純正装着であろうと後付けであってもカーナビはリモコンが付き物であった。今やインパネにボタンが付いていたり、はたまた音声操作などリモコンがクルマから消えつつある。このまま消えてしまうのか!?
文:高山正寛/写真:ベストカーWeb編集部/アイキャッチ:Ludovic L'HENORET@Adobestock
今や貴重なモノに!? まったく見なくなったナビリモコンはこのまま消えるのか!?
■かつては“栄華を誇っていた”車載向けリモコン
これ付けていた!! という人も多いはず。ただ当時のオーディオはリモコンは別売りで巨体だったために取り付け場所を決めるのもひと苦労……
それにしても時代の流れというのは早い。今回のテーマである「車載用リモコン」、カーオーディオはもちろんAV一体型カーナビでもおなじみの装備だが、その標準装着率は年々減少傾向にある。
今さらながらリモコンは「Remote control(リモートコントロール)」の略、つまり遠隔操作が行える機器のこと。余談だが50代以上の人ならば1971年、家庭用テレビに当時の三洋電機が「ズバコン」という超音波リモコンを搭載し、大ヒットした記憶を持っているかもしれない。
閑話休題。一方のカーオーディオなどは筆者がこの業界に入る前、1983年頃にパイオニアが発売したコンポーネントカーステレオ「FX-K9」を所有していた。
このデッキには「CD-S9」というワイヤレスリモコン(正確にはサブコマンダーという名称)がオプション設定されていた。
この前にも同社の「ロンサムカーボーイ」シリーズのカセットデッキ(もはや死語か・・・)を所有していたが、それまでワイヤレスリモコンが設定されていたモデルは記憶にない(少し曖昧で申し訳ない)。
ただ今のカーオーディオのように赤外線受光部は本体内蔵ではなく、別体になっており(それも結構デカイ)、取り付け場所にも悩んだ記憶がある。
■ナビ普及でリモコンが当たり前に!! 当時もパイオニアは工夫満載
その後、各メーカーは商品の差別化や優位性を高めるために80年代後半から2000年にかけて独自のデザインや機能をリモコンに持たせ、新商品が発表されるたびに話題になったものだ。
現在も人気モデルであるカロッツェリアの「楽ナビ」に採用された「Doリモコン(2000年)」も、まだHMI(ヒューマンマシンインターフェース)という言葉がメジャーでない時代から、極力少ない操作で目的地までの案内を行えるなど定番商品として認知。まさにこの時代はリモコンにおける「この世の春」であったと言える。
■取り付け位置自体の“一等地時代”の訪れ
現在のクルマはインパネ上部にオーディオスペースが設けられるが、かつてはオーディオの位置はもっとも下部など、いまほど優先度が高くなかったモデルがほとんど
その後、カーAVユニットは従来からHMI的にも大きな転換点を迎えることになる。
現在もまだ販売されているが、当時2&1DINのユニットを取り付けるスペースの位置は今ほど“一等地”ではなかった。
つまりカーナビのディスプレイが車種によっては下に配置され、視線移動が多くなったり、操作のしづらさも発生していたのだ。
もちろんメーカーはリモコンの「先進性」、もう少し砕けた言い方をすると「カッコイイ」部分もアピールしたかったが、視線移動の多さは事故に繋がる可能性も高い。
極力手元で操作できた方が良いという利便性を強調(とはいえ、操作時にはステアリングから手を離れるという現実はあるわけだが・・・)。その点でもリモコンというデバイスは時代に合っていたのだ。
その後、AV一体型カーナビの販売の大幅な販売増、さらに2DINだけではなく、インパネとの一体感のある専用設計(デザイン)の採用が増えたことにより、UI的にも優れた商品も増えてきたわけだ。
これにより、これまでエアコンスイッチや小物入れなどが幅を利かせていた“一等地”はカーAVユニットにその座を明け渡すことになる。
■タッチパネル、音声認識……リモコンは徐々に少なくなる
では今後リモコンはどうなるのか、ということだが、基本的にはゼロにはならない。但し、徐々にシュリンク(縮小)していくことは間違いないだろう。
リモコンの形状自体も、時代に合わせて進化をしている。当時は全体的に「スティック型」が多かったリモコンも、走行時にフロアに落ちてしまうケースもあり、その後はステアリングホイールにバンドで留めるタイプなども一時期は数多く登場した(現在もある)。
HMIに関してはユーザーの嗜好性に合わせて、色々な選択肢があった方がベターだ。タッチパネル、音声認識、ステアリングリモコン、ワイヤレスリモコンなど多くのHMIを同時に搭載している車種もまだまだ多い。
またBMWの「iDrive」やメルセデス・ベンツの「タッチパッド」など、スマホ感覚の操作を目指したHMI(これも一種のリモコン)なども数多く世の中に登場した。
しかし、昨今、BMWもメルセデス・ベンツもこれらのデバイスを廃止する傾向が出てきている。
BMWで言えば2シリーズ「アクティブツアラー」、メルセデス・ベンツで言えば「Aクラス、Bクラス」も新型ではこれらは廃止されている。
また前述したカロッツェリアの「楽ナビ」も全く新しいUIを採用することですでにワイヤレスリモコンの設定自体が無くなっているのだ。
要は「一周回って」ではないが、時代に合わせて進化してきたHMI言えども、コストカットも含め、使いにくいと判断されれば、廃止される傾向はある。
わかりやすさで言えば、まだまだディスプレイに直接タッチする方式が主流だろう。もちろん、昨今では音声認識やステアリングスイッチの多機能化が注目されているが、まだまだ改良の余地はある。
特に音声認識に関してはユーザー側が「発話のためのトリガー(単語)」を覚える必要がある点からも今後はAIやクラウドによるユーザーサポートのような機能が付加されていくはずだ。
家庭用テレビ&ビデオレコーダーの場合、多機能とはいえ、まだまだオーソドックスなリモコンが主流だが、クルマに関して言えば一定の役目は終えつつある。少し寂しい部分もあるが、逆に考えればクルマのHMIは常に最先端を走っているとも考えていいのかもしれない。
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写真くらいちゃんと選べよ能無し編集が