■緑の新型「ジムニー5ドア」初お披露目!…で日本導入の可能性は?
8月下旬、南アフリカのスズキの現地法人がイベントで「ジムニー」の5ドア仕様を同市場で初お披露目し、今年中に発売するとアナウンス。
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2023年1月にインドで5ドア仕様が発売されたのに続き、他エリアでもジムニー5ドアが発売されることになり、これが大いに話題となりました。「もしかすると、日本でも売るのかも」という期待が生まれたわけです。
ジムニーはラダーフレームを備えた4WD車で、悪路走破性に優れた、いわゆるオフローダーと呼ばれるクルマです。軽自動車規格をベースにしているため、非常にコンパクトで軽量。それゆえ非常に優れた悪路走破性を備えています。
そのため日本だけでなく、世界市場でも大人気となっています。また、日本にも販売されていますが、1.5リッターのエンジンを搭載した兄貴分の「ジムニーシエラ」という存在もあります。海外では、この兄貴分であるシエラがジムニーの名称で販売されています。
ただしジムニーは、これまでずっと3ドアを基本としていました。後席用のドアがないので、クルマは小さく軽くできます。そして、その小ささと軽さがジムニーの卓越した走破性を生み出す源泉です。
しかし、やっぱり後席用のドアがないのは不便。そのため、以前から「5ドア仕様」を望む声があったのも事実。そんな市場の声に対応すべく、生まれたのが、インドでの5ドア仕様(以下、ジムニー5ドア)と言っていいでしょう。
では、インドで発売されたジムニー5ドアの内容はどのようなものでしょうか?
スズキが発表したデータでは、ボディサイズは全長3985mm×全幅1645mm×全高1720mmで、ホイールベースが2590mm。搭載するのは1.5リッターのガソリンエンジンで、トランスミッションは5速MTと4速ATです。
日本で発売されている1.5リッターエンジンのジムニーシエラが、全長3550mm×全幅1645mm×全高1730mm、ホイールベース2250mmですから、インドのジムニー5ドアは、日本のジムニーシエラよりも、全長で435mm、ホイールベースで340mmほど長くなっています。幅と高さは、ほぼ変わりありません。
もしも、このジムニー5ドアが日本で発売されるとすると、5ナンバーの登録車となります。軽自動車の規格は最大で全長3.4mなので、ジムニー5ドアは寸法がオーバーしているため、軽自動車としての販売はできません。つまり、日本で販売するのであれば、現行のジムニーシエラの1バリエーションとなることでしょう。
ということは、ジムニー5ドアの日本導入は、まったく存在していない車種の導入ではなく、すでにあるモデルのバリエーションとしての追加導入となります。
また、スズキは過去に海外向けのモデルを日本に導入してきた経験がいくつかあります。2016年発売の「バレーノ」や、2008年発売の「スプラッシュ」などです。しかし、これらの車種は、期待されるほどの数が売れず、結局のところ日本での販売が終了してしまいました。つまり、海外向けモデルの日本導入は、やったことあるけれど、あまりうまくいったことがないというわけです。
となれば、ジムニー5ドアの日本導入は、よっぽど「売れる!」という確信がなければ難しいのではないでしょうか。
そこでポイントとなるのが現行ジムニーシエラの販売状況です。
■新型ジムニー5ドア導入の望みは薄い?
ジムニーシエラのフルモデルチェンジ翌年の2019年の年間販売ランキングを見ると、販売台数1万0827台で47位。翌2020年は1万6603台で39位。2021年は1万3903台で38位。2022年は1万7820台で30位。2023年の1~6月上半期は1万3522台の28位。なんと、47位、39位、38位、30位、そして28位と、ジワジワと順位を上げているのです。
ちなみに、軽自動車のジムニーは、2019年の販売が3万0281台で13位。2020年は3万8056台で13位。2021年は3万9422台で9位。2022年は4万1405台で13位。2023年1~6月は2万0110台で10位。こちらも、少しずつではありますが販売を伸ばしています。
「これだけ好調なら、日本導入はできる!」と、ジムニーファンなら思うかもしれません。しかし、もう少し目線を上げてみれば、また違った景色が見えてきます。
それが強力なライバルの存在です。ジムニーシエラは、他の類を見ない本格オフローダーです。でも、日本国内でのユーザーの使用は、ほとんどが街中のはず。
そこでライバルとなるのは、同じ寸法のSUVたち。具体的に言えば、トヨタの「ヤリスクロス」、そして「ライズ」とダイハツ「ロッキー」の兄弟車です。
これらライバルの販売はどうなのでしょうか。直近の2023年1~6月の販売実績を見ると、「ライズ」は3万3233台、「ロッキー」は9589台を販売しています。「ヤリスクロス」は、販売実績がハッチバックの「ヤリス」と統合されて発表されているため詳細は不明ですが、「ヤリス」の半数ほどではないでしょうか。
そして「ヤリス」の販売数は、なんと9万7421台もあるのです。その半分だとして4万87105台、3分の1でも3万2500台ほどは売れているのです。
それに対してジムニーシエラの販売は1万3522台。これはまた、絶妙な数字。
ヤリスクロスとライズには敵わないけれど、ダイハツのロッキーよりも上。また、ジムニーシエラは、爆発的には売れていませんが、堅実に少しずつ売上を伸ばしているという状況です。
「結構よいけれど、ライバルはもっとすごい」というわけです。
過去にスプラッシュやバレーノの撤退という経験があるのであれば、もっと売れる確証が欲しいと感じるかもしれません。
そういう意味で、ジムニー5ドアを導入するのは、なかなかに難しい判断なのではないでしょうか。
どちらにせよ、ジムニー5ドアの日本導入は、市場からのラブコールがなければ実現はありません。導入前段階での歓迎ムードとなれば、ジャパンモビリティショー(旧・東京モーターショー)や東京オートサロンでのお披露目は必須となります。
つまり、ジムニーシエラの日本導入は、そうした国内向けイベントでの顔出しから始まるのではないでしょうか。
そういう意味で、2023年10月下旬に開催されるジャパンモビリティショーや、来年年明けの東京オートサロンのスズキのブースに期待しましょう。
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みんなのコメント
もういいよジムニー5ドアの話は。出る出る詐欺だろどーせ