BMWは5月29日、2025年にデビューを飾る予定のエボルーションモデル『BMW M4 GT3エボ』を、24時間レースを控えたドイツ・ニュルブルクリンク近くのショールームで正式発表した。同時に、GT4カーにおいてもアップデート仕様を2025年にデビューさせることを明らかにしている。
■ミラーやリヤウイング、アンチロールバー等を変更
BMW M4 GT3の“エボ”は順調に開発中。ブレーキトラブルは「チームの選択」と解決には注力せず
2022年シーズンにデビューし、3年という最初のサイクルが終了した後、BMWはM4 GT3エボを世界中のカスタマーへと展開する予定だ。
BMWがエボキットを発表してカスタマーに展開するのはこれが初めてであり、開発はファクトリードライバーのアウグスト・ファーフス、イェンス・クリングマン、ブルーノ・シュペングラーが主導している。
以前にモータースポーツ責任者であるアンドレアス・ルースが述べたように、BMWはこのエボモデルにおいてパフォーマンスの向上を追求するのではなく、主にドライバビリティ、効率性、信頼性の向上に開発の焦点を置いている。
外観では、改良された小型のウイングミラーや、フロントの大型エアアウトレット、ヘッドライトとテールライトなどが今回の仕様における変化点であり、さらにリヤウイングの調整範囲が変更され、空力効率が向上しているという。
車体内部では、フロントアクスルとリヤアクスルの両方に新しいアンチロールバーが取り付けられたほか、リヤブレーキディスクは大型化され、調整が容易になった新しいディファレンシャルも実装された。
BMWによれば、このクルマの正味価格は57万8000ユーロ(約9830万円)だという。
「当社のエンジニアはエボカーの開発中、カスタマーからのフィードバックに非常に注意深く耳を傾けた」と、BMW Mモータースポーツのカスタマーレーシング責任者であるビョルン・レルマンは述べている。
「その結果、我々の見解では、リスクをあまり負うことなく限界により近づくことがさらに可能になるモデルが誕生した。これは、あらゆるクラスのドライバーが速さを求める、まさにそのものである」
「我々の目標は、BMW M4 GT3エボでとても大きなレースに勝つこと、そして同時にBMW Mモータースポーツのすべてのカスタマーに成功の可能性を最大限に高めるパッケージを提供することだ」
BMWはさらに、GT4カーのエボ仕様が2025年からカスタマーに提供されることを発表した。
現行M4 GT4は昨年、カスタマーレースデビューを果たし、米国のチームであるターナー・モータースポーツは、このクルマのデビューシーズンにIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジでGSクラスのタイトルを獲得している。
M4 GT4エボは、ニュルブルクリンク24時間レースの週末にリング通りにあるBMWショールームでM4 GT3エボとともに展示されるが、BMWの広報担当者によれば、改良された車両の詳細は後日発表される予定であるという。
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