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スイフトスポーツ試乗レポート 乗れば間違いなくワォ!体験

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スイフトスポーツ試乗レポート 乗れば間違いなくワォ!体験

2017年9月、3代目スイフトスポーツがデビューし、試乗してきた。スイフトスポーツ初の3ナンバーサイズとなり、1.4Lの直噴ダウンサイジングターボに6速MT/ATを組み合わせ、すべてが欧州狙いの真剣さを感じるハイレベルの仕上がりだった。<レポート:高橋明/Akira Takahahsi>

スイフトはBセグメントのコンパクトクラスで、実用性を重視したモデルを中心にハイブリッド、マイルドハイブリッド、ダウンサイジングターボなどを取りそろえ、スイフトシリーズとして展開している。エンジンの排気量では1.0L、1.2L、1.4Lの3種類、ミッションはCVT、5AGS、5MT、6AT、6MTと5種類のトランスミッションをうまいこと組み合わせ、さまざまニーズに合うようにターボや自然吸気、ハイブリッド、マイルドハイブリッドなどの補器類を加えてモデル展開をしている。

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スイフトの詳細はすでにお伝えしているので、詳しくはこちらの記事を参考にしてほしい。
▼参考記事
スズキ 小型乗用車 新型「スイフトスポーツ」を発売
スズキ 4代目「スイフト スポーツ」登場 1.4L直噴ターボ・エンジンを搭載

そのトップモデルとなるのがこのスイフトスポーツだ。1.4Lダウンサイジングターボで6速MTと6速ATがある。だが、フラッグシップモデルとはいえ200万円を切る価格は魅力たっぷり。標準のスイフトよりボディサイズもアップし、専用のボディを持ちながらこの価格はさすがだ。

そのボディサイズは全長3890mm、全幅1735mm、全高1500mm、ホイールベース2450mmで、幅が1700mmを超えているので3ナンバー登録となる。標準のスイフトと比較すると、全長が3840mmなので+50mm、全幅が1695mmの+40mm、トレッドが前後とも+30mm拡大されている。また先代のスイフトスポーツとの比較では全長は同じでホイールベースが+20mm、全幅では+40mm、トレッドでも+40mmとサイズアップされている。

したがって、標準スイフトと共通のボディパネルではボンネット、ルーフ、リヤテールゲートだけで、それ以外のバンパーを含むフロント周り、左右のフロント、リヤフェンダー、そしてドアまでもがスイフトスポーツ専用のボディになっているほどこだわった造りになっている。

■コンセプト

それもすべて、コンパクトハッチの使い勝手の良さを持ちながら走行性能を徹底的に高め、走る楽しさ、操る喜び、爽快さを得るためのこだわりということなのだ。

むろん、メインマーケットは国内での販売なのだが、一方では欧州市場での高評価を狙っている。ポロやプジョー208、ルノー・クリオあたりがベンチマークになっているはずだ。欧州のBセグメントのレベルは高く、量販大衆モデルであっても走行性能や操舵特性などはリニアで、スポーティドライブに通じる性能を持っている。つまり、新型スイフトスポーツは、これらのモデルと比較しても、性能と個性で積極的に選んでもらえることを狙ったモデルというわけだ。

従ってこの3代目スイフトスポーツのコンセプトは「アルティメット ドライビング エキサイティング」であり、日常の使いやすさを確保しながらスポーツドライビングを楽しめるモデルという位置づけになる。そのために徹底的に走行性能の追及を行ない、スポーツドライビングを感じる演出をし、そして力強いデザインで仕上げるということをやってきたモデルなのだ。

■試乗レポート

走りだしてすぐに感じるのは、思わず騒ぎたくなる愉しさがあることだ。1速にギヤを入れ、軽いクラッチペダルをゆっくりリリースしてクラッチミートさせる。1000rpm程度でクラッチをつなげ、そこからアクセルを踏み込むと「わおぉ~」と声を上げるほどのパワーで走りだす。

2速、3速へとシフトする。シフトフィールも気持ちよく、エンジン音も適度に低音が聞こえてくる。アクセルを踏み込めば、いつでも太いトルクが瞬時に立ち上がり、1000kgを切る軽量ボディをひょいと狙った速度まで到達させる。無意味にシフトチェンジとヒール&トーをしたくなる衝動が沸き起こる。久々に出会ったコンパクトハッチだ。

