今年日本では、2019年10月に本国で発表された8代目となるフォルクスワーゲン新型ゴルフがようやく導入される予定。
しかしながら、欧州では昨年に新型ゴルフのスポーツモデルである「ゴルフGTI」、それにGTIより55psもパワフルな300psを発揮する「ゴルフGTIクラブスポーツ」、さらにトップモデルの「ゴルフR」もすでに発表済みだ。
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スポーツモデルの日本導入時期はいまのところ未定だが、これらは欧州ではすでに試乗会も実施されている。そこで今回は、新型ゴルフGTIクラブスポーツ、それに新型ゴルフR、2モデルの試乗インプレッションをひと足先に紹介していこう。気になるその実力は?
文/y.kimura/kimura-office 写真/Volkswagen
【画像ギャラリー】ゴルフシリーズの頂点に君臨するスポーツハッチ 新型ゴルフGTIクラブスポーツと新型ゴルフRが登場!!
■VWゴルフGTIクラブスポーツ&ゴルフR海外試乗記
本国で2019年10月に発表されたゴルフ8。新たに仲間に加わったGTIクラブスポーツとゴルフRを欧州にて試乗した
フォルクスワーゲンは2年ほど前に発表された新型ゴルフ8のバリエーション拡充を早めているようだ。特にスポーツモデルについては、2020年の夏には「GTI」、2020年暮れには「GTIクラブスポーツ」、その直後にトップモデルの「R」が発表され、今年初めにドイツでの試乗会も済んでいる。
一方、日本ではようやくベースモデルが6月から発売される予定だが、GTIやスポーツモデル関連のニュースはまだ入ってこない。そこで今回は、すでに試乗会のあった GTIの派生モデルであるGTIクラブスポーツとRのインプレッションをお届けする。
■新型ゴルフGTIクラブスポーツは300馬力を発揮する
新型ゴルフGTIクラブスポーツ。最高出力は300ps/400Nm、0-100km/h加速は5.6秒
まず、ゴルフGTIクラブスポーツだが、搭載されるエンジンはGTIと同じ開発コード「EA888 evo4」を持った2Lの4気筒直噴ターボで、最高出力は300馬力、最大トルクは400Nmを発生する。組み合わされるトランスミッションは7速DCT(ツィンクラッチ・オートマチック)で前輪を駆動する。
公式性能は0-100km/hが5.6秒、最高速度は250km/hでリミッター制御される。一方、新たにセッティングされたシャーシは15mmローダウンされ、サスペンションジオメトリーはよりダイナミックなドライビングのために一層シャープなセッティングへと変化している。
また可変ダンパーとフロントのデフロックシステムはネットワーク化され、メインコンピューターによって各状況に応じて最適なセッティングが瞬時にコントロールされる。ドライビングモードは「エコ」「コンフォート」「スポーツ」「インディビジュアル」に加えて、新たに「スペシャル」がプラスされている。
「スペシャル」はニュルブルクリンクでの走行に合わせたプロファイルにセットされる。GTIクラブスポーツのラップタイムはスタンダードのGTIよりも13秒速いと発表されている。
クラブスポーツのエクステリアデザインはGTIとは若干異なり、左右のヘッドライトを結ぶ赤いアクセントラインに並行してLEDライトが組み合わされ、グリルには一対のウィングレットが、フロントスポイラーとともに装備されている。
またルーフエンドには大型化され、エアフロースペースが開けられた3分割のスポイラーがリアの接地性を高めている。またエグゾーストパイプは楕円形のマフラーカッターが採用されているが、不思議なことに「クラブスポーツ」を示すエンブレムやロゴはどこにも見当たらない。
インテリアはほぼGTIと同じだが、赤いアクセントラインが入ったアルカンタラ製のスポーツシートと、それにコーディネートされたトリムがスポーツムードを高めている。
また操作系もドライバー正面に8.25インチ、そしてダッシュボード中央には10インチ(オプション)のタッチパネルが用意されている。ただし待ち受けメニュー画面はGTIと同じスポーティなデザインになっている。
■迫力あるサウンドと淀みない加速が炸裂
操作系のデジタル化が進み、シンプルに整えられたGTIクラブスポーツのインテリア。ドライバー正面に8.25インチ、ダッシュボード中央には10インチのディスプレイを装備
アイドリング中にスロットルペダルを踏み込むと、後方からダッシュボードがわずかに共鳴するほどの意外と大きなエグゾーストサウンドが響き渡る。
コンソールの小さなセレクトレバーをDに、そしてドライブプログラムはコンフォートを選択してスタート。このモードではスタンダードのゴルフと変わらない快適なドライブが可能だ。
続いてスポーツモードに切り替えると、わずかにスロットルを踏み込んだ途端にパワーが炸裂。2000rpmからレブリミット5000rpmまで淀みなくパワーが沸き上がる。
FFで300馬力/400Nmと聞けばアンダーステアが気になるところだが、このGTIクラブスポーツではタイトコーナーで電子制御のデフロックが働いてトラクションを確保。狙ったラインどおりのコーナリングが可能だ。
またスポーツモードにおけるプログレッシブステアリングも車速に応じて自然に可変し、繊細なライントレースができるためサーキットでも充分に耐えるスポーツハンドリングを示した。
実用性も充分に残されたGTIクラブスポーツはスタンダードのGTIに飽きたらない、時々は峠道を攻めたいと思っているスポーツドライバーにお薦めのバリエーションだ。
ドイツでのベース価格は40,225ユーロ(約520万円)。スタンダードのGTIよりも2,625ユーロ(約34万円)高いだけゆえに、日本でも人気が出る可能性は充分にある。
■新型ゴルフRは歴代最強パワーの320馬力を発揮!
