現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > F1の”接近戦”をダメにするルールの抜け穴、2026年の新レギュレーションまで対策はなし?

ここから本文です

F1の”接近戦”をダメにするルールの抜け穴、2026年の新レギュレーションまで対策はなし?

掲載
F1の”接近戦”をダメにするルールの抜け穴、2026年の新レギュレーションまで対策はなし?

 各F1チームがマシン開発を進めるにつれ、現行F1マシンの”接近戦性能”は悪化しつつあるが、FIAは2026年にレギュレーションが変更されるまで、特に手を打たないようだ。

 2022年のレギュレーション変更で、F1マシンはグラウンドエフェクトを活用したマシンとなった。新ルールの主な狙いのひとつは、アウトウォッシュと呼ばれる乱気流の影響を最小化することであり、前後ウイングも大きく変更された。これにより後続車両のダウンフォース損失が減り、前のマシンに追従しやすくすることで接近戦やオーバーテイクの促進を目指したのだ。

■チケット即完売の角田裕毅ファンイベント、日本全国から集まった720名が“ぶっちゃけ”トークで盛り上がる

 しかし、各チームが新レギュレーションを理解するにつれて、特にフロントウイングの巧みなデザインによって、アウトウォッシュの特性を最大化しようとする動きが強まっている。

 2023年型マシンが2022年型マシンに比べて追従しにくくなっているのは、こうしたアプローチが影響していると考えられている。

 今年になってから、ライバルから2車身遅れた位置ではダウンフォースが35%失われると見積もられている。これは2022年はロスが20%とされていたため、状況が悪化していることが分かる。

 当初は2025年に向けてルールの調整が検討されていたが、FIAのシングルシーター担当責任者であるニコラス・トンバジスは、この問題を解決するための動きは次のレギュレーションが導入される2026年まで待つことになりそうだと説明している。

「今年、ウェイク(航跡、転じて後方乱気流の意味)は間違いなく悪化した」

「マシン開発が進めば、少しは悪化することはわかっていた。しかしクルマのいくつかのエリアに抜け穴があり、我々はそれを十分素早く塞ぐことができなかった。それによって問題が悪化してしまった」

