一部改良した「GR86」は魅力的なスポーツカーだった! 小川フミオがリポートする。
マニュアルはイイ!
3576万円のスーパーセダンの底力──新型メルセデスAMG S 63 Eパフォーマンス試乗記
この時代にスポーツカーを作るのは、自動車メーカーの“良心”みたいなものかもしれない。そのクルマの出来がよくて、さらに買いやすければなおさらだ。
好例はGR86だ。改良が行われたモデルが11月1日に発売された。眼目は、運転支援システム「アイサイト」が搭載されたマニュアル変速機搭載モデルだ。
ひとことで言って、操縦がすばらしく楽しい。するどい加速に、しっかりした減速フィール。路面としっかりコンタクトのある感覚を与えてくれるハンドル……運転している自分とクルマとの一体感に、間違いなくしびれると思う。
マニュアル変速機でも問題ない、いや、むしろ好き! という人には特に勧めたいモデルだ。車両を共同開発したスバルが手がける2.4リッター水平対向4気筒ガソリンエンジンの力を、変速レバーを介して自分の手でコントロールする感覚は抜群!
173kWの最高出力に250Nmの最大トルクは、やや控えめ。本当にパワフルなスポーツカーを楽しみたいなら、「GRスープラ」という選択があるのだけれど、GR86のやや控えめなパワーがまた、マニュアルシフターによく合っている。
トルクがあふれんばかりにあるクルマだと、マニュアル変速機があっても、極端なことをいうと、ギヤを変えていく必要性がほとんどない。低回転域でトルクがやや細いクルマだと、よりひんぱんなシフトが必要となる。GR86はそこがイイ!
エンジン回転をグーっと5000rpmを超えてまで引っ張っていき、手首の動きでシフターを動かし、ギヤを上げていく……スポーツカーなのでギヤ比が近接しているので、シフトアップしても速度が落ちることもなく、すかさず加速が続く。
この感覚もすばらしければ、カーブの手前などで減速したときに、ギヤを落とすのも、また、マニュアルシフトのスポーツカーを運転する楽しさだ。
慣れれば、右足のつま先でブレーキペダルを踏み、斜めにした足のかかとでアクセルペダルをぼんっと吹かし、シフトダウンもできる。私も久しぶりにスティックシフト(マニュアル変速機)を楽しめた。
シフターは最初こそややダンピングが不足ぎみかな? と、思わないでもなかった。ゲートに入れるとき、ショックが大きめなのだ。かつクラッチは上のほうにミートポイントが設定されていて、脚を大きめに動かさなくてはならない。
慣れるのにすこし時間がかかったものの、いちど慣れてしまうと、すばやいシフトワークができるようになる。ダンピングが不足ぎみ? と、思ったシフターも、ぽんと押してやるように操作すると、吸い込まれるようにゲートに入っていく。
モダナイズされた現代のハチロク今回の試乗車には、マイナーチェンジで用意された、スポーツカーとしての機能をさらに上げるためのオプションの数々も装備されていた。
試乗車に装備されたbrembo製ベンチレーテッドディスクブレーキ、SACHS(ZF)アブソーバーはすばらしい働きをしてくれる。加速と減速はいうにおよばず、車線変更時のキビキビとして安定した動きや、カーブを曲がるとき車体のノーズ部分がすっと内側を向いていく様子は、(比較的)軽量なスポーツカーを操縦する醍醐味といえる。
内装は、冷静な目でみれば、機能的ではあるものの実務的すぎるともいえる。が、ドライビングがはじまるとそんなこと、気にならなくなった。シートの完成度もよいので、イヤになるようなことはないだろう。
アイサイトは、ステレオカメラを使い、衝突被害軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロールを制御。マニュアル変速機になじまない誤発進/誤後退抑制機能や、後退時ブレーキアシスト機能は装備されない。
かつて私は、テストコースでアイサイト搭載のGR86を試す機会があった。たしかにバリアへ衝突する手前でしっかりブレーキがかかり、車両は停止してくれた。
ピュアスポーツカーは運転者が自分でコントロールできればいい、という意見もあるだろう。けれども、アイサイトの効力はすでによく知られているところで、道路をシェアしている身として、周囲の安全性への配慮は行ってしかるべきなのだろう。
GR86(とスバルBRZ)は今っぽさもしっかりあるスポーツカーなのだ。
文・小川フミオ 写真・小塚大樹 編集・稲垣邦康(GQ)
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みんなのコメント
現状別の車で遊んでるけど仮にクラッシュしても買い替え候補が有るって安心できる。
それがちょっと扱いにくい。
ニッサンのMTのほうが繋ぐのラクかな。
結局は慣れなんだけど。