かつてのエリミネーターとは異なる方向性
カワサキの新作となるエリミネーターは、2023年3月に開催された大阪モーターサイクルショーで唯一のワールドプレミア、世界初公開である。ちなみに、カワサキがエリミネーターという車名を使用するのは十数年ぶりで、となれば、WやZ-RSシリーズのように「復活」という言葉を使いたくなるものだが……。
【写真28点】カワサキ新型エリミネーターの全バリエーション紹介!かつてのエリミネーター400SEとの比較も
1980年代中盤に登場した初代エリミネーターが、ストリートドラッガーだったのに対して、新型はボバーテイストやネイキッドの要素を取り入れつつ、オーソドックスなクルーザーと言いたくなるスタイルを採用している。また、初代エリミネーターが900cc並列4気筒車をフラッグシップに据え、多種多様な派生機種/兄弟車を設定していたのとは異なり、新型はとりあえず400cc並列2気筒車のみである。
そのあたりを考えると、復活という言葉には語弊があるのだけれど、かつてとの共通点が少なくても、新型エリミネーターは十分に魅力的で気合いが入ったモデルだ。何と言ってもエンジンを除けば、ほとんどのパーツが新規開発なのだから。
実際に車両とスペックを見て興味深いのは、車体寸法がクルーザー的(キャスター角は30度、トレールは121mmで、ホイールベースは1520mm)であるにも関わらず、シートが極端に低くはなく(ただし735mmという数値は、現在のカワサキの250~400ccクラスでは最も低い)、ライディングポジションがスポーツネイキッド風で、車重があまり重くないこと。こういった要素から推察すると新型エリミネーターは、ロー&ロングなスタイルであっても、親しみやすさやスポーツ性をかなり真摯に追及しているのだろう。
なお400ccクラスでは貴重なETC2.0車載器を標準装備すること、上級仕様のSEが量産車初の装備として、ミツバサンコーワ製GPS対応型ドライブレコーダーを搭載した状態で販売されることも、新型エリミネーターの魅力である。
上級仕様となる「SE」の特徴は、ビキニカウル(かつてのエリミネーターSEに通じるデザイン)とフロントフォークブーツ、ステッチ入りでツートーンのシート表皮、USB Type-C電源ソケット、車体の前後に備わるドライブレコーダー。スタンダード+9万9000円は、どう考えてもお買い得?
カワサキ新型エリミネーター主要諸元
【エンジン・性能】
種類:水冷4サイクル並列2気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク:70.0mm×51.8mm 総排気量:398cc 最高出力:35kW<48ps>/1万rpm 最大トルク:37Nm<3.8kgm・f>/8000rpm 変速機:6段リターン
[寸法・重量]
全長:2250 全幅:785 全高:1100[1140] ホイールベース:1520 シート高735(各mm) タイヤサイズ:F130/70-18 R150/80-16 車両重量:176kg[178kg] 燃料タンク容量:12L
[車体色]
スタンダード:メタリックフラットスパークブラック、パールロボティックホワイト
SE:メタリックマットカーボングレー×フラットエボニー
[価格]
スタンダード:75万9000円
SE:85万8000円
レポート●中村友彦 写真●伊藤吉行/カワサキ/八重洲出版 編集●上野茂岐
カワサキ新型エリミネーターのエンジンや車体、SEならではの装備を詳細解説!
■新型エリミネーターのエンジン「ニンジャ400/Z400用がベース」
最高出力48ps/1万回転、最大トルク3.8kgf・m/8000rpmを発揮する398ccの水冷並列2気筒は現行型ニンジャ400・Z400からの転用。
32mm径のスロットルバルブ、5.8L容量のエアクリーナーボックス、吸排気バルブ径(吸気27.5mm径、排気23.5mm径)、噴霧粒65μmの微粒子インジェクターなども同様のほか、アシスト&スリッパークラッチもそのまま継承される。1~6速までのギヤ比もニンジャ400・Z400と同値。
そのうえで排気系は専用設計となっており、エキゾーストパイプからサイレンサーまでを水平基調にレイアウトし、ロー&ロングなデザインを強調。
また、二次減速比はニンジャ400・Z400の41/14から、エリミネーターでは43/14に変更されている。
■新型エリミネーターの車体&装備「ほとんどが新規開発」
魅せることを意識したトレリスフレームや、フロント3.00×18、リヤ4.00×16のアルミキャストホイールなど、シャシー関連部品はほとんどが新規開発。フロントフォークはインナーチューブ径41mmの正立式で、リヤサスペンションはオーソドックスなツインショックを選択。
フロント130/70-18、リヤ150/80-16のタイヤは、大阪モーターサイクルショー2023展示車ではIRCのGRAND HIGH SPEED GS-23が装着されていた。
フロントブレーキは310mm径シングルディスクにニッシン製デュアルピストンキャリパー、リヤブレーキは240mm径ディスクに同じくニッシン製デュアルピストンキャリパーという構成。
ガソリンタンクは上下方向の薄さを意識した構成で、容量はニンジャ400・Z400より2L少ない12L。ハンドルは日本人の好みにマッチしそうな形状だ。バックミラーはZ900RSやW800シリーズと同様のデザインだが、ステーはかなり短め。
円形の液晶メーターは新規開発で、中央にデジタル式速度計、外周上部に回転計、下部に燃料計というレイアウト。ギヤポジション、時計、オド&ツイントリップ、平均燃費なども表示される。
また、Bluetoothでスマートフォンとの連携機能も。専用アプリ「RIDEOLOGY THE APP」でメンテナンススケジュールなどの車両情報、ライディングログをスマホに表示したり(GPSで走行ルートを記録)、電話&メール着信をメーターに表示したりすることができる。
LEDヘッドライトは130mm径。照射部を2室に分け、それぞれにポジションランプを装備することで、電球式のような雰囲気を構築。
シートは前後分割式で高さは735mm。アクセサリーとしてローシート(シート高715mm)、ハイシート(シート高765mm)も用意される。
エリミネーターSEの装備
SEはミツバサンコーワ製GPS対応型ドライブレコーダーを標準装備。フロントカメラはヘッドライト左下に、リヤカメラはナンバープレートステー左上に配置される。
ハンドル右側に防水仕様のUSB Type-C電源ソケットを標準装備。純正アクセサリーとしても用意されるので、スタンダードにも装着可能(価格は7502円)。
シートはステッチが入るほか、表皮の素材を切り替えツートーンに。シート形状はスタンダードと同様。
まとめ●上野茂岐 写真●カワサキ
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みんなのコメント
“和メリカン”(笑)LTDの復活を、望みます。