まさに欧州車基準だと感じさせるできで、高いボディ剛性を市街地でも高速道路でも感じる。特に速度域が上がっての剛性感は安心感につながる。そしてクラスを超えるしっとり感があり、これぞ欧州コンパクトの王道と思わせる仕上がりだ。

装着するタイヤはコンチネンタルのスポーツコンタクト5でタイヤサイズは195/45R17という本気のブランド、本気のサイズを標準装着していることからも、欧州狙いであることが見て取れる。スズキの欧州狙いはハンガリー工場製のモデルではしばしば感じることなのだが、このスイフトスポーツはスズキのマザー工場である相良工場で製造される。欧州へはすべて輸出されることになっている。

サスペンションはモンロー製のフロントストラットとショックアブソーバーを装備する。リヤのトーションビームやトレーリングアームは専用品で、標準車とは別物になっている。もちろんフロントのストラットもスプリングは33%ばね定数をアップしたり、スタビライザーも強化されている。

そうしたスポーティ仕様のサスペンションであっても、ピストンスピードの遅い状況でもフリクションはなく、乗り心地がよい。そして大きな入力に対してもしっかりと減衰が立ち上がりしっかりと踏ん張ってくれる。スズキのデータによれば、先代スイフトスオーツより約5%のロール角低減や約10%の旋回応答性の向上があるという。

高いレベルでまとまったモデルではあるが、少しネガな部分がある。ひとつはミッション付近からのザラつきのあるノイズだ。乗り心地のしっとり感があるのだから、ノイズも消したい。NVHのノイズに関してはクラスレベルという印象だ。また、シートポジションとペダルポジションの関係も難しい。

というのは、欧州でのBセグメントコンパクトはアップライトなドライポジモデルが多い。そのためなのか、このスイフトスポーツもアップライト系のポジションになっている。そのポジションに対してペダル位置が手前に感じるため、その影響からなのか、どうしてもブレーキタッチが良く感じらないのだ。ブレーキのハードとしては剛性感があり、安心材料なのだが、ペダルタッチに少し違和感を残した。これもシートポジションからくるフィーリングではないだろうか。

ステアフィールもいい。特に高速道路での直進の座りが素晴らしく、高速安定性が高く、これならアウトバーンで140km/h巡航も問題ないだろう。国内の100km/h巡航では余裕綽々だ。ちなみに100km/hでのエンジン回転は2750rpm付近だった。嘘のように低速トルクのあるエンジンなので、アクセルをチョンと踏めばグッと加速するので、追い越しも迷いなく、そして軽々と追い抜きもできる。

ハンドリングでは弱アンダーからニュートラルの傾向で、こちらも好ましく、全く不満はない。車速感応式のパワーステアリングも気持ちよく制御されており、駐車場では軽く、ワインディングでは手応え感のあるしっかりとした操舵フィールが得られる。

また、AT車にはパドルシフトも装備され、スポーツモードもあるので十分スポーツドライブが楽しめることは間違いない。トランスミッションの重量が多少異なるが、その差異を感じることなく、高い回頭性に満足度があがる。ATであっても低速からの太いトルクの立ち上がりには満足でき、思わず「え~っ」て感じるほど力強さがある。

MTが楽しいことはいうまでもないが、6速ATでも物足りなさを感じることもない。ATでありながらダイレクト感のあるシフトチェンジをするので、気持ちよさでも引けを取らない愉しさを味わえる。

インテリアもスポーティさを感じる。全体に赤と黒の色使いで、引き締まった印象と力強さを感じる。ステアリングのグリップも太目で下半分の一部をピアノブラックでまとめ上半分をレザー巻にするコンビネーションもセンスがいい。

メーターはオーソドックスに2眼式で、中央にデジタルで情報を表示する。タコメーター、速度計ともに真下をゼロにするデザインもスポーティだ。

シートはセミバケットタイプで、サイドサポートや座面の左右のサポートもしっかりしている。特に座面長もしっかりと取ってあり、大柄な体型でも不満はないだろう。

また、安全装備でもスズキ初の車線逸脱抑制機能を搭載し、先進の安瀬院技術も搭載している。

走る、止まる、曲がるを追求しつつ200万円を切る価格。見た目も力強さがあり、インテリアの質感も高い。乗れば間違いなくワォ!があり、後席の広さも十分ありというパッケージだ。一度試乗してみることを強くお勧めする。

■価格

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