拡大した上で、タービンをTD06SH-25GからTD06SH-20RXへと敢えてサイズダウン。タービン風量を使い切る方向でセットアップを進めることで、レスポンスを向上させている。最大ブースト圧は1.85キロで1000ps&115kgmというスペックだ。
RH9のチタンマフラーはメイン90φから100φのモデルへと変更し、高出力化に備える。ガソリンは市販ハイオクにレースガスを混ぜて使用している。
サスペンションはクラックス製をベースとしたウイングタケオのオリジナル品。アーム類も前後にトップシークレット製の調整式を投入し、コースに合わせたセッティングを可能としている。
ホイールはエンケイGTC01(FR10.5J+18)で、タイヤにはアドバンA052(285/30-20)を履く。ブレーキはフロントがエンドレスのモノブロック6ポット+APレーシング400mmローター、リヤにはRH9オリジナルの400mmローターを装備する。
シートは運転席がレカロのRS-G、助手席にはSR-7を装備。コクピットにセットされているのは、前後のトルク配分を細かく設定できるネココーポレーションのETSコントローラーだ。
エクステリアはトップシークレットのフルエアロ仕様で、GTウイングはオリジナルのドライカーボン製をセット。基本構成は鈴鹿サーキットアタック時のままで超高速域ではネガ要素にもなるが、これはトラクションを重視した結果の選択だ。
アライメント以外は基本的にサーキット仕様のままで持ち込まれた今回の0-1000mアタック。タービンサイズを含めたセッティングの関係から、3~4速レンジまででいかにタイムを稼げるかがポイントだったが、結果は見事に0-1000m=18秒34、1000m到達速度=321.41km/hという素晴らしい記録を打ち立てたのだ。
排気量もタービンサイズも加速力勝負では不利と思われるエンジンスペックながら、このリザルトは見事。全体的な作り込みを見ると、突出したスペックを与えずにトータルバランスを最重視した仕様であることが分かる。そのバランスこそが、このR35GT-Rの生命線なのかもしれない。
●取材協力:ウイングタケオ 三重県三重郡川越町高松86-1 TEL:059-364-1225
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