ゴルフRはフォルクスワーゲンR社が送り出した最強ホットハッチ。最高出力は320ps/400Nm、0-100km/h加速は4.7秒、最高速度は270km/hと歴代最高のスペックを誇る
ゴルフRはシリーズのなかでは別格で、開発はフォルクスワーゲンR社で行われている。エンジンはGTIファミリーと同じく、4世代に渡って進化してきた4気筒2L直噴ターボだが、最高出力は320馬力、最大トルクは400Nmと、歴代最強のパワーを誇っている。
そして7速DCTとハルデックスクラッチを採用する4WDとの組み合わせによるカタログ上のダイナミック性能は、0-100km/hが4.7秒、最高速度は270km/hと歴代もっとも速い。
スタンダードGTIとの違いは、「R」バッジがフロントグリルとリア中央に見られること。さらにフロントエプロンの両脇にGTIのような5灯ドライビングライトがなくなり、大きな開口部を持ったクーリングダクトにウィング型のエアスプリッターが設けられている。
ワイドなサイドシル、ルーフエンドには2分割式のルーフスポイラー、そしてディフューザーの両側にはアクラポヴィッチ製のマフラーが両サイドから突き出ている。このエグゾーストシステムはチタン製で排気効率を上げるためだけではなく7kgの軽量化も果たしている。
インテリアは基本的にはゴルフシリーズと共通で、ダッシュボードやドアトリムの素材には相変わらずハードプラスチックが見られる。しかし、ヘッドレスト一体型のハイバックスポーツシート、やや太めのステアリングホイール、そして比べてみると長くなったパドルシフトなどでRモデルであることを強調している。
ドライバー正面とダッシュボード中央のデジタルモニターもGTIと共通だが、メニューにはRモデル独自のデザインが現れる。
ドライビングモードは6種類で「エコ」「コンフォート」「スポーツ」「レース」、そして「インディビジュアル」、さらにスペシャルメニューとして「ニュルブルクリンク」がある。「ニュルブルクリンク」モードの内容はコースに合わせて、「レース」モードよりもややソフトなダンパーセッティングになっている。
■日常使いも優秀なゴルフシリーズの頂点
新型ゴルフRのコクピット。6種類のドライブモード(エコ/コンフォート/スポーツ/レース/インディビジュアル/ニュルブルクリンク)を選択できる
ゴルフR専用のデジタルメーター表示
走り出すとターボは2000rpmくらいから働き始めてスムースにパワーが盛り上がり、6700rpmのレブリミットまできっちりと回る。7速DCTはオイルクーラーを追加し、クイックなシフトタイミングを可能にするようにソフトウェアがアップグレードされ、気持ちいいシフトワークが可能だった。
ただし、マニュアルモードでもレブリミットよりも手前でシフトアップする傾向があったのがちょっと残念だった。MT仕様が望まれるところだ。テスト車にはウィンタータイヤが装備されていたこともあって、乗り心地はソフトでロングツーリングにもまったく問題がない。
さらにハルデックスクラッチを採用した4モーション(4WDシステム)は、リアに搭載されたトルクベクトリング付きの電子制御デフロックとともに作動することでニュートラルなコーナリング特性を実現。そして、当然ながら路面状況に左右されないトラクションを提供してくれた。
また、これらすべてのデバイスがVDM(ビヒクル・ダイナミック・マネージメント)によって統合制御されているので、いかなるシーンでも動きがスムースであった。
新型ゴルフRは、シビックタイプRやメガーヌRS、さらにはメルセデスAMG A45 Sなどと比べると、日常使用における快適性は優れていた。それでもゴルフGTIより10,411ユーロ(約135万円)も高価なゴルフRは、月に一度はサーキットでのスポーツ走行に連れ出したい、ゴルフシリーズの頂点に立つ文字どおりのハイパーハッチだった。
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