現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【別世界の静けさ?】ロールス・ロイス初、超高級車こそEVのワケ

ここから本文です

【別世界の静けさ?】ロールス・ロイス初、超高級車こそEVのワケ

掲載 更新
【別世界の静けさ?】ロールス・ロイス初、超高級車こそEVのワケ

ロールス初の市販EV スペクター登場へ

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

【画像】ロールス・ロイス EV開発の歩み【やっぱり別世界】 全38枚

編集:Tetsu Tokunaga(徳永徹)

2021年9月29日。英ロールス・ロイス・モーターカーズは、初の電気自動車による公道試験を間もなく開始すると発表した。

ロールス・ロイス初のバッテリー電気自動車(BEV)の名称は、「スペクター」。今までのロールスにはなかった、まったく新しい名前だ。

「スペクター」とは、偉大なパワーと幻影を持つ別世界の存在に与えられた名称であり、つかの間の姿を通じて存在感を示す“異世界の生き物”の名前だという。

歴代モデルのファントム、ゴースト、レイスといったネーミングにも通じる、力強く、刺激的な名前といえるだろう。

英字表記は「Spectre」となっており、あえてイギリス式の綴りを選んだ。

ロールス・ロイスは、1904年の創業以来、世界最高のクルマを作ってきた。創業者であるチャールズ・ロールズとヘンリー・ロイス卿が創り上げた自動車は、世界中に真のラグジュアリーたる体験を提供し、ロールス・ロイスに究極の頂点という地位をもたらした。

ロールス・ロイスはその後1世紀以上にわたり、最高峰の内燃式エンジンを定義し続けている。

それから117年を経て、ロールス・ロイスは世界的な電気自動車への変革を後押しするため、この種の製品としては初めての、最も洗練された超高級車、「スペクター」の存在を明らかにした。

スペクターは公道走行試験プログラムののち、2023年の第4四半期には最初の車両がデリバリーされる予定だ。

音もなく、匂いもせず、振動もない

ところで、電気モーターの採用はロールス・ロイスにとって新しいコンセプトではない。

ヘンリー・ロイス卿が最初に手がけた事業は、ダイナモや電動クレーン用モーターの開発などであった。

一方、チャールズ・ロールズは1900年に初期の電気自動車「コロンビア」を体験し、音もなく、匂いもせず、振動もないクリーンな乗りものである電気自動車こそが理想の駆動であると公言していた。

ラグジュアリーカーの未来は、EVにあると予言していたのである。

しかし、当時の技術・インフラでは、内燃機関搭載モデルを上回るほどのものは作れず、使いものにはならなかった。

その後、ロールス・ロイスは何度か電動パワートレインの実験を行ってきた。

2011年には完全に運行可能なオール・エレクトリック・ファントム「102EX」を公開し、さらに2016年にはフル・エレクトリックの「103EX」を発表。数十年先の未来に向けたロールス・ロイスのビジョンを明らかにした。

