オンロードバイクとオフロードバイク、走行時にはどのような違いがある?
バイクを選ぶ基準は人それぞれ違いますが、大きく分かれるポイントとして「オンロードバイク」と「オフロードバイク」の2つのタイプがあります。
【画像】オンロードバイクとオフロードバイクの曲がり方を画像で見る(10枚)
オンロードバイクとは、舗装路を走ることを前提につくられているバイクのことです。一方のオフロードバイクとは、山道や砂利道などの未舗装路を走ることを想定してつくられたバイクのことで、オンロードバイクが走行できないような悪条件の路面でも走破できます。
またオフロードバイクは、凸凹した路面や障害物があっても乗り越えられるように、サスペンションのストロークが長く設計されていて、車高が高く大径のタイヤを装着しているのが特徴です。
これに対し、オンロードバイクはライダーの用途や趣向に合わせて、さまざまな形の車種が存在します。
たとえば、カウル付きのスポーツモデルや高速道路や、広い道路をのんびりと走るのに最適なクルーザー、教習所でおなじみのベーシックなネイキッドなどがあります。
また、ビッグスクーターや原付スクーターなどもオンロードバイクに含まれ、オフロードバイクよりもバラエティに富んでいて車種がとても豊富なことも魅力のひとつです。
このように、特徴が大きく異なるオンロードバイクとオフロードバイクですが、コーナリングの際の姿勢にも違いがあるのでしょうか。
オンロードバイクのコーナリング姿勢とは
バイクをスムーズに乗りこなすためには、状況に応じてライディングフォームを使い分けることが重要です。ライディングの基本姿勢は3パターンあり、もっとも基本となるのが教習所でも習う「リーンウィズ」というフォーム。
リーンウィズは、バイクの傾きとライダーの上半身の傾きが一直線になるフォームです。重心がバイクの中心にくるのでタイヤのグリップ力をもっとも発揮しやすいフォームといえます。
また、ニーグリップをとりやすくリラックスした姿勢で運転できるため、操作がしやすく疲れにくいのが特徴です。しかも、車体の傾きに合わせて上半身を自然に倒していくだけなので、初心者でもむずかしくありません。
このように、自然な姿勢で運転できるリーンウィズは応用力が高く、どんなバイクにも適したフォームです。
アスファルトの安定した路面が多い公道を走るときは、ほぼリーンウィズを意識していれば事足ります。そのため、オンロードバイクでのコーナリングは車種に関係なく、リーンウィズで曲がるのが正しい姿勢といえるでしょう。
このリーンウィズを軸として、そのほかバイクの基本姿勢には「リーンイン」と「リーンアウト」があります。
リーンインは、バイクの傾きよりもライダーの上半身がイン側に入ったフォームのこと。リーンウィズよりも車体を起こしぎみに曲がるため、濡れて滑りやすい路面でも安定しやすい特徴があります。
一方のリーンアウトは、バイクの傾きよりもライダーの上半身がアウト側に出ているフォームのことです。車体の大きな挙動にも対処しやすく、万が一タイヤが滑っても立て直ししやすい特徴があります。
また、低速時でも小さい旋回半径で曲がれるため、Uターン時など小回りをするときにも便利です。
オフロードバイクのコーナリング姿勢とは
そして、重心が高く悪路走行を得意とするオフロードバイクのコーナリングでは、このリーンアウトの姿勢が基本となります。
オフロードバイクで未舗装路を走るときのコーナリングでは、通常のバイクと同じように進行方向に車体を傾けます。ただし、タイヤが滑っても対処しやすいように上半身は地面に対して垂直してリーンアウトの姿勢をキープするのがポイント。
このとき、内側の足は地面に向けて前方に伸ばしながら曲がるのがオフロードバイクの基本姿勢になります。足を出す理由は、バランスを取ったり、ターンをするときに足で車体を支えたり、足を軸にして曲がるために必要だからです。
オフロードバイクは路面の状況に応じて立った姿勢で乗ることが多いですが、この場合も曲がる時の姿勢はリーンアウトでバランスを取ります。また、Uターンでもリーンアウトの姿勢で曲がるのが基本です。
低速でUターンする際は、アクセルの開度は一定に保ち、速度のコントロールは指先の半クラッチで調整すると上手く曲がれます。
このように、オフロードバイクで未舗装路を走るときは、リーンアウトの姿勢でイン側に足を出してコーナリングするのが基本です。
なお、スピードが出ているときに足を地面についてしまうと、足が後ろに持っていかれてバランスを崩して転倒したり、思わぬケガにつながる場合があります。このようなトラブルにくれぐれも注意しながら、オフロード走行を楽しむようにしましょう。
※ ※ ※
オンロードバイクとオフロードバイクは特徴が大きく異なるため、曲がる時の姿勢も違ってきます。とくに未舗装路を走るオフロードバイクは、タイヤが滑っても対処しやすいようにリーンアウトで足を前に出した姿勢で乗るのが特徴です。
バイクの性能だけでなく、全身を使って不安定な車体をコントロールしながらスリルを楽しむのが、オフロードバイクの醍醐味なのかもしれません。
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