「フロントウイングのエンドプレートもそのひとつだ。それからホイール周りや、フロントホイールの内側にあるブレーキダクトなどだ」

「次はどうすればいいか、少しは分かったと思う。ただ、ウェイクは2022年と比べると少し悪くなったものの、それでも2021年よりはそれなりに良くなっている」

 トンバジスは、これらの抜け穴を無くすタイミングについて次のように答えた。

「おそらく2026年だろう。予測不可能なことが起こらない限り、2025年に向けて変更するつもりはない」

 昨年から今年にかけて、ダウンフォースの損失は大きくなったものの、トンバジスは今は状況が安定していると考えている。

「来年に向けて、大幅に悪化することはないと思う。フロントウイングのエリアなど、他にダウンフォースを削り取るような抜け穴はないと思うからだ」

「だから来年も似たような状況になると思う。それに、今シーズンの間で状況が悪化したとも思わない。昨年と今年を比較しただけの話だ」

関連タグ

こんな記事も読まれています

モノクロのアルピーヌ A110が登場!? 写真家とコラボ、デザイン際立つ内外装
モノクロのアルピーヌ A110が登場!? 写真家とコラボ、デザイン際立つ内外装
レスポンス
もしもポルシェが「356RSR」を作ったら……を実現しちゃった男がいた! 世界的有名ショップが魔改造した356の完成度がヤバい
もしもポルシェが「356RSR」を作ったら……を実現しちゃった男がいた! 世界的有名ショップが魔改造した356の完成度がヤバい
WEB CARTOP
OEMなのに専用キャラ「ルクラッコ」を使った超力作CMが大ブレイク! なのにクルマ自体は影薄だった「スバル・ルクラ」を憶えてる?
OEMなのに専用キャラ「ルクラッコ」を使った超力作CMが大ブレイク! なのにクルマ自体は影薄だった「スバル・ルクラ」を憶えてる?
WEB CARTOP
スズキの新型「軽“5ドア”SUV」がスゴイ! 広々“タフ”内装×「スライドドア」がめちゃ便利! 「車中泊」も可能な新型スーパーハイトワゴン「スペーシア“ギア”」で寝てみた!
スズキの新型「軽“5ドア”SUV」がスゴイ! 広々“タフ”内装×「スライドドア」がめちゃ便利! 「車中泊」も可能な新型スーパーハイトワゴン「スペーシア“ギア”」で寝てみた!
くるまのニュース
ヒョンデ「アイオニック 5 N」オーナーになるとこんなに「オイシイ」のか! 特別すぎるイベントで見た光景とは
ヒョンデ「アイオニック 5 N」オーナーになるとこんなに「オイシイ」のか! 特別すぎるイベントで見た光景とは
WEB CARTOP
日本市場に復活した韓国ヒョンデと大々的な広告展開を広げている中国BYD。その現状と今後の戦略は?
日本市場に復活した韓国ヒョンデと大々的な広告展開を広げている中国BYD。その現状と今後の戦略は?
LE VOLANT CARSMEET WEB
余った土地に「ヨシ! 急速充電器を設置するか」は現実的? 個人がEVの充電サービスで儲けられるか考えてみた
余った土地に「ヨシ! 急速充電器を設置するか」は現実的? 個人がEVの充電サービスで儲けられるか考えてみた
THE EV TIMES
「ジープ・コマンダー」の限定車「オーバーランド」発売!人気のオプションアイテムを標準装備
「ジープ・コマンダー」の限定車「オーバーランド」発売!人気のオプションアイテムを標準装備
LE VOLANT CARSMEET WEB
「すごい多重事故…」 関越道で一時「トラックなど玉突き衝突」発生! 追越車線が規制で「通過時間70分」の大渋滞 「電車で行くか…」の声も
「すごい多重事故…」 関越道で一時「トラックなど玉突き衝突」発生! 追越車線が規制で「通過時間70分」の大渋滞 「電車で行くか…」の声も
くるまのニュース
大人のレゴ「フェラーリF1」モデル発売へ…MGU-Hが回転するV6エンジンのこだわり
大人のレゴ「フェラーリF1」モデル発売へ…MGU-Hが回転するV6エンジンのこだわり
レスポンス
【比較試乗】街乗りからオフロード走行まで可能な本格オフローダーを比較検証。タフな相棒の戦闘力は?「ランドローバー・ディフェンダー vs トヨタ・ランドクルーザー vs メルセデス・ベンツ Gクラス vs ジープ・ラングラー」
【比較試乗】街乗りからオフロード走行まで可能な本格オフローダーを比較検証。タフな相棒の戦闘力は?「ランドローバー・ディフェンダー vs トヨタ・ランドクルーザー vs メルセデス・ベンツ Gクラス vs ジープ・ラングラー」
LE VOLANT CARSMEET WEB
ディフェンダー、ダカール・ラリーのオフィシャル車両に!2026年からは参戦も予定
ディフェンダー、ダカール・ラリーのオフィシャル車両に!2026年からは参戦も予定
LE VOLANT CARSMEET WEB
KINTO、クラウンをカスタマイズ 別グレードや特別仕様車のホイール購入可能に
KINTO、クラウンをカスタマイズ 別グレードや特別仕様車のホイール購入可能に
日刊自動車新聞
約537万円! スバルが「“新”オフロードSUV」発表! 地上高アップで悪路性能スゴい! 本気の「フォレスター」米国で登場
約537万円! スバルが「“新”オフロードSUV」発表! 地上高アップで悪路性能スゴい! 本気の「フォレスター」米国で登場
くるまのニュース
各部のアップデートでよりスポーティに!! BMW Motorrad「F900R」2025年モデル発表
各部のアップデートでよりスポーティに!! BMW Motorrad「F900R」2025年モデル発表
バイクのニュース
免許なしで楽しめるトヨタのライド型アトラクション、横浜に登場! 4輪独立モーター制御の『FUNVE』
免許なしで楽しめるトヨタのライド型アトラクション、横浜に登場! 4輪独立モーター制御の『FUNVE』
レスポンス
ホンダの2輪用電動過給機エンジンが話題だが、4輪では既に採用例あり! では電動化過給機のメリットとは?
ホンダの2輪用電動過給機エンジンが話題だが、4輪では既に採用例あり! では電動化過給機のメリットとは?
モーサイ
愛車の維持費がますますお得に!?  アルファロメオ、「ジュニア エレットリカ・スペチアーレ」「トナーレPHEV」の所有体験をさらに充実へ
愛車の維持費がますますお得に!? アルファロメオ、「ジュニア エレットリカ・スペチアーレ」「トナーレPHEV」の所有体験をさらに充実へ
LE VOLANT CARSMEET WEB

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村