近年は、現CEOが「この10年間のうちに電気自動車を導入する」という“約束事”を、顧客と交わしていたという。

そしていよいよ、スペクターが公道を走り出す。

完全に電動化 2030年までに

スペクターの公道走行試験プログラムは、250万kmもの距離を走行する予定だ。

この距離は、ロールス・ロイスを400年以上使用することを想定した数値であり、世界のあらゆる場所におもむき、この新しいクルマを極限まで追い込むという。

スペクターの車体構造には、ファントムに使われているロールス・ロイス独自のアルミニウム・アーキテクチャーを採用している。

実はこのアーキテクチャーは、発表時から内燃機関搭載モデルだけでなく、全く異なるパワートレインを用いる新型車のベースとしても使えるように製作されていた。

ロールス・ロイスは、2030年までにすべての製品を完全に電動化するという目標を掲げている。

そのときまでに、ロールス・ロイスは内燃機関を搭載する製品の製造・販売から撤退するつもりだという。

スペクターは、静かで洗練された“エレクトリック・ロールス・ロイス”というチャールズ・ロールズの予言を成就させる切り札なのである。

こんな記事も読まれています

カワサキ新型「レトロスポーツモデル」に反響多数!「古き佳き」スタイリングが“現代”に刺さる!? 玄人も注目する“バイクらしさ”を味わえる「W230」とは?
カワサキ新型「レトロスポーツモデル」に反響多数!「古き佳き」スタイリングが“現代”に刺さる!? 玄人も注目する“バイクらしさ”を味わえる「W230」とは?
くるまのニュース
「ジャガー」のブランドロゴが大胆に変更! 英国の名門ブランドはどこに向かう? まもなく登場する“新たなコンセプトカー”とは
「ジャガー」のブランドロゴが大胆に変更! 英国の名門ブランドはどこに向かう? まもなく登場する“新たなコンセプトカー”とは
VAGUE
村民の力で蘇った昭和のボンネットバス! 熊本県・山江村の宝物マロン号がロマンの塊だった
村民の力で蘇った昭和のボンネットバス! 熊本県・山江村の宝物マロン号がロマンの塊だった
WEB CARTOP
本物の贅沢──新型ロールス・ロイス ブラック・バッジ・ゴースト・シリーズII試乗記
本物の贅沢──新型ロールス・ロイス ブラック・バッジ・ゴースト・シリーズII試乗記
GQ JAPAN
道東道直結の“新道”がついに完成! 高速道路開通と同時に国道「8.8kmバイパス」の残り区間が拡幅
道東道直結の“新道”がついに完成! 高速道路開通と同時に国道「8.8kmバイパス」の残り区間が拡幅
乗りものニュース
[サウンドユニット・選択のキモ]メインユニット編…交換する意義を考える!
[サウンドユニット・選択のキモ]メインユニット編…交換する意義を考える!
レスポンス
【F1分析】速いチームがコロコロ変わる。実に難解だったラスベガスGP。鍵はもちろん”タイヤの使い方”だけど……
【F1分析】速いチームがコロコロ変わる。実に難解だったラスベガスGP。鍵はもちろん”タイヤの使い方”だけど……
motorsport.com 日本版
フェルスタッペンが4年連続F1チャンピオンに輝く。メルセデスがワンツー飾る【第22戦決勝レポート】
フェルスタッペンが4年連続F1チャンピオンに輝く。メルセデスがワンツー飾る【第22戦決勝レポート】
AUTOSPORT web
“3、4番手”のマシンでもタイトル獲得。フェルスタッペンの底知れぬ才能にマルコ博士も絶賛「彼の実力だけで勝ったレースが4つほどあった」
“3、4番手”のマシンでもタイトル獲得。フェルスタッペンの底知れぬ才能にマルコ博士も絶賛「彼の実力だけで勝ったレースが4つほどあった」
motorsport.com 日本版
日産「“タフ顔”SUV」がスゴイ! 唯一無二の「ターボエンジン」×センターマフラーが超カッコイイ! めちゃゴツゴツ仕様の「“最新版”エクストレイル」米国カスタムモデルとは
日産「“タフ顔”SUV」がスゴイ! 唯一無二の「ターボエンジン」×センターマフラーが超カッコイイ! めちゃゴツゴツ仕様の「“最新版”エクストレイル」米国カスタムモデルとは
くるまのニュース
ランドローバーから美しいセドナレッドをボディカラーに採用した限定モデル「ディフェンダー110 セドナエディション」が登場
ランドローバーから美しいセドナレッドをボディカラーに採用した限定モデル「ディフェンダー110 セドナエディション」が登場
@DIME
ラリージャパンで完走できなければ、2025年WRC参戦はなかった……勝田貴元が明かす厳命「来年は”勝ちに行っていい”と言われるように」
ラリージャパンで完走できなければ、2025年WRC参戦はなかった……勝田貴元が明かす厳命「来年は”勝ちに行っていい”と言われるように」
motorsport.com 日本版
ブリッツ、『GRヤリス』専用キャンバー調整機能付きフロントピロアッパーマウント発売
ブリッツ、『GRヤリス』専用キャンバー調整機能付きフロントピロアッパーマウント発売
レスポンス
トヨタ、最終日に大逆転で4連覇。ヌービルは悲願の初戴冠【ラリージャパン 最終日レポート】
トヨタ、最終日に大逆転で4連覇。ヌービルは悲願の初戴冠【ラリージャパン 最終日レポート】
AUTOSPORT web
『頭文字D』カラーで日本の峠最速に。グリアジンがWRC2完勝「しげの先生にありがとうと伝えたい」
『頭文字D』カラーで日本の峠最速に。グリアジンがWRC2完勝「しげの先生にありがとうと伝えたい」
AUTOSPORT web
マツダ「RX-8」じゃない斬新「ロータリースポーツカー」がスゴイ! リトラ風“奇抜ヘッドライト”&ガバっと開く“画期的ドア”採用! 謎の「エボルブ」とは?
マツダ「RX-8」じゃない斬新「ロータリースポーツカー」がスゴイ! リトラ風“奇抜ヘッドライト”&ガバっと開く“画期的ドア”採用! 謎の「エボルブ」とは?
くるまのニュース
高性能な「ディフェンダーOCTA」初の一般公開! 盛況のランドローバー公式イベントに“秘密兵器”あり!! 大都市の真ん中で「悪路走行」を満喫
高性能な「ディフェンダーOCTA」初の一般公開! 盛況のランドローバー公式イベントに“秘密兵器”あり!! 大都市の真ん中で「悪路走行」を満喫
VAGUE
【最終結果】2024年WRC第13戦ラリー・ジャパン パワーステージ後
【最終結果】2024年WRC第13戦ラリー・ジャパン パワーステージ後
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

5680.06780.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1398.08680.0万円

中古車を検索
ファントムの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

5680.06780.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1398.08680.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村