現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 贅沢なオープンカーはドライブの概念を覆す、かもしれない──BMW M850i xDriveカブリオレ試乗記

ここから本文です

贅沢なオープンカーはドライブの概念を覆す、かもしれない──BMW M850i xDriveカブリオレ試乗記

掲載 更新
贅沢なオープンカーはドライブの概念を覆す、かもしれない──BMW M850i xDriveカブリオレ試乗記

ビー・エム・ダブリューといっても、昨今はさまざまなモデルがあり、好みはわかれる。「3シリーズ」や「5シリーズ」のようなスポーティセダンが好きなひともいれば、昨今はスポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)と、独自のコンセプトをうたう「Xシリーズ」のファンも多い。そうしたなか、昔から一定のファンを有するのはスポーティクーペ&カブリオレだ。

2019年2月に日本でも販売開始された8シリーズ・カブリオレは、いかにBMWがこのジャンルで卓越しているかを示す、絶好のショーケース・モデルといえる。ちなみに、8シリーズ・カブリオレは、2018年のル・マン24時間レースの会場で発表された8シリーズ・クーペがベースだ。

29歳、フェラーリを買う──Vol.12 女優・夏樹陽子が語る! フェラーリの魅力とは?(前編)

今回試乗したモデルは、4.4リッターV型8気筒ターボエンジンに4WDシステムを組み合わせた「BMW M850i xDriveカブリオレ」だった。なお、ほかに3.0リッター直列6気筒ディーゼルターボエンジン搭載モデルも選べる。

試乗した印象を先に記すと、フルオープンボディの爽快感と、トルクがたっぷりある気持ちよい走り、そして適度なスポーティさが絶妙にブレンドしていた。ほかに類がない完成度で、いちど乗ったら忘れられないみごとな出来だ。

M850i xDriveカブリオレは、4855mmの全長に対し、車高が1345mmに抑えられているゆえ、伸びやかで美しい。そして、長めのエンジン・フードがパワー感を強調する。やや後退しているキャビンは、初代8シリーズや初代6シリーズを想起させるのも魅力だ。

優雅なボディを持つM850i xDriveカブリオレが搭載するエンジンは、なかなか過激である。750Nmもの最大トルクを1800rpmから発生する設定だ。アクセルペダルを介して、ドライバーと車体が一体化したようなハンドリングはBMW的であるものの、ウルトラ・シャープというほどではない。

カミソリのような切れ味を求めるなら「Z4」を選べばよい。それだけにM850i xDriveカブリオレは、快適志向に振られている。軽めのステアリングの操舵感や車体の反応速度、カーブでのロール具合などは、2820mmと長めのホイールベースを持つグランド・ツアラーを意識させる。

もちろん、パワフルなエンジンを搭載するから飛ばせば速い。2000rpmを超えると、中音を中心とした心地よい音が”吠える”のだ。

中間加速はかなり俊敏で、BMWならではとも言うべきスムーズな吹け上がりが運転して気持ちいい。

もちろん低速域でも魅力的だ。ゆったりとした乗り心地によって、なかなか優雅な気分にさせてくれる。いっぽう、高速では車体のフラット感が増す。といっても足まわりが硬すぎるわけでもないので、うまくボディ各所が捩れてショックを吸収しているのだろう。

オープンでの走行は、低めのウィンドシールドごしに空が見える。そういえば、Z4のようなロードスターでは、前を見ているときも空が視界に入るよう設計するのがお約束といわれている。そんなお約束を、M850i xDriveカブリオレにも取り入れているのだ。

しかも、風の巻き込みはすくない。じつに巧妙に、風の流れが設計されているようだ。必要に応じ、リアシート部分にウィンドストップ(はめ込み式の折りたたみ型スクリーン)を装着出来るものの、使う場面はほとんどないかもしれない。

ソフトトップを閉じたドライブも快適だ。ソフトトップを閉じた状態でも、前後サイドウィンドウを下げれば、適度に風が吹き込み気持ちいい。

インテリアは贅沢だ。クオリティの高いレザーやウッドをふんだんに使っているうえ、シフト・レバーはなんとクリスタル製で美しい。

もちろん、贅沢なだけでなく、実用性も高い。広くはないもののリアシートがあるから、いざというときは4人乗れるし、ラゲッジ・ルーム容量もそれなりにある。しかも、リアシートのバックレストを倒せば、ラゲッジ・ルームとつながるのも便利だ。

M850i xDriveカブリオレを運転していると、ドライブの面白さを再発見出来るかもしれない。速度コントロールがうまく出来るパワープラントや、路面の凹凸をていねいにいなすサスペンションシステムがドライブを快適にするうえ、ソフト・トップをおろせば、これまでとは違う景色が見られるからだ。

“徹底的に優雅なカブリオレに仕上げよう”といった開発者の思いを強く感じるM850i xDriveカブリオレは、ドライブの概念を変えてくれそうだ。オープン・カーを所有した経験のない人にぜひ乗って欲しい1台である。

