ツインモーターで517ps 素直で高精度な走り
アウディのエンジニアは、自社の高性能モデルが宿す圧倒的な動力性能や、視覚的なドラマチックさには自負があるようだ。だが、ステアリングの感触やドライビング体験の一体感で、ライバルへ一歩及ばないという評価があることも認めている。
【画像】これまでと明らかに違う走り アウディSQ6 eトロン・プロト 競合クラスの電動SUV 全132枚
その強みを生んでいたカリスマ的な内燃エンジンは、駆動用モーターとバッテリーへ置き換えられる運命にある。自社が誇る「S」や「RS」の称号を、単なるトリムグレードの1つへ軽んじさせないためには、弱みを克服することが求められる。
アウディは、ブランドのバッテリーEVを牽引する、SQ8 eトロンでその可能性を模索している。それに続く高性能SUV、SQ6 eトロンには、一層の期待が込められているに違いない。
既に試乗レポートをお伝えしているSQ8 eトロンは、フロントアクスルに1基、リアアクスルに2基、合計3基の駆動用モーターを搭載。システム合計で、503psという最高出力を叶えている。
他方、このSQ6 eトロンは一般的なツインモーター。それでも、システム総合での最高出力は517psまで高められている。シンプルな構成のおかげで、前後アクスルで展開されるトルクの制御が容易になり、従来より素直で高精度な走りを引き出したという。
過去のアウディと明らかに違うコーナリング
ドライバーへ強い自信を抱かせるような、優れた操縦性も狙われている。バランスに長けた、一体感の強いドライビング体験にもフォーカスが向けられた。新しいアウディのDNAが組み込まれた、電動SUVといえそうだ。
四輪駆動システムのクワトロは、中速域で積極的に運転している場面では、リア側の駆動用モーターが多くのパワーを生み出すようチューニングされたという。同時に120km/h以上での走行時は、安定していた方が望ましいとも技術者は話す。
その結果、コーナリング時の挙動や脱出加速時の振る舞いは、筆者がこれまで運転してきたアウディとは明らかに違う。今回の試乗車はプロトタイプで、許された速度や時間は限定的だったが、フロントからリアへパワーが推移する様子を体感できた。
コーナー出口ではアクセルペダルの塩梅で、徐々に直進状態へスタンスを調整することも可能になっている。効果的にフロントアクスルを機能させ、鋭い加速へ結び付けられるようだ。
アウディのドライブトレインの技術者は、シャシー担当の技術者と緊密に連携して開発を進めたとか。手のひらを通じて強い一体感をもたらすため、子細に調整を加えたというが、その成果も表れている。
切り始めから、路面とタイヤが接続している粘りのような手応えがあり、知覚的な印象も確かに濃くなっている。特に、ドライブモードをダイナミックにすると。
従来以上に重要性が高い特別感
複数設けられたドライブモードを順に切り替えると、ステアリングホイールの感触が明確に変化していくことも特筆すべき点だろう。若干人工的ではあるものの、重み付けには明確な意図があるように思え好ましい。
ステアリングの反応は、適度にダイレクト。高速道路や悪路で過敏にならないよう、直進状態での遊びは充分に取られているが、カーブが連続する区間でのタイトな反応がうれしくなった。
バッテリーEVだから、走行中の車内は静か。アバルト500eやヒョンデ・アイオニック5 Nのように、内燃エンジンを模した人口サウンドを再生する機能は与えられていない。シリアスに、アウディ・スポーツが高性能な電動SUVを追求した結果のようだ。
内燃エンジン・スポーツカーの特徴を、いかにバッテリーEVへ取り込むか腐心するメーカーは少なくない。SQ6 e-トロンはホットハッチとは異なるとはいえ、どちらが多くの支持を集めるのか興味深い。
アウディ・スポーツのアイデンティティに危機が及んでいる現在、SQ6 eトロンへ施される特別感は、従来以上に重要性が高いはず。もちろん、これまで通り全天候型の性能も特長になり得るだろう。量産仕様への関心は高まるばかりだ。
アウディSQ6 eトロン・プロトタイプのスペック
英国価格:8万2000ポンド(約1476万円/予想)
全長:−mm
全幅:−mm
全高:−mm
最高速度:−km/h(
0-100km/h加速:4.5秒(予想)
航続距離:600km(予想)
電費:−km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:−kg
パワートレイン:非同期モーター(フロント)+永久磁石同期モーター(リア)
駆動用バッテリー:100kWh
急速充電能力:270kW
最高出力:510ps
最大トルク:−kg-m
ギアボックス:シングルスピード(四輪駆動)
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