こんな記事も読まれています

父の「ハコスカ」に憧れて…「鉄仮面」を2台所有するマニアのフルオリジナル「スカイライン2000GT」の純正快適装備とは?「父と同じウェーバーキャブが目標です」
父の「ハコスカ」に憧れて…「鉄仮面」を2台所有するマニアのフルオリジナル「スカイライン2000GT」の純正快適装備とは?「父と同じウェーバーキャブが目標です」
Auto Messe Web
ヒョンデ・エラントラがニュル24時間でクラス優勝。IONIQ5Nはパイクスピークでタイムチャレンジ
ヒョンデ・エラントラがニュル24時間でクラス優勝。IONIQ5Nはパイクスピークでタイムチャレンジ
カー・アンド・ドライバー
警察庁、酒気帯び・「ながら」運転の自転車にも罰則、11月施行[新聞ウォッチ]
警察庁、酒気帯び・「ながら」運転の自転車にも罰則、11月施行[新聞ウォッチ]
レスポンス
バイクニュース今週のダイジェスト(6/24~28)
バイクニュース今週のダイジェスト(6/24~28)
バイクブロス
なぜ「雨の日に洗車」勧める? 無駄じゃない? ガソスタで声掛けするワケは? 雨で汚れは落ちないのですか?
なぜ「雨の日に洗車」勧める? 無駄じゃない? ガソスタで声掛けするワケは? 雨で汚れは落ちないのですか?
くるまのニュース
自己判断でETCをつけちゃダメ!? このウワサの真偽はいかに
自己判断でETCをつけちゃダメ!? このウワサの真偽はいかに
バイクのニュース
いまやドイツでは縦列駐車でバンパーをぶつけて停めるのはNGなんです!【池ノ内ミドリのジャーマン日記】
いまやドイツでは縦列駐車でバンパーをぶつけて停めるのはNGなんです!【池ノ内ミドリのジャーマン日記】
LE VOLANT CARSMEET WEB
現行シトロエンC3のファイナルを飾る限定モデル「C3メルシー!」が日本上陸
現行シトロエンC3のファイナルを飾る限定モデル「C3メルシー!」が日本上陸
カー・アンド・ドライバー
「東京アウトドアショー2024」幕張メッセで開幕 12ブランドの自動車メーカーやインポーターが出展
「東京アウトドアショー2024」幕張メッセで開幕 12ブランドの自動車メーカーやインポーターが出展
日刊自動車新聞
[新型フリード]最速3カ月納車!? フリードのために書き下ろしたミセスの新曲が激アツ
[新型フリード]最速3カ月納車!? フリードのために書き下ろしたミセスの新曲が激アツ
ベストカーWeb
日産『ムラーノ』が11年ぶりフルモデルチェンジへ! 日本市場復活はどうなる?
日産『ムラーノ』が11年ぶりフルモデルチェンジへ! 日本市場復活はどうなる?
レスポンス
ラリー・ポーランドが開幕。スーパーSSでヒョンデが1-2発進、勝田貴元は4番手/WRCデイ1
ラリー・ポーランドが開幕。スーパーSSでヒョンデが1-2発進、勝田貴元は4番手/WRCデイ1
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツCLEにブランド唯一のカブリオレモデルを追加発売
メルセデス・ベンツCLEにブランド唯一のカブリオレモデルを追加発売
Auto Prove
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「日本型ライドシェア開始から3ヶ月~都市・地方の展望と課題~」
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「日本型ライドシェア開始から3ヶ月~都市・地方の展望と課題~」
レスポンス
ハスクバーナ2025年モデルのエンデューロマシン国内導入発表 2スト含め計6機種
ハスクバーナ2025年モデルのエンデューロマシン国内導入発表 2スト含め計6機種
バイクのニュース
スズキが“新”「ハスラー」公開! 精悍すぎる「黒顔」に上質内装採用! めちゃタフ仕様追加の「超人気モデル」に未だ反響多数
スズキが“新”「ハスラー」公開! 精悍すぎる「黒顔」に上質内装採用! めちゃタフ仕様追加の「超人気モデル」に未だ反響多数
くるまのニュース
日産エクストレイルについて解説! VCターボエンジンと進化したプロパイロット搭載で話題のSUVとは
日産エクストレイルについて解説! VCターボエンジンと進化したプロパイロット搭載で話題のSUVとは
WEB CARTOP
メルセデス・ベンツの新世代2ドアクーペのCLEクーペに高性能バージョンの「メルセデスAMG CLE53 4MATIC+クーペ」を設定
メルセデス・ベンツの新世代2ドアクーペのCLEクーペに高性能バージョンの「メルセデスAMG CLE53 4MATIC+クーペ」を設定
カー・アンド・ドライバー

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1050.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

648.01558.0万円

中古車を検索
8シリーズの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1050.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

648.